【ネタバレ注意】ガラスの仮面第3巻その⑤【腹の底から怒るがいい!】

      2016/09/24

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二時間も本屋で立ち読みをするマヤ。
文学コーナーで「たけくらべ」を読んでいた。
二時間で読める内容なのだろうか?
というか台本読め。

一方の亜弓もゴージャスな自宅で「たけくらべ」を読破。
原作を読み、自らの演ずる美登利が決まった様子。

劇団つきかげの稽古も盛り上がりを見せる。
中でも主役に抜擢されたマヤの演技は雑魚団員たちから見ても一皮むけた様子だ。
月影先生の演出もエキサイトする。

「マヤ!!足の動きが違う!
 3歩何か考えるように・・・!
 もう一度!
 最初の1歩は早く、
 後の2歩は付け足し程度に!」

まだ台本を手に読んでいる段階で足の動きに注文を付けるという
劇団つきかげ鬼の演出。

そこに遅刻して来た名もなき雑魚団員の一言が稽古場の空気を一変させた。

「先生、演劇コンクールの東京予選で
 劇団オンディーヌも『たけくらべ』をやるとききましたが、
 あれは本当ですか?」

主役の美登利は姫川亜弓、信如は桜小路くん、
その他にもTVや映画に出演実績のある研究生達が出るとのこと。
凍り付く一同。

「それがどうしたというのです!
 私たちは私たち。
 他が何をやろうと知ったことではないわ。」

稽古を再開する月影先生。
しかしマヤを初めとする劇団員達の気持ちは複雑だ。
そして速水真澄と小野寺理事長の黒い策謀の影を感じるのだった。

一方劇団オンディーヌ。
さすがの姫川亜弓はもう美登利役を的確に掴んでしまったと
小野寺氏に言わせるほどの仕上がりを見せていた。
劇団オンディーヌの実力と姫川亜弓のネームバリューで
他の劇団は戦々恐々としている。

「つきかげじゃ主役の美登利を、あのベス役をやった少女がやるそうだ。
 思い切ったものだな。あんな演劇経験の浅い子を。
 亜弓君をぶつけるのは酷だったかな。」

そんな小野寺氏の言葉に浮かない顔の速水真澄。
仕事の鬼が劇団オンディーヌにお茶のみに来ているのだ。

「そうですか・・・
 あのベスをやった少女がね・・・」

ロリコン魂が再燃している様子。

またしても劇団つきかげ。
物語のクライマックス、美登利が怒りをあらわにするシーン。
月影先生の鬼の演出を通り越した暴行が繰り広げられていた。

なぜ三ちゃんをぶつの?
 ええ憎らしい長吉め!
 ぶつんなら私をおぶち!
 私が相手になってやる!」

乾いた打撃音とともに殴られたのはマヤ。
殴ったのはもちろん月影先生。

「何度言ったらわかるのマヤ!
 怒りなさいマヤ!
 腹が立って腹が立って
 悔しくて悔しくて
 腹の底から怒りがわき上がってくる!」

描かれている効果音だけで最低13発は殴られた突き飛ばされた模様。
マヤの顔は腫れ上がり、口からは流血。
月影先生の手も腫れ上がる。
そして劇団員達はドン引き。

「さあどうしたの。おやりなさいマヤ!
 腹の底から怒るがいい!
 さあおやりもう一度!」

髪の毛を引きずり回し突き飛ばす悪魔の所業。

「さ、三ちゃんになんのとががある・・・!(以下省略)」

マヤの怒りの演技、というかリアルな怒りは、
他の劇団員達をおびえさせ、台詞をためらわせるのだった。

「いいんですよそれで
 なかなかよく演れていました。
 その気迫と呼吸を忘れずにね」

それでいいんかい。
怒りの演技を引き出す為に暴行で追い込みをかけ、
リアルに怒らせるという古いのか新しいのかわからん演出。

しかしその夜、マヤは先生の手法にすっかり感服した模様だった。

「先生にひっぱたかれている間、
 一瞬先生をあの・・・とても憎んだんです。
 そうしたら台詞を言った時その憎しみが声に身体に表れました。
 ああ、こうやればいいんだって、そのときやっとわかったんです。
 うまくいえないけど・・・あの・・・あたし一生懸命やります。」

マヤにはどうやら月影流の指導が合っていたということか。
これまでにこの月影流の指導に何人の役者が潰されて行ったのか。
その詳細については語られていない。

「マヤ・・・おかしな子・・・
 これからよ・・・本当にお前が辛い思いをしなきゃならないのは。」

と、今日の暴行事件をあたかも軽い序章の様に語る月影先生もおかしな人だ。

姫川亜弓の美登利に恐れをなすマヤ。
しかし紫のバラの人のためにも頑張ろうと決意を固めるのだった。

一方の紫のバラの人@ロリコン若社長。
仕事が終わり自宅に戻ると、父親に仕事の報告だ。

「仕事仕事。僕と父の結びつきは仕事だけだな。
 大都芸能社長速水英介を父にしたときから
 大都芸能のためだけに生きるように育てられた・・・」

彼の人生は一本道。
しかしそれでいいと思っていたし、
それから外れることは罪悪だと思っていたのだ。

「それでいいと思っていた。今までは!
 だが何故だ!その考えが今になってためらわれる・・・
 自分の人生を自分の思うままに
 たとえ泥にまみれてもがむしゃらに歩んでみたい!
 あの少女・・・
 自分の選んだ道をいじらしいくらいに必死に生きている・・・
 なぜか・・・惹かれる・・・

結局そこかい。
自らの生い立ちと人生観を熱く語りながら、
気がついたら少女への恋心を語っているという
かなりの大技を繰り出したロリコン若社長。
そのさりげなくかっこいいロリコン趣味には恐れ入ったぜ。

続く。

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第3巻・風の中を行く