【ネタバレ注意】ガラスの仮面第8巻その⑥【人形が自分で動きますか!】

   

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劇団つきかげと、なし崩し的に吸収合併された劇団一角獣による
「石の微笑」の稽古が始まった。

台本読み合わせは、劇団一角獣の堀田団長の豪快な効果音から。
そして次々とメンバーがそれぞれのセリフを読み上げていく。

「ああ、あたしもセリフをしゃべりたい・・・
 人形・・・人形なんて・・・
 ただじっとしてるだけなんて・・・
 何もしないのって・・・つらい・・・」

と人形の芝居をしながら、心の中は不満だらけである。
それでも芝居を愛するマヤ。
おもちゃ屋のショーウィンドウの人形の格好を真似てみて、
不審者扱いされるあたりはさすがである。

メンバーがセリフを覚えると病室で月影先生の演出及び演技指導。
病室でって・・・

絶対安静にも関わらず、病室を抜け出すわ、やたら大勢の無名役者が出入りするわ、
挙げ句の果てに病室で芝居の稽古。
個室の病室とはいえ、やりすぎである。

しかも紫のバラの人の厚意により、無償で入院しているにも関わらず、
病院に迷惑行為のやりたい放題。
さすが往年の大女優とその弟子たち。
社会不適合者の集団である。

そしてその間、マヤは人形として椅子に座り、稽古を見ているのだった。
月影先生に入念に演技の指導を受ける春日泰子。
彼女が月影先生と一対一で会話をしている描写は最初で最後である。

月影先生の指導を受けた泰子が人形のマヤを突き飛ばす演技。
しかしノーリアクション。

「何をしてるのマヤ!
 何をじっとしているの!
 あなたには人形としての演技があるでしょう!」

いやいや、あなた前回「座っているだけでよろしい」言うたやん。

しかし完全に油断していたマヤ、月影先生の逆鱗に触れてしまう。
ここから人形の演技の千本ノックが始まる。

「肘が曲がった
 人形が自分で動きますか!
 もう一度。
 その腰の動かし方!
 人形が自分から倒れていきますか!
 もっと両手両足を固く!
 首をしゃんとして!
 倒れる時になぜ目を見開くの!
 人形に表情はありません!
 やり直し!
 体がやわらかすぎる!
 もっと全身を緊張させて!」

久々の月影道場開講である。
入院中でなかったらかつてのように暴行を加えられていた可能性が高い。
その迫力に初参加の一角獣メンバーもセリフを忘れてしまうほどだ。

病院の屋上にて。
洗濯をしにきたマヤ。
都合よく、人形を持った子供たちが遊んでいる。
おそらく患者の家族や見舞客であろうが、
屋上で子供が遊んでいる病院て、
天下のT大病院のリスクマネジメントが心配になる。

そしてマヤはその人形を子供たちから借りると、
人形の形態模写。
子供たちを怯えさせるあたりさすがである。

そして長い時間、人形の体勢で耐えていると、
マヤの首筋に台本チョップが炸裂。

「マヤ・・・人形が顔をしかめますか!」

都合よく屋上に現れる月影先生。
あんたは絶対安静やろ。
月影先生風に言うならば

「絶対安静の患者が、屋上をうろうろしますか!」

といったところか。

人形の動きがなかなかつかめずにいるマヤ。
すると都合よく、屋上には古い竹の物干し竿があり、
都合よく看護師さんがその処分に困っているのだ。

「物干し竿・・・
 いらないのだったらそれを譲っていただけません?」

そして青木麗をはじめとした月影メンバーがバイトを終え、
稽古場の教会にたどり着くと、
そこでは目を疑う光景が展開されていたのだった。

しかし毎度のことながら、エキサイトした時の月影先生は止まらない。
全体の稽古や時間配分を一切忘れ、
一つの芝居や一つの動きの演出指導に熱中してしまう。

わざわざバイトの合間に病院まで来て稽古を始めたにも関わらず、
ただ一人の演技にのみつきっきりになる演出家はいかがなものか。
この手のタイプは世の中にも多いが決して有能であるとはいえない。
まあ今回は暴力沙汰にならなかっただけ、よしとしようか。

つづく。

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第8巻・舞台あらし(2)