【ネタバレ注意】ガラスの仮面第15巻その①【僕たちって言葉、私嫌いよ】

   

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これまでマヤがやられた嫌がらせ(犯人もしくは容疑者)

  1. 刃物を持ってうろつく(里美茂の親衛隊)
  2. 車を大破され抗議文(巴万里のファン)
  3. 撮影で使うパイにガラス片
  4. 撮影衣装の襟に、カミソリを仕込まれる。(端役の吉川さん)
  5. マヤのポスターがズタズタに引き裂かれ、トイレに晒される。
  6. 撮影セットの船のマストのボルトが抜かれ、宙づりに。
  7. 人力車の踏み台に細工され、転倒
  8. 小道具の櫛に接着剤べっとりでカメリハ中断
  9. 小道具のタオルに胡椒を仕込まれカメリハ中断
  10. セットの上から水入りバケツ落とされずぶ濡れに
  11. 撮影で使用するお手玉の糸を全て抜かれ空中で分解。(巴万里のファン)

犯人のうち吉川さんは自ら敗北を悟り、
巴万里ファンには、巴万里自ら鉄拳が振るわれた。
しかし他は相変わらず下手人は不明。

その頃姫川亜弓主演「虹の記憶」は好評を博していた。
ちゅうか姫川亜弓は好評を博さなかったことがない。
打率10割の天才である。

中でも特に、恋する演技には定評がある。
亜弓の演技をテレビで見るマヤ。

「うまくなった・・・!前よりぐんと!
 どうしてあんな表情ができるんだろう?
 今までになかった表情だわ!
 痛いくらい主人公の気持ちが伝わってくる・・・
 どうして・・・いつの間にこんなに・・・
 もう一人の紅天女候補・・・・」

あれだけ亜弓さんはすごい天才サラブレッドと羨んでいながら、
感想が若干上からなのが気になる。
それだけマヤのステージが上がり、亜弓をライバルとしての射程圏内に無意識に捉えているというか。

それともスターの階段を登り、早々に天狗になってしまったのか。

姫川亜弓の演技が上達した背景には恋の噂がある。
その噂はマヤの耳にも入っていた。

「姫川亜弓初恋か!?
 相手は帝都TV虹の記憶出演中の端役の少年!」

週刊誌にも取り上げられるほど話題になっており、
サラブレッドの天才美少女お嬢様が、
さえへん端役の俳優を相手にしているという意外性が先行している。

そして亜弓さん、今日も間くんとデート。
釣り合わない二人に周囲はざわめく。

「すっかり噂になってるね。僕たち。」

「僕たち?」

「そうだよ。君と僕。
 君と付き合いだしてから、一人でいる時も待ちゆく人が
 みんな俺見てるような気がしちゃって。
 ほらこれ新しいベスト買ったんだ!」

間くんがあまりにもイケてないという話題性から噂になっているにも関わらず、
その状況すら楽しみ、完全に独りよがりの勘違いで有頂天の彼。
周りが見えているようで見えていない。
きっと新しいベストもセレブな姫川亜弓に近づこうと、
裕福ではない彼が必死で浮かれながら買ったものであろう。
男ってほんまにアホや。でもおっさんもその気持ちわかるぞ。

「そう・・・」

饒舌な間くんを置き去りにする亜弓。

「あれ?どうしたの、このベスト気に入らなかった?」

つくづくアホである。

「ね、少し離れて歩いてくださらない?
 でないとまた週刊誌の噂になってあなた嫌でしょ?
 私は慣れてるけど。
 私これから夏の舞台の打ち合わせがあるの。
 お先に失礼するわ。」

タクシーを呼び止める亜弓。

「どんな舞台に出るの?役柄は?」

「自分のおじさまに恋する役柄なの。
 それから僕たちって言葉、私嫌いよ。
 私、誰とも一緒にされたくないわ。」

「亜弓さん・・・」

去りゆくタクシーを見つめる間進くん。

そして姫川亜弓は夏の舞台「朱の彼方」の打ち合わせで日帝劇場へ。
恋するおじさま・アルバート役の俳優・田口剣さんが待っていた。

なんでも田口さんは母の姫川歌子さんを通じて面識があるらしい。

「亜弓、舞台でおじさまから恋のレッスン、
 たっぷり勉強させていただくつもりよ。」

いきなり魔性の女と化す姫川亜弓。

「こちらこそ亜弓ちゃんのような美少女に恋される役で光栄だよ。」

突然に路線変更にも余裕の田口剣さん。大人やわ。

というわけで今回は小悪魔を通り越して鬼やわ。
姫川亜弓・・・演技のためには手段を選ばない鬼畜である。
そして実際に恋をしたのではなく、
恋い焦がれる間くんの恋する瞳を習得、いわば真似ることに成功し、
恋する少女の演技をマスターしたのである。
まあ、演技の大半は模倣であるとも言えるが、
なんとも釈然としない。

そんな本物ではなく上っ面の小手先のテクニックばっかりやっとるから
マヤに勝てないのだと言いたい。

そして間くん。
この後、彼が姫川亜弓と出会う描写はない。
おそらく出会ったとしても、撮影現場の主役と端役の関係でしかなかったろう。
そして彼はこの後登場しない。
ショックで役者辞めてしまったのだろうか。
残ったのは分不相応な、新しいベストだけである。

つづく

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第15巻・華やかな迷路(3)