【ネタバレ注意】ガラスの仮面第5巻その⑨【木が動きますか!】
2016/09/24

古びた教会を借りることができ、
無事稽古場を確保した劇団つきかげ。
今日もハムレットを題材に厳しい稽古が繰り広げられている。
オフィーリアを代わる代わる演じる劇団員達。
影の薄い春日泰子さんも熱い演技を披露する。
この稽古の成果が本番で披露されるシーンを、
残念ながら読者は見ることが出来ない。
別の日の稽古ではバナナの皮で滑った人を見て笑う芝居。
別の日では寸劇。
バリエーション豊かなエチュードを展開する月影先生の指導力。
そして稽古が終わり疲れ果て、アパートにたどり着くと、
「アパートに入る前に演技動作をしてもらいます!」
と先生の鬼の指導は止まらない。
「これは幽霊屋敷の扉!さあ、麗開けて!」
先生の突然の無茶ぶりも無難にこなす麗。
「次マヤ!職員室の扉!」
これもあっさりOKが出る。
先生と同居していれば気の休まる暇もなく、
次々と指導が入るマヤと麗。
部屋で寝ていたマヤがふと目を覚ますと先生の姿はない。
探しに行くと、先生は一人夜の公園にいた。
話題は日々の暮らしや学業アルバイトとの両立から紅天女へ。
「先生、紅天女ってどんな役なんですか?」
「マヤ、木になってごらんなさい。」
「え?」
「言われた通り早く木になってごらん!」
軽い質問に答えることもなく、いきなり怒られ演技を命じられる。
やはりこの先生、気の休まる暇はない。
そして言われた通り、何となく木の芝居をするマヤ。
すると
いきなり石を拾い上げ、華麗なサイドスローから豪速球。
もちろんマヤ慌ててかわそうとするも、右肩に直撃。
「マヤ!木が動きますか!悲鳴を上げますか!」
鬼の指導。
以下抜粋。
・紅天女は自分が人間だということを忘れて初めて演じられる
・今演じられる人は一人もいない。
・今のマヤではまだまだ
・多くの経験を積んで磨きなさい。
石の豪速球から紅天女トーク。
理解の出来ない流れにマヤの質問が爆発する。
「先生、教えてください!
紅天女は一体どんな人間なんですか?」
「紅天女は人間ではありません。
紅梅、梅の木です。」
答えになっているようで答えになっていない。
そしてマヤが初めて紅天女を強く意識した時であった。