【ネタバレ注意】ガラスの仮面第7巻その⑤【きっとくる・・・!】

      2016/09/24

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マヤが幼稚園で白雪姫独演会をやっている頃。
月影先生の病室を意外な人物が訪れていた。

「ひさしぶりね月影さん」

「本当に・・・何十年ぶりのことかしら菊子さん」
往年の大女優・「紅天女」月影千草を見舞う演劇界の大御所「栄進座」原田菊子。
なんとも言えない緊張感が漂う。
かつて芸を競ったこともあるとのことだが、
さほど仲良くはなかったのだろう。

そして数十年ぶりの再会、
互いの近況やこれまでを語ることもなく
話題は早速マヤについて。

月影先生は原田菊子がマヤの実力と才能を恐れ、
栄進座を守るためにマヤを外したことを気づいていたのだった。

端役にもかかわらず客の注目を集め、
主役も個性的な脇役も食ってしまうマヤの存在感、
それが舞台あらしたる所以だった。

しかし月影先生。

「でもね原田さん
 やがて世間はあの子を認めないわけにはいかなくなる
 大衆があの子を望むようになる
 何よりも大きな大衆の力で支えられる日が来る・・・
 きっとくる・・・!」

最後は貞子でしめる月影先生。

一方幼稚園、渋滞で遅れていた大学生演劇サークルが到着。
マヤが白雪姫で場つなぎしている光景を見て唖然。

白雪姫は終わりにし、お芝居を始めようとしたところ、
園児たちから大ブーイング。
大学生の演技よりもマヤの一人白雪姫を熱望。
大学生たちもその状況を理解し、
マヤの独演会は続くこととなる。

園児たち拍手大喝采。
大きな大衆の力で支えられる日が早速きた。

マヤの演技は園児たちを魅了、
そして大学生たちをも唸らせるものだった。
白雪姫独演会は大盛況にて終了。
そして大学生たちの演劇も終了。
描写はたったの一コマ。

イベント終了後もマヤは大人気。
白雪姫のおねえちゃんとして、
大学生たちの存在が霞む大人気だった。

そして演劇人生二度目の出禁を食らうこととなる。

バイト代の支払いとともに

「あんたはね、あたしたちのプライドを傷つけたのよ
 ちょと子供達に受けたからって
 いい気にならないでね。」

わけのわからないまま麗が働く喫茶店へ行くと麗に泣きつく。
その姿をみた麗のファンたちは激怒。
ここでも麗のファンたちのプライドを傷つける行動。

「いくら好きな演劇でも苦しくて逃げ出したくなるときもあるだろさ。
 どんなことがあってもあんたには演劇がある。
 あんたが見捨てない限り、演劇もあんたを見捨てやしない。」

結局この日は麗の励ましによって落着する。

マヤの類稀なる才能と実力は
舞台全体の調和やチームの和を乱すことがあることは確かである。

役者は与えられた役に対し全力を尽くす。それが役割である。
全体の演出やバランスを考えて演技を行うことも役割のひとつではるものの、
それは演出家の役割の範疇でもあり、
演劇初心者のマヤに望むのは酷というものである。

栄進座においてはマヤを起用したのは原田菊子であり、
全体のバランスを考え指示を出すのは演出家のやるべきことである。
マヤの存在感が突出した場合には演出家がそれを正すべきであり、
一方的に舞台あらしとするのは演出家の能力不足とは言えないだろうか。

今回の幼稚園の一件は、芝居とか舞台あらしではなく、
単純に役割を間違えたマヤの失態。
収拾がつかない園児たちの状況を見ての場つなぎのためとは言え、
お芝居の前に、お芝居をやるべきではなかったし、
やるべき立場にもなかった。
そこをわきまえなかったマヤの責任である。

ただその突出した演技力が、
その浮世離れした言動や人間性も、
演出なり、組織なりに影響を与えることは確かである。
そういった意味では「舞台あらし」という宿命なのかもしれない。

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第7巻・舞台あらし(1)