【ネタバレ注意】ガラスの仮面第6巻その⑨【そんな亜弓さんは天才なのに・・・】

      2016/09/24

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本盤を目前に控えたマヤ。
劇場を出ようとするとポスターが貼ってある。

「王子とこじき・姫川亜弓二役」

「王子とこじき」ガラスの仮面・劇中作品データ

亜弓を心の底から羨むマヤ。
美しくて才能があって両親の愛にも恵まれて
自分に無い物を持っている・・・

この時点ではマヤは自身の才能が亜弓に匹敵しうるものだとは気づいていない様子。
そして劇場を出ると路上には若いホームレスが。
さっそく噂の姫川亜弓である。

亜弓の姿に驚くマヤ。
マヤを見つけニヤリ。

「北島マヤ・・あなたなどには負けはしないわ
 あたしには天性の才能がある。
 その才能に加えて実力も立派に身につけて見せる
 いくらあなたが紅天女候補でも
 実力は私の方が上なのだと
 いつか月影先生にわからせて見せる・・・」

「なぜ・・・あの美しく品のあった亜弓さんが
 なせこんなところにこんな格好で・・・
 こじき役を掴むために?
 そんな亜弓さんは天才なのに・・・」

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この両者の感想は対照的である。
亜弓の気持ちと行動は、
「あなたより上」
「月影先生にわからせる」
と他人が物差しなのに対し、
マヤは「亜弓さんは天才なのになぜ?」
と自身の気持ち本意である。

周囲の期待や両親の地位、マヤへのライバル心が行動基準の亜弓に対し、
芝居が好きという自身の気持ちだけが行動を起こすマヤ。

その両者の芝居へのアプローチの違いは
のちに大きくその違いを見せることになるのだが・・・

そこに都合よく現れたイケメン・桜小路優解説員。

・こじき役を実感として捉えるため路上にいる
・劇団員もみな驚いている。
・彼女の演技を見ていると怖いくらいだ
・どうやら紅天女に野心を燃やしていると聞く
・そのために才能に加えて実力も今以上に身につけたい

とのこと。

亜弓が紅天女を目指していることに衝撃を受けるマヤ。

この回は非常に考えさせられる回である。

亜弓のことを、才能実力環境美貌ともに恵まれた天才と評し、
雲の上の人として捉えているマヤは、
当然亜弓をライバルとして捉えることもなく、
芝居がしたいという自身の情熱の赴くままに行動し、
次から次へと役を勝ち取りのし上がっていく。
しかも自身が持つその天性の才能には気づかない。

一方初めて会った時からマヤの才能の見抜いた亜弓。
最初はその才能に気付きながらも格下としてみていたが、
才能に比例して成長していくその実力を脅威と感じ、
この時点ではすでにマヤをライバルとして認めている。
自身の芝居はマヤとの戦いでありそのための稽古本番である。

勉強でも仕事でもそうだが、
大きな目標があって、ただそれだけを掲げて向上していくタイプと
大きな目標のためにその目標や過程を細分化し、
他者との比較競争の中で向上していくタイプがいる。

現代社会では後者のタイプが好まれており、
実際多くの結果や成果を出している人物は後者のタイプであろう。
大抵の人間は前者のタイプでは何の結果を出すこともできない。

しかしそれでも結果を出し他者を認めさせてしまうマヤは天才なのだ。
天才と言われる亜弓は努力の天才、
すなわち凡人の中の超エリートであるが、
本当の天才にはその努力の天才には苦戦する。

キャプテン翼における
大空翼と日向小次郎の関係である。
日向小次郎は中三最後の大会で両校優勝し、
努力が天才に比肩しうることを証明したが、
姫川亜弓の努力は果たしてどうなるのか。

その努力が必ず報われるということをその人生をもって証明してほしい。
(どこかで聞いたフレーズだが)

つづく

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第6巻・あした草(2)