【ネタバレ注意】ガラスの仮面第2巻その⑧【雨よ、冷たい矢で打ってちょうだい。】

      2016/07/31

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劇団つきかげの発表会「若草物語」

「若草物語」ガラスの仮面・劇中作品データ

みごとベスの役と心を勝ち取ったマヤは
めきめきと上達していく。
雑魚団員たちの間でも評判だ。
さしあたっての課題はピアノを弾く手つきと、
クライマックスの重態のシーン。

「どんなにうまくったって、経験のあるものにはかなわないさやっぱりね。」

軽くマヤへの誹謗が感じられる雑魚団員たちの評価。

そんなマヤに救いの手を差し伸べるのはイケメン桜小路優。
子供の頃からピアノを習っている彼は
自宅にマヤを招いてピアノの指導をしてくれるという。
さりげなく女子を自宅に招くこの手口はイケメンならでは。

桜小路くんの家は見るからに大きな家。
和服を着た母親と小綺麗な服を来た妹の玉美。
その裕福で家族のいる環境と、
自分をののしり縁を切られた母とを重ね合わせるマヤ。

教える桜小路と教わるマヤ。
詳細は割愛するが、

「あはは」「キャッキャッ」

という雰囲気。
そして

「いつか一緒にお芝居できるといいね」

という決め台詞。
そしてピアノの参考書を貸してくれるという万全のフォロー。
マヤは完全に桜小路くんに魅了されるのだった。

一方もう一つの課題。
ベスが猩紅熱にかかるシーン。

「平気よ・・・あたし・・・大丈夫よジョー・・・」

マヤの至らぬ芝居に月影先生もエキサイト。
このシーンだけに三時間もやり直しをさせる。
そしてお決まりの鉄拳制裁。
さすがのイエスマン田代先生も止めに入る。

「疲れなさい・・・もっともっと疲れるのよ!
 そうすれば少しは瀕死の病人の息遣いもわかってくるでしょうよ!」

自らの暴力行為を正当化する月影先生の心の叫びには狂気すら覚える。
瀕死の病人と殴られた痛みは別物だと思うが。

さらに暴言を浴びせ続ける。
「このシーンができないベスなんて、できそこないのベスよ!」

さすがのマヤも「できそこない」という言葉に傷つき、
男前リーダーの青木麗に泣きつく。

「転んだことのない人間に転んだ時の痛さはわからない・・・
 多くの演技者達は転んだ人間をみてそこから学ぶだけなんだ。」

それでも救われないマヤはイケメン桜小路くんに助けを求める。
雨の降る中桜小路邸を訪ねると母親が。
劇団の友達と出かけて不在とのこと。
門前払いにも似た態度でそっけなく帰される。

帰ろうとするマヤだが、借りていた本を思い出し、
再度桜小路邸に戻ると母親妹と対峙するイケメンは在宅中。

「なぜ僕がいないなんて嘘をいったんだ!」
激怒する桜小路に対して母と妹の感想。

「あのマヤって子は家が貧しい」
「母子家庭」
「家出少女」
「そんな子とつきあってほしくない」
「あんな子のどこがいいの」
「亜弓さんみたいな綺麗なひとがいい」

マヤは本を玄関におき去って行った。
顔面蒼白の桜小路。

なかなかに厳しい現実である。
桜小路家は見るからに裕福そうだし、
イケメン優しい誠実親切という出来杉君とは釣り合わない。
その現実をマヤもわかっていた。
わかっているが何故だか涙が出る。

そんな中、麗の言葉がフラッシュバックする。

「転んだことのない人間に転んだ時の痛さはわからない」

ひらめいたマヤ。
傘を閉じ、激しく振る雨に身を晒す。

「雨よ、冷たい矢で打ってちょうだい。全身を・・・
 身体の芯まで冷えるように・・・!雨よ!」

病人の芝居を知る為に病気になろうという魂胆。
桜小路君との厳しい現実で流した涙をきっかけに、
ベス役を身を以て知ろうというその切り替えの早さと役者根性。
しかも「雨よ!」のくだりまで芝居がかっていておそろしい。

一方劇団つきかげ。
夜になっても帰ってこないマヤに一同心配。

「もし朝までに帰らなかったら、捜索願を出しましょう」

さすがの月影先生も心配の模様。
しかし捜索願を出したら、その事情を説明する中で、
戸塚ヨットスクール事件のように
劇団つきかげの暗部が晒されるのではなかろうか。

まんじりともせず夜が明けた。

朝になってマヤを探しにでた寄宿生達が見たのは
公園のブランコに座り、豪雨に打たれるマヤの姿だった。

「もう少し・・・もう少しよ・・・
 ああわかりかけてきたわだんだんと
 そうよあたしにできるのはこれしかない・・・
 これしか・・・
 お芝居が好き・・・あたし好き・・・」

息も絶え絶え、寒さに震えながら、
結局わかったのは病人の気持ちなのか、自分の芝居への情熱なのか
よくわからん。

寮に運ばれたマヤは案の定高熱。
心配する麗にマヤが放った言葉は

「平気よ・・・あたし・・・大丈夫よジョー・・・」

何度やっても出来なかった台詞を
迫真の演技で返すという大技に。

この台詞を言うためだけに雨に打たれ続けたマヤに
麗と泰子はドン引き。

病人の気持ちや辛さを知る為に病気になるというマヤの役者根性。
桜小路くんの優しさと桜小路家族の差別主義。
ナイス兄貴分の青木麗。
相変わらずモブキャラと化している泰子。
そして月影先生の暴言鉄拳が目立った回でした。

続く。

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第2巻・炎の階段