【ネタバレ注意】ガラスの仮面第4巻その③【速水真澄・・・油断のならない男・・・】

      2016/07/31

ガラスの仮面第4巻
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満場の拍手の中、「たけくらべ」を完璧に演じ終えた姫川亜弓。

「たけくらべ・劇団オンディーヌ」ガラスの仮面・劇中作品データ

「さてと着替えも終わったことだし、
 そうそうつきかげの舞台を見に行こうかしら」

誰もいない楽屋で独り言も絶好調。
劇団つきかげを見るまでもなく勝利の余韻に浸っている。

ところが劇場のロビーは静まりかえっている。

「変ね・・・やけに静かだわ。
 ロビーに誰もいないなんて。
 もしつまらなきゃ観客が出て来るはずだし。
 まさか・・・!」

つきかげの舞台がつまらないという前提の独り言。
このあたり初期の亜弓はすこぶる性格が悪い。

迎えに来たオンディーヌの仲間を突き飛ばし、慌てて劇場に入る亜弓。
そこで見たものは観客の真剣なまなざし。
そして元気でおてんばでおきゃんな、
北島マヤの演じる美登利だった。

「たけくらべ・劇団つきかげ」ガラスの仮面・劇中作品データ

「ひどい美登利ですって・・・
 口ではそう言いながら観客の大半が
 その美登利の釘付けになっている・・・なぜ・・・?」

そして客席では同じように美登利に釘付けの男二人。
大都芸能の若社長・速水真澄と、
劇団オンディーヌの桜小路優だ。

舞台のあらすじはつまらないので割愛。
しかしマヤの演技はかつての大女優を思い出させるとまで
審査員どもに言わせた。
審査員は相変わらず劇中の私語が多い。
そして観客も美登利役のこの少女を認め始めていた。

冷や汗をかく亜弓。
わかる。

マヤの演技に驚愕する策士・小野寺。
わかる。

会場の雰囲気にご満悦の笑みを漏らす月影先生。
わかる。

つばを飲み込む速水真澄。
わからん。

前半のクライマックスを終え、
審査員達の私語は、二人の美登利の甲乙はつけがたいとのこと。
そして観客も美しい亜弓の美登利よりも
魅力的に見えるマヤの美登利の不思議さにやられている。

そんな会場の空気に敏感な亜弓は完全に青ざめている。

終盤のクライマックス。
マヤの一挙手一投足にいちいち実況と解説を入れる審査員達。

「うまい・・・!」

思わずGファイターで出撃したセイラさんの様な一言を漏らす始末。

そして終演。
会場からはオンディーヌにも負けないほどの拍手と歓声。
悔しがる小野寺氏。

会場からも原作から出て来た様な完璧な美登利と、
新鮮なイメージを作り上げた美登利と、
評価が分かれている。

審査員席も揉めに揉めている模様。
そして結果発表の時が来た。
一位の劇団は全国大会への出場権を得るのだ。

「第三位 劇団ポー バラの一族」

推理サスペンスものと言ったところか。

「第二位 劇団市季 ジーザス・クライスト・ウルトラスター」

なんやねんそれ。
めっちゃその話の方が気になるわ。

そして第一位。

「劇団オンディーヌ たけくらべ」

「そしていまひと組

 同じたけくらべを演じました、劇団つきかげ!」

「この二劇団は甲乙つけ難く、
 審査票も同点という結果が出たため、
 ここに特にこの二劇団を一位入賞といたしました!
 なお、この二劇団はともに全国大会出場
 日本一を競っていただきます!」

なんじゃそりゃ!?
東京だけ二組ってずるいわ。
規定にあるのかわからんが、
全国大会の切符が地方予選で増刷された瞬間であった。

マヤが目をやるとその先には桜小路くん。
イケメンの微笑み

「桜小路くん!」

「頑張ろうねマヤちゃん!」

言葉は交わさずとも気持ちが伝わったようである。

舞台から降りたマヤはただの人。
つまづいてこけるわ、
かつらずれるわ、かんざし落とすわ、
最後には直角お辞儀ならぬ、「180度お辞儀」をして
会場を大爆笑に巻き込む。

そんな姿をみて嫉妬する亜弓さん。

「みごとだわあの子・・・
 ただお辞儀をしただけで観客の注目を一身に集めるなんて・・・
 みごとに観客の呼吸を捉えていた・・・」

もはや演技力ではなく、芸人としてのセンスにまで嫉妬する。

「亜弓さんたら、偶然よ」

必死でフォローするオンディーヌ連中。

「でしょうね。本人は何も気づいていないのだから。

 でも、転んだのがあんた達だったら
 こうはいかなかったでしょうよ

一言多い。

せっかく気遣ってくれた仲間にも皮肉を言ってしまう。
そして転んだのが亜弓だったらどうだったのかとても気になる。

以下、姫川亜弓の心の叫び抜粋。

・北島マヤ、あの子がここまでやるなんて
・ただ者ではないということはわかっていたが
・演劇歴一年で肩を並べるなんて
・悔しい
・こんな気持ちは初めて
・全国大会ではけちらしてやる

人生初の敗北感とともに復讐を誓うのであった。

以下、小野寺一理事長氏の心の叫び抜粋。

・手ぬるかった
・奴らを甘く見ていた
・全国大会では容赦せん
・思い知らせてやる
・どんな手を使っても

やはりこの期に及んでも、
演出力ではなく裏の手を使う決心をするのであった。

そして速水真澄。

「君の美登利はよかったよ。実によかった。
 全く画期的な美登利だ。あんなおてんば見たことない。
 僕は大いに気に入ったよ。」

皮肉たっぷりに好き好きアピール。

「全国大会ではせいぜい頑張りたまえ。おチビちゃん。

皮肉たっぷりにあだ名を付けて距離を近づける作戦か。

その様子を見ていた月影先生。

「速水真澄・・・油断のならない男・・・」

それはどっちの意味ですか?

そして

楽屋には案の定紫のバラの花束とカードが届く。
チョコレートも添えて。

紫のバラの人への感謝と
全国大会での頑張りを誓うマヤ。

速水真澄・・・本当に油断のならない男。

つづく。

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第4巻・春の嵐