【ネタバレ注意】ガラスの仮面第9巻その①【舞台の全てはマヤの人形の演技にかかっています】

      2017/09/16

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劇団つきかげぷらす一角獣「石の微笑」
10日目には地下劇場の前は長蛇の列。
整理券まで発行するほどの大入りとなっていた。

これには向かいの大劇場・オリオン5の面々も驚愕。
そしてオリオン5の客席には空席が目立ち始め、
客層は劇団関係者や友人、前売り券を買ったファンなどいわば身内ばかり。
オリオン5の演出家・深井先生という方が熱烈に劇団員たちを諭している。

  • 身内の客より一般大衆の方がはるかに数が多い
  • ただ楽しみや喜びや感動を求めてやってくる客を掴む事は大事
  • 劇場が感動という信用を得れば客はせっせと通う
  • 大衆をつかめなくて商業演劇と言えるか

至極まっとうな理論である。
深井先生は自戒の念を込めて言っているのであろうか。
ほんまこのセリフは日本の演劇界のテーマでもある。(多分)

地下劇場は完全にキャパオーバー。
入りきれない客のために、20:50分から急遽追加公演まで行う。
それでも観客は感動を得るために、そして青木麗に花束を捧げるために
時間つぶしをしてでも追加公演を待つ。
いつの時代でも、大衆を、そして女性ファンを掴んだものは強い。

客席は超満員。
中でも青木麗のファンは最前列に陣取り、彼(彼女)の芝居にうっとりしている。
マヤも10日間、人形の仮面をかぶりつづけていた。

「そう、この舞台の全てはマヤの人形の演技にかかっています。」

いきなり舞台袖に登場する月影先生。
看護婦さんの付き添いのもと劇場へ乱入。

「だまって抜け出されるくらいなら付き添った方がようございますからね。」

付き添いの看護婦さんの不満そうな顔と口調。
完全に中学生並みの素行不良患者であり、
描写されている以外にも病室を抜け出したり、
あるいは病室で演技指導をしたりと、
病院の風紀を乱す行動を取り続けてきた事が想像される。
しかし伝説の大女優はそんな病院側の評価など一切気にせず

  • この劇を生かすも殺すもマヤの人形の演技一つにかかっているといっても過言ではない
  • もし人形が人間であるということを少しでも感じさせたらこの舞台の全てが壊れる
  • ある意味ではこれは大変な危険と危機感をはらんだ舞台なのですよ・・・

と完全なる前フリで、この舞台の全てが壊れることを予想させる。

しかしこの月影先生、マヤのことを演劇以外は何もないと評価しているフシがあるが、
月影先生だってなかなかのものである。
事故のせいとはいえ化け物的な顔面。
何度か死にかけるという謎の持病。
いつも同じの黒い服を着続けるという独特のファッションセンス。
豪邸に住んでいたかと思いきや、数億円の借金を抱え、六畳一間のアパートに暮らすという無計画な生活水準。
演劇のためには一切容赦せず、人格否定・暴行・脅迫・監禁などの反社会行為を行い、
かつての付き人の源造さんの好意に甘え、(源造さん現在消息不明。出稼ぎ中か。)
敵と認めると、公衆の面前だろうが罵倒し攻撃するその協調性のなさ。
かつては盗み・スリ・かっぱらいなど窃盗を完全制覇し、
そして今も病院を勝手に抜け出すなどの社会的通念には縛られない傲慢さ。
この人こそ演劇をとったら何もないどころか、
何をするかわからない。
ジャイアンから男気と健康をとったような存在だ。

演劇の無いマヤは世界の片隅でひっそり生きていくだろうが、
演劇の無い月影先生はどんな反社会的勢力を形成していたのだろうか。

そして客席には「嵐ヶ丘」にてマヤと共演した真島良の姿が。
初日からぶっ通しで地下劇場に足を運んでいるという。
彼もまた麗ファンの集団と一緒に、地下劇場前に早朝から並び続けていたのだろうか。

桜小路くんは今回は観劇には来ず、
その代わりに謎の黒めがねの男が腕を組みながら舞台を見ていた。

「何者だろ?一体・・・」

答えは次のページで明かされる。
場所は大都芸能。
今秋オープン予定のタウンビル9F大都劇場にて行われる
「奇跡の人」ヘレンケラー役の候補絞り込みが行われていた。
居並ぶ関係者の中に先ほどの黒めがねの男。

各劇団やタレントの中から人選を重ね、15人をリストアップしたが、
最近話題の地下劇場で逸材を発見したのだそうな。
大都芸能のTOP会議でも話題になるとは地下劇場恐るべしである。

他の関係者の「人形役ったって動きもしなければ喋りもしないのに何がわかるねん」という意見にもかかわらず
そして黒めがねの男は人形役の演技を絶賛し、マヤの写真を机に広げる。
その机の向こうにはもちろん速水真澄だ。

マヤの写真を見て「フッ・・・」と変態的な笑みを浮かべ、

「わかった。候補に加えておけ!」

かっこいいのかかっこ悪いのかよくわからん。

机に置かれたマヤの写真の隣には、姫川亜弓の写真が置かれていた。

つづく

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第9巻・舞台あらし(3)