【ネタバレ注意】ガラスの仮面第8巻その⑨【思いが届かない・・・・】

   

Pocket

マヤを取り巻く人たちの話。

嵐ヶ丘で恋人役を演じた真島良は完全に腑抜けと化していた。

「僕の胸の中にはあのキャシーが住み着いてしまった」

マヤではなくキャシーという虚像に囚われた彼は、
わざわざ彼の自宅に訪れた恋人の江川由紀も
仮病を装って母親に門前払いさせるという外道ぶり。
当の江川由紀も舞台の上にしか存在しないキャシーに恋をしていることに気づいていたのだが。

「キャシー・・・このままにはしたくない・・・」

まだいうか。

一方桜小路優。
嵐ヶ丘では真島良とは違った意味で打ちのめされた彼。
舞台上で見せた恋するキャシーの演技と
日頃自身に見せるマヤの違いを見て、
自身の気持ちが届いていないことを知ったのだった。

そもそも男前で優しい彼のこと。
学校帰りにも複数の女子生徒に誘われることが日常なのだが、
嵐ヶ丘以来、付き合いが良くなったと友人たちの評判である。

とはいっても「Dr.ドーナツ」なる駅前のドーナツ屋でだべっているだけなのだが、
タイミング良く嵐ヶ丘の千秋楽に借りた傘を返しに来たマヤと鉢合わせに。
桜小路くんに誘われマヤも同席したものの、
カウンター席の端っこしか空いていなく、
人気者の彼はマヤの隣の隣の隣の隣である。

「席が遠い・・・
 話すこともできない・・・
 思いが届かない・・・・」

と今更ながら、恋の敗北者はあたかも自分であるかの発言。
この辺りが天然魔性のなせるわざである。

一同解散。
イケメンの桜小路くんは駅までマヤを送ってくれるという。
しかし話したいことはたくさんあったはずのマヤだが、
何を切り出したらよいものなのかわからず無言の二人なのだった。

その沈黙を破るのはやはりイケメン。
ホームの入場券を購入すると

「ホームまで送ってやるよ!」

変わらない桜小路くんの優しさに感激するマヤ。
そして改札からホームまでの間、
嵐ヶ丘のマヤの演技を褒めるあたり如才ない。
そして去り際には

「ヒースクリフがうらやましかったよ。」

と軽く嫌味?をいうあたりも隙がない。
対するマヤは

「桜小路くん、変わってない相も変わらず優しい・・・
 なのに以前と違う何かが違う、何かが・・・」

と自身に原因があることは気づいていないようである。

劇団つきかげと一角獣の主要メンバーは
このたび手配した劇場の下見に来ていた。

劇場は雑居ビルの地下にあり、
かつては喫茶店があったが流行らず閉店という曰く付き。
安く借りられたので地下劇場に改造するということだ。
ちなみに青木麗は地下劇場を「アングラ劇場」と発音している。
自身の教え子たちが止むに止まれぬ事情とはいえ、
アングラ劇団になってしまった月影千草の心中が知りたい。

内部は汚く暗く、破損や粗大ごみの山。
そして向かいにはオリオン劇場という大劇場があるという最悪の条件である。

そのオリオン劇場でも向かいの地下劇場の話題が沸騰中。
かわいそうに客はみんなこっちにくる。
どうせ流行らなくてすぐにつぶれるだろう。
といった大勢の意見の中、おもむろに現れた姫川亜弓。

「そうかしら・・・」

いきなりオリオン劇場の関係者のところに現れるあたり、
オリオン劇場は大都芸能の関連劇場なのだろうか。
それならば劇団つきかげの動向を必死で探している速水真澄の情報網に引っかからないわけがない。
やはりオリオン劇場は大都芸能とは無関係で、
個人的なつながりなのか姫川亜弓は出入りしているということであろうか。
以下姫川亜弓の発言。

  • 出演者は名はないが、実力派あなどれたものではない
  • 全国大会2位で話題になった劇団一角獣の主力メンバー
  • 同じく優勝候補の劇団月影の主力メンバー
  • 演劇は設備で決まるのではなく、演技で決まる。
  • 中でもあの中の一人、北島マヤ・・・
  • このオリオン劇場の舞台を荒らされないように気をつけることね。

と最後には軽く注意喚起のふりをした嫌味をいう亜弓スタイルを貫く。
この亜弓さんの発言の合間には、いろいろな発言やリアクションがあるのだが、
北島マヤが話題に上がると

  • 紅天女候補とか噂されている
  • 栄進座では端役ながら観客の注目を集め
  • 東洋劇場では主役の夏江梨子をかすませた
  • 栄進座座長の原田菊子に「舞台あらし」の異名をつけられた

と、演劇界で北島マヤの実力や武勇伝が噂になっているようである。

そしてほとんど面識のない人たちに対してほっとけばいいものを、
「地下劇場のメンバーはあなどれないわよ」
といった内容の話をわざわざしてしまう姫川亜弓。
注意喚起なのか、嫌味なのか。
それとも北島マヤを見下す者は許さないという正義感なのか。
ほんとこの人の性格がよくわからない。
そして何しに来たのかもよくわからない。

相変わらず真島良はキャシーの幻影を追いかけ、
相変わらず桜小路優は優しく
相変わらずマヤは天然魔性で
相変わらず姫川亜弓はマヤを意識して生きていた。

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第8巻・舞台あらし(2)