【ネタバレ注意】ガラスの仮面第1巻その⑨【あたし女優になります!】

      2016/07/31

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一方のマヤ。
横浜の月影邸を訪ねる。

外人墓地やマリンタワーが一望できる月影邸は
相変わらずゴージャス。

芝居への情熱を訴えるマヤ。
芝居がしたい。芝居が好き。
でもきれいじゃないし、成績も良くないし貧乏。
それでも芝居をしたい。

ちょいちょい自身の境遇の愚痴を交えつつ
情熱を訴えるマヤ。

しかし、月影黒夫人はつれない。

「早く忘れなさい」
「働くことの苦しさが忘れさせてくれるでしょう」

月影の言葉にさらに熱くなるマヤ。

「中途半端な情熱じゃありません」
「芝居ができるならなんでもするつもりです」

「その言葉に偽りはないわね」

「はい」

なんだか見事な誘導尋問に引っかかってしまったマヤ。

「ではついていらっしゃい!私の行くところへ!」
「源造、車の用意を!」

こんな思いつきと成り行きで車をいつも用意している
源造の働きっぷりには頭が下がる。

やってきたのは東京杉並区。
広大な敷地に大きな建物。
その名も「劇団つきかげ」

月影黒夫人の演劇研究所だった。
三週間後には最初のレッスンが開かれるとのこと。

劇団への入団を懇願するマヤ。
入学金や月謝は後で働いて返すつもりだ。

「あとで働いて・・・?あなたは将来何をして働くつもりなの?演劇をやりたいというのは趣味なの?お芝居をしていると楽しくて、だからそのためにやりたいの?遊びなの?大人になったらどうするの!?演劇をやめて働くの?」

「いいえ、あたし女優になります!」

「よくいったわね。その一言を聞きたかったのよ。その決心を忘れないでね。」

女優になる、自らの発した決意に驚くマヤ。
そして相変わらず見事な誘導尋問。
こんな恐ろしいおばさんに、上記のように一気に畳み掛けられて
女優になる以外の言葉を発することができる中学生などいない。

一方、とある記者会見会場。

大都劇場で公演予定の大作「白ばら夫人」

「白ばら夫人」ガラスの仮面・劇中作品データ

どんなんやねん。

姫川歌子と娘・姫川亜弓が競演とのこと。

「私は母の様な女優にはなりません。母とはいえ役者としてはライバル。母を凌ぐ女優になるつもりです」
「私は女優の仕事に一生を捧げる決心です!」

奇しくも同じ日、二人の少女が女優として生きる決意を固めたのだった。

かたや、母をも超えたいという強い意志にて
一方は、心に秘めた熱い想いを誘導尋問に導きだされて。

ところがそんなにすんなりとはいかない。

「ばかなこと言うんじゃないよ!おまえ気はたしかかい?」
「何寝ぼけたこと言ってるんだ!お前にそんな才能あるもんかね」

演劇を学びたいというマヤの決意を聞いた母親の感想(一部略)
江戸っ子のようなテンポでマヤをののしり、否定する。

母親の反対に、家を出る決意をするマヤ。
わかりやすい「豚の貯金箱」を割り、
お札三枚と、小銭十数枚の貯金を用意。
着替えを用意して深夜に家を出たのだった。

母親に詫びながらも、春の夜の清々しい空気に心が躍るマヤ。
始発前の線路沿いを、夢に向かって歩き始めたのだった。

つづく

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第1巻・千の仮面を持つ少女