【ネタバレ注意】ガラスの仮面第13巻その⑧【恋してない・・・】

      2018/01/13

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今度は姫川亜弓とテレビで比較される。
そう思い込むと稽古やリハーサルに力が入るマヤ。

「ポップコーン食べない?」

硬くなるマヤをリラックスさせるのは里美茂だ。

「週刊誌気になる・・・?」

「鋭い・・・この人・・・
 あたしがずっと気にしてるの知ってたんだ・・・」

里美茂の優しさに驚くマヤ。

彼はかつて舞台で失敗したらしい。

  • 劇団の研究発表の舞台でハムレットをやったが大失敗。
  • 開演前に、彼を主役に起用しようとしているTVディレクターがきていると聞いた。
  • かっこよくやろうとして力みすぎて硬くなった。
  • 誰が見ているかなんて気にしない方がずっといい演技ができたと思う。
  • 周りのことなんか気にせず沙都子を一生懸命演ればいいと思うよ。

自身の失敗談をさらりと明るく暴露しながら、
相手を励ますという男前のやり口である。

そしてマヤが殺気を感じて振り返ると部屋の入り口には数人の女性が。
一斉にマヤを睨んでいる。
里美茂の親衛隊だ。
彼の行くところ付いて回っており、
今日も稽古が終わるまで待っているとのこと。
テレビ局の中にまで入ってこれるとは、
親衛隊が圧力すごいのか。それともテレビ局が杜撰なのか。

親衛隊に囲まれる里美を見つめながら、
マヤは彼の優しさと思いやりに感激するのだった。

連日のリハーサル。
マヤはついつい里美を目で追ってしまう。
彼に気を取られて自分の出番を忘れ、
彼がグラビアの撮影で早退すると寂しさを感じる。

「あの親衛隊の少女たちも一緒に帰るのかしら・・・・?
 あたしったら変なの。そんなの別にいいじゃん。
 何を気にしているんだろあたしったら・・・」

自身の気持ちの変化に戸惑う。
稽古場では彼の姿を探し、
マヤ演じる沙都子が、里美の演じる武史をひっぱたくシーンでは力が入らない。

腹減った!と叫びながらマヤの食べ残しのエクレアを食べてしまう。

「半分かじりかけだけどあの子のならいいや。」

笑顔で爽やかに言いながら食べてしまう。
同じことを速水真澄が言ったとしたら。
考えただけでも恐ろしい。

「どうしたの?
 こんな一言がなんでこんなに気になるの?
 変よあたしへん・・・」

そしてマヤの異変はクライマックスを迎えた。

「第6回シーン31田沼家 本番いきまーす!」

里美茂演じる武史が初登場のシーン。
父を殺した異人が匿われている田沼家に押し入り、
沙都子と対峙する場面である。

強引に沙都子の手を取り連れ去ろうとする武史。
本来ならば沙都子は武史をひっぱたくのだが、
マヤは動かない・・・・

異変に気付く共演者やスタッフ。

「あの子・・・!」

マヤの心境にいち早く気づいたのはなぜかスタジオにいる姫川歌子さん。
「奇跡の人」においてマヤと本気のアクトバトルを繰り広げただけに、
マヤの気持ちの動きには敏感と見える。

そして里美茂に手を握られたマヤの顔面は紅潮。
恥ずかしさのあまりスタジオを飛び出したのだった。

「恥ずかしい、恥ずかしい、死んでしまいたい!
 演技ができなくなるなんて!
 手を取られただけで真っ赤になるなんて!
 本番中なのに!」

スタジオは騒然。本番は当然中止。
そして親衛隊は激怒。
本番撮りのスタジオにも親衛隊は入れる模様。

高熱にうなされようが、大道具が破壊されようが、
人形の首が落ちようが、これまで決して演技を止めることはなかったマヤ。
初の失態である。

「出ていらっしゃい!ここにいるのはわかっているのよ!
 なんてことしたの!気でも違ったの!?
 でてこなきゃ片っ端から開けて行くわよ!
 聞こえてるんなら出てきなさい!
 スタジオの中でみんなが待っているのよ!」

恥ずかしさのあまり、トイレに逃げ込んだマヤを追ってきた水城さん。
とっさの出来事とはいえ、なかなかの悪態である。
どうやら水城さんの口調が悪くなるのは速水真澄に対してだけではなさそうである。
トイレから出てきたマヤにさらに畳み掛ける。

「あなたは舞台を投げ出したのよ。
 満員の場内居並ぶ観客の中。
 あなたはものの見事に自分をさらけ出して失敗し。
 取り繕うこともせずに舞台を逃げ出したのよ。
 なんたる醜態、無責任。
 自分のしたことの重大さがわかったでしょ。
 さあみんなによく謝るのよ。
 テレビだからNGで済んだけど、舞台なら芝居がめちゃめちゃよ。」

動揺し動転したマヤが正気を取り戻す前に一気に畳み掛ける。
この人ほんま何者やねん。

「なんてことしちゃったんだろ・・・
 自分が信じられない・・・
 ただあの時、いたたまれなかった・・・
 とてもいたたまれなかった・・・」

「いたたまれなかった」で本番を投げ出してしまうマヤも大したもんである。

水城さんに連れられスタジオに戻るマヤ。
スタッフや共演者に謝る。

「おかえり!」

ごっつ笑顔の里美茂にまたときめいてしまうマヤ。
そして激怒する親衛隊。

撮影再開。
しかし今度は逆に意識しすぎて里美の顔面を強打してしまうマヤ。

「さっきは手を握られた赤くなったと思ったら、
 今度は腫れるまでひっぱたくなんて!」

激怒してマヤに詰め寄る親衛隊。
撮影現場で出演者に詰め寄る親衛隊。
テレビ局の警戒体制がなってない。

「ここはスタジオの中だぜ。
 この子はちょっと熱演しただけだよ!」

マヤをかばってくれる里美であった。

「次は気楽にやろうぜマヤちゃん!」

「里美さん・・・明るくてあったかい・・
 こんな人がいたなんて・・・」

暗くはないがやや卑屈な桜小路君と、
冷たくて陰湿な速水真澄と比較すると
まさに太陽のような男である。

自宅で台本を読んでいても、
稽古場で後ろを通っただけでも、
里美のことが気になってしまい、自身のその気持ちがわからないのであった。

「ああ・・・あたしどうしちゃったの・・・」

水道で顔を洗っているとマヤの後ろに人影が。
里美茂の親衛隊、約8名。
先頭のリーダー格の女はカミソリを持っている。

以下、親衛隊の存在意義と最近のマヤに対する不満と脅迫。

  • あたしたちを前に随分舐めた真似してくれるじゃない。
  • あたしたちだって茂の特定の人にはなれやしない。みんなでそう決めた。
  • でないと争いが起こるし茂に迷惑がかかる。
  • 里美茂は私たちみんなのもの。
  • 共演者だからってあんな態度取られると神経に障る。
  • あんた茂に恋してるんじゃない!
  • 茂には私たちがついている。
  • 共演者だからって勝手なことしたら承知しないわよ。
  • 役者にとって顔は命だってことは知っている。

なんとか守衛が駆けつけてことなきを得たものの、
親衛隊を名乗る圧力団体が出演者を脅迫するという、
MBAテレビの警備体制の甘さが気になって仕方がない。
里美茂は会いに行けるアイドル、
MBAテレビは会いに行けるテレビ局のようだ。

「あたしが里美さんに・・・恋してる・・・?」

一方ところかわって帝都テレビ。

「ああああ、頭が痛む!」

記憶喪失の人のテンプレのようなセリフを叫んでいるのは、
帝都テレビ「虹の記憶」で記憶喪失の少女を演じる姫川亜弓だ。

今日も冴え渡る演技でスタッフを感嘆させる。
しかし共演者には見抜かれていたのだ。

姫川亜弓と共演する男性俳優の談。

  • 確かに演技はうまいがね。
  • 一緒に演るうちに、天才少女の弱点発見!
  • 今度アップになったら見てみな。
  • 姫川亜弓の眼。あれ・・・恋してないぜ。
  • 誰も恋したことなんかのない眼だ。
  • 眼に色気がない
  • 演技がうまいからまだ気づかれていないがいずれバレる。
  • 「虹の記憶」のヒロイン聖子は、恋してるふりをしてるってな。

この会話を柱の陰で聞いてしまった姫川亜弓。

「恋してない・・・ヒロイン聖子が・・・」

しかしながらこの男性俳優の評価はあながち間違っていない。
どちらかというと見た目や小手先のテクニックに走り、
形つくって魂入れずの演技に陥りがちな姫川亜弓である。
しかし、さすがに共演者に陰口を叩かれショックを受けたのであった。

奇しくもライバルの二人が同時期に、
マヤは共演者に恋をすることで演技を見失い、
亜弓は恋を知らずに演技に行き詰まるのであった。

つづく。

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第13巻・華やかな迷路(1)