【ネタバレ注意】ガラスの仮面第7巻その③【マヤを恐れたのよ・・・】

   

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マヤの周囲は慌ただしくなっていた。
田淵エミ主演映画「白い青春譜」
星城学園演劇部「古城の愛」
栄進座「おんな河」
と立て続けに出演。

学校でも噂になり、
当初は高飛車だった演劇部のメンバーからも一目置かれているよう。

しかし当のマヤはそんな雰囲気にも鈍感。
栄進座の舞台がおわって二ヶ月。
月影先生が退院し、
皆と一緒に稽古をつけてもらい、
次の舞台に立つ日を楽しみにしていた。

一方月影先生の病室。
紫のバラが飾られている。
連日届いているよう。
マヤのファンなのに月影先生の病室に花を贈るという異常事態に気づけ。

「名前も明かさない・・・いったい何者でしょう?」

入院費用まで世話になってるのに他人事の月影先生。
伝説の紅天女は芝居以外には無頓着。
大女優の例に漏れず浮世離れした鈍感である。

「案外金持ちの年寄りの道楽かもしれませんね。
ほら、マヤが死んだ孫娘に似ているとか!」

名探偵の青木麗。
こいつも鈍感か。

話題は栄進座の舞台について

・マヤはなんか目立っていた
・舞台を歩いただけで観客は笑っていた
・特に目立った演技はない
・栄進座からはその後何も言ってこない

「そう・・では原田菊子さんはマヤを見限ったのね・・・!」

さすが紅天女。
これだけの断片的な情報で舞台の裏事情まで悟る。
芝居に関しては鋭敏である。

「それでいいのよ
それでこそ栄進座の原田菊子よ
よくマヤの素質を見抜いたものだわ」

麗はぽっかーんである。
やっぱりお前は鈍感か。

「菊子さんにとって大事なのは栄進座。
彼女は本能でマヤの素質をかぎつけ
そしてマヤを恐れたのよ・・・」

往年の大女優同士、お互いを知るといったところか。

その恐るべきマヤはなんとバイトをしようとしていた。
大学生の演劇サークルの小道具の手入れや雑用のお仕事。
芝居を知っている人が欲しいとのこと。

なんと仕事を斡旋してくれたのは桜小路優。
ほんまこいつはええやつや。
恋心が破れつつあるにも関わらずマヤに優しくしてくれる。
それとも下心なのか。

無事採用。

桜小路くんはマヤの生活を心配してくれている。
オンディーヌに入れば月謝は免除、学費も出してもらえて寮にも入れる。
おもいっきり好きな芝居をすることができる。

ちゅうかすごいなオンディーヌ。

マヤの才能がずば抜けているとはいえ、
大都芸能の若社長に狙われている気に入られているとはいえ、
そんな至れり尽くせりなのだろうか。

久々の横浜。
人知れず大事件が起きていた。
中華街の裏路地、万福軒。
店内でマヤの母親・北島春が咳き込んでいた。

店の奥に入ると、吐血。

「まさか・・・結核・
冗談じゃないこんなことが知れたら首になってしまう。
ここは食堂なんだよ・・・
でも隠していてもいつかはわかってしまう・・・」

さすがはブラック中華料理屋の万福軒。
従業員の労働環境がヤバイ。

そしてマヤの写真を見つめ涙にくれるのだった。

「何してるんだろうあの子は・・・
 手紙一本よこさないで・・・親不孝な娘だよ本当に・・・
 女優になるなんていって飛び出して
 なれるもんかねお前みたいにつまらない子が・・・
 本当にバカな子だよおまえは・・・
 親不孝でバカな娘だよ・・・」

涙無くしては読めない孤独な母の描写である。

ちゅうかこの北島春さん、
劇中において最もかわいそうな人である。

夫に先立たれ、
一人娘は家出し、
しかもその娘を愛してはいるものの
その可能性を限定し卑下するような思考。
よくもまあこの母親からマヤのような明るい子が育ったものである。
手に職もなく、住み込みの従業員。
そしてまさかの結核。
療養する余裕もなく、首になることは目に見えている。

マヤの母親の発言や態度に
読者は腹立ち、イラつき、呆れてしまう。
しかしそれでも母親がかわいそうでならない。
漫画史においてなかなか特異なキャラクターであると言える。

つづく

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第7巻・舞台あらし(1)