【ネタバレ注意】ガラスの仮面第4巻その①【舞台の上は神聖なもの・・・】

      2016/02/05

ガラスの仮面第4巻
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年が明け、全日本演劇コンクール東京予選が始まった。
29の劇団が5日間にわたり上演し、20人の審査員によって1位に選ばれた劇団は
3月下旬に名古屋で行われる全国大会に出場する権利を得ることが出来る。

会場では最終日の演目が話題に。
劇団オンディーヌと劇団つきかげが同じ演目「たけくらべ」で同日に激突するのだ。

演劇連盟の理事でもある小野寺による嫌がらせであることは観客にも周知の噂。
もはや小野寺氏の政治力および策謀は知るところになっている。

前評判では優勝候補の劇団オンディーヌが断然有利。
同じ演目を後に上演する劇団つきかげは不利なだけでなく、
美登利役の格が違いすぎるのだ。
もはや大女優の貫禄すら出て来た姫川亜弓に対し、
目立たない平凡な北島マヤは名前すら噂になっていない。

第一回目終演後のロビーにてマヤを見つけた亜弓。
不敵な笑みを浮かべてマヤに近づく。

「マヤさん、うれしいわ。
 あなたと同じ美登利を演じられるなんて。
 さぞかし私とはひと味違う美登利が出来ることでしょう。
 期待しているわ。オッホッホ。」

軽く嫌みのジャブ。
対するマヤ

「ありがとう」

満面の笑み。
びびる亜弓。青ざめている。
亜弓と同じ美登利役を演じるマヤは不安になっていると思っていたのに、
まるで亜弓など問題にしていない様な明るい笑顔。
挑発を仕掛けて自らが落とされるという
ちょっとかっこわるい亜弓。

会場には桜小路優もいた。
他の劇団員の手前、おおっぴらに話せはしないが、すれ違い様

「頑張ろうね」

その一言でマヤ感激。
長いこと逢っていない桜小路くんが
マヤを気にかけてくれてときめく。
マヤも小悪魔なら、桜小路くんのこの素振りも達人だ。

会場にはいろんな人がいる。
一角では速水真澄と小野寺氏。

速水真澄は、劇団オンディーヌと劇団つきかげを同じ日に当てたのが気に入らない様。

「小細工をせず正々堂々と芸を競わすべき」
「つきかげが我がオンディーヌに敗れたらそれは実力の差というもの」
「実力の差・・・つきかげに舞台稽古もさせないでですか?」
「どうしたんだね真澄君。つきかげの肩を持つ気かね?」
「いえ・・・ただ・・舞台の上は神聖なもの・・・」

苦しいぜ若社長。
軽く嫌みを言ったものの、本心をズバリ言われると
小野寺氏以上の詭弁と綺麗ごとでごまかすという、
ちょっとかっこわるい速水真澄。

上演期間は過ぎて行く。
会場での稽古が出来なかった劇団つきかげは
近所の空き地を舞台の広さに見立て稽古をする。
そして最終日がやって来た。

先攻は劇団オンディーヌ。
つきかげのメンバーは楽屋準備だ。
マヤの台本の上には紫のバラが。

「あなたをみています
   あなたのファンより」

「来ているんだわ紫のバラの人!」

マヤ、大喜びで廊下に出るも、紫のバラの人の姿は無かった。

しかし、楽屋のセキュリティー甘過ぎ。
そして文面だけ見たら強
度のストーカーとも思える狂気じみた手紙。
それが楽屋にこっそり置かれているという事実に
誰もツッコミを入れないことにツッコミを入れたい。

舞台上ではオンディーヌの「たけくらべ」が始まった。

「見ていらっしゃいマヤ
 たけくらべの美登利がどんなものか見せてあげる
 この私の実力のほどを思い知り。打ちのめされるがいいわ!
 私の後に同じ役を演じることがどんなにみじめなことか
 私にはかなわないのだとはっきりとわからせてあげる。」

しかし表情は青ざめているという・・・
現状では相手を一方的に意識しているのは亜弓で、
マヤは亜弓のことなどもう忘れているという現実。
まあ、完璧超人・亜弓さんにもかかわらず、
マヤに対する意識だけは非常に人間臭いのが魅力でもある。

劇場の片隅では月影先生が青柳プロの関係者と話している。
東京予選を勝ち抜き、全国大会で三位以上に入らないと。
劇団つきかげはつぶれるという最後の確認だ。

マヤは劇団つきかげの行く末も亜弓のことも忘れ、
紫のバラの人に感謝し、恥じない演技を誓うのであった。

そしてそれを廊下の角で見つめるロリコン若社長。
コートの襟を立て、右手にはタバコ。
ハードボイルドストーカー。
かっこわるい。

多くの人達の想いの詰まった中、舞台は進んで行く。

続く

 - 第4巻・春の嵐