【ネタバレ注意】ガラスの仮面第3巻その②【この俺が花束だと?】

      2016/07/31

Pocket

マヤに本番中に水をぶっかけるという
月影千草の鬼の指導に劇団員達もドン引き。
頭から水が滴り、服もびしょぬれだ。

「さあ立ちなさいマヤ!
 どうしたのです。ベスはあなた一人しかいないのよ。」

壁にもたれながら立ち上がるマヤ。
青木麗が止めに入るも、彼女を突き飛ばす力は残っているという不思議。
舞台上にタオルを一枚もって登場すると、
「湖で水遊びでびしょぬれになってしまった態」のアドリブをぶち込み、
その場を切り抜けるという荒技に出る。

舞台上では病人のそぶりも見せないマヤに驚く劇団員達。
そして舞台袖からマヤを見守る(見張る)月影先生。
客席では芝居が進むにつれて美しく見えるマヤに驚く姫川亜弓。

「普段は道端の雑草のように地味で
 何の取り柄もないつまらない少女なのに・・・」

独り言の割には毒舌が過ぎるぜ亜弓さん。
そして速水真澄ロリコン若社長と、イケメン出来過ぎ君の桜小路優も
そのつまらない少女に魅了されている模様。

そして舞台はクライマックス。
ベスが猩紅熱にかかり病床のシーン。
マヤの演技、というかこの為に用意した高熱により観客を圧倒。
不得意なシーンを演技せずに乗り切る為、
他のシーン全てを犠牲にするという斬新な方法。
それでいいのか劇団つきかげ。

終演後、観客の評判は上々。
有名な演劇評論家の古橋先生や鎌谷先生にも思ったよりはよく映ったようだ。
しかし速水真澄に睨まれ、評論を覆すコバンザメっぷり。

「しょせんは素人の集まり」
「演出も稚拙」
「まるっきりの学芸会」

マスコミの印象操作に成功し、邪魔者を消す速水真澄だが
何故だか敗北感を味わっていた。
以下長いですが速水真澄の敗北感とは。

「何故だろうこの敗北感・・・
 そして胸を締め付けられる様なこの息苦しさは・・・
 こんな思いは初めてだ。
 いろいろな舞台のいろいろな役者を見てきたが・・・
 初めてだあんな激しさは・・・
 まだ中学生くらいの少女だというのに・・・
 40度の熱で・・・馬鹿な何て無茶な子だ・・・
 舞台に立つだけでもやっとだっただろうに・・・
 あの小さな少女のどこにあれだけの情熱が秘められているのか・・・」

敗北感というか完全に恋してますやん若社長。
ライバル劇団を潰しにかかるつもりが
ライバル劇団の女優に魅了されるという失態をおかし、
「まだ中学生くらい」「小さな少女」というロリコンキーワードをちりばめながら
「初めてだ」などと言ってのけるもはや変態。

帰りの道中でもまだ言うか?
「情熱・・・
 俺は自分の人生に情熱を感じたことなどあっただろうか?
 ただ速水家と速水の父だけの為に生きてきた・・・
 そうだ幼い頃から・・・」

知らんわ。
少女への熱い思いを自身の生い立ちや人生にまで展開するそのロジックはもはや病気だ。
そしていよいよやってはいけない行動に出てしまうのだった。

花屋で車を止めると、
たまたま見つけたありったけの紫のバラを花束にし、
劇場に戻った。

「なんてことだこの俺が花束だと?
 今までどんな女性にも花など贈ったことのないこの俺が・・・
 しかも10いくつも年下の少女に・・・・」

自身の行動の異常さには気づいている模様。

劇団員達が廊下へ出ると紫のバラの花束に気づいた。

「早く元気なベスになってください
       あなたのファンより
             ベスへ」

匿名でしかもこっそり置いて行ったところに
狂気を感じます。

一方の姫川亜弓は出会うたびにパワーアップして行く
マヤの芝居の実力に気づき闘志を燃やしていた。
こちらは役者としては極めて正常な反応か。

速水真澄はまだ言うてる。

「恋か・・・
 あの少女もいつか恋する女を演じるようになるのだろうか?
 恋する女を・・・」

大事なことなので三度も「恋」と言っています。

マヤは花束をもらって大喜び、
まだ見ぬファンの姿に期待を膨らませるという
運命のいたずらが、
一人のロリコンによって始まってしまいました。

紫のバラの人という虚像の誕生

続く。

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第3巻・風の中を行く