【ネタバレ注意】ガラスの仮面第9巻その12【母と私は関係ありません】

      2017/04/21

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その日、大都芸能に5人のヘレン役候補が集まった。
8月20日に行われる、奇跡の人・ヘレン役のオーディションの説明のためである。
わざわざ説明のために集められるものなのだろうか。

関係者が現れるまでの間、各候補者の紹介が行われる。

劇団「風」の白鳥令奈。
なぜかご両親と、演技指導の先生と一緒に参加。

劇団「天馬」の早川あきこ。
テレビのホームドラマでも活躍中とのことでマネージャーと一緒に参加。

演劇活動タレント学園として有名な一ツ星学園
演劇部一の実力派・金谷英美。
表立っては有名ではないものの、いまだ高校三年生ながらも、
幼児から80歳の老婆まで見事に演じ分けられる実力と
劇評家の絶賛を浴びているらしい。
あの稽古場で披露した鬼婆については触れられていない。
人間から妖怪まで演じ分けられるのに。

そして姫川亜弓。
父は国際的にも有名な映画監督の姫川貢、
母は大女優の姫川歌子。
その間に生まれたサラブレッドとして、
天才少女の名をほしいままにしてきた。

最後に北島マヤ。
マヤの地味さに会場は驚きつつも舞台あらしの武勇伝は健在。
そして目線の先には姫川亜弓。
亜弓とヘレン役を争い、勝ち抜かなければ、
謹慎を破った罰で月影先生に破門されてしまうのだ。

自分には演劇しかないと言い切るマヤ。
珍しく2ページも費やしてマヤの半生と演劇への思いがフラッシュバックする。

  • 小さい頃から不器用でみっともなくて何の取り柄もない。
  • 母親からはみそっかすのように扱われてきた。
  • 父親は顔も覚えていない頃に死去、母親のお荷物に。
  • ただバカみたいにテレビや映画のお芝居が好きだった。
  • 月影先生と出会って演劇をやりたくて家出。
  • 何もできない自分が唯一命をかけられるもの、それが演劇。
  • しかし大都芸能の速水真澄の陰謀により劇団つきかげが潰れた。
  • 寮を出て、アパートに移り、アルバイトをしながら教会で稽古
  • 月影先生が病気で倒れる。
  • 紫の人が入院の面倒を見てくれた。
  • 初めて舞台に出た時からのファンでいつも励ましてくれた。
  • 学費や進学の援助もしてくれた足長おじさんのような人。
  • 紫のバラの人がいなければくじけていた

と一気に駆け足で9巻までのあらすじを説明してくれたマヤ。
不器用で取り柄がないのは聞いていたが、みっともないのは初耳。
後半は紫のバラの人への感謝の思いである。

そこで審査員および関係者登場。
演出家はもちろんこの人、小野寺一。
そしてアニーサリバン役の姫川歌子も審査員を務めるとのことである。
姫川亜弓と親子関係にあるとはいえ、特別扱いはせず、公正に審査を行うとのこと。
そして台本が渡され解散。
この顔合わせと説明、大して必要だったとは思えない。

一同が会場を出ると多数の報道陣が。
目当ては姫川亜弓だ。
別居中との噂を聞き、取材に来たのである。

「家にいればお母さんから直接ヘレン役の指導を受けられるじゃない。」

報道陣のこの無粋な質問に、亜弓さん静かに怒りをぶちまける。

「そうするのがいやだから
 そう見られるのがいやだから私は家を出たんです。
 母と私は関係ありません。
 ここにいる他の候補の人たちと私は同じスタートを切っているんです。
 芸の世界は実力の世界。
 親の七光りなど私には邪魔なだけ。
 私は実力でヘレン役を勝ち取ります。
 母にも聞いてください。
 おそらく同じことを言うでしょう。
 娘とは関係ないと。」

去っていく亜弓。
この後、父親の中野のマンションへ戻り、
世話役のばあやの入れた紅茶でも飲むのか。
不思議な人である。

夏休みに入り、オーディションに向け奇跡の人の稽古を始めたマヤ。
相手のアニーサリバン役は青木麗が務めてくれる。
そして教会の片隅には月影先生の姿が。

目も見えず、耳も聞こえず、言葉も話せない三重苦のヘレン役に手こずるマヤ。
稽古を見守っていた月影先生、
おもむろに近くにあった陶器製の花瓶を手に取った。

「月影先生!!」

物凄い物音に振り返ると、月影先生の手からは花瓶が落ち、
床でこなごなに粉砕されていた。
久々の月影道場を期待させる展開である。

つづく。

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第9巻・舞台あらし(3)