【ネタバレ注意】ガラスの仮面第15巻その③【あの子・・・馴れ馴れしすぎる・・・】

   

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大河ドラマ「天の輝き」は絶好調。
中でもマヤ演じる田沼沙都子の人気はうなぎのぼり。
MBAテレビ局には沙都子の出番を増やすよう、山のような投書が届き、
沙都子の出番の少ない時には苦情電話が鳴り止まない始末。
沙都子の出番が多かった時には視聴率が急上昇。
日向電機のポスターも小中学生に大人気で、
電気店を回って全種類を集めるファンもいるとのことだ。

「確かに光っている・・・」

「テレビはカットで画面を捉えているから、
 茶の間のファンは他の役者の演技も見てくれるが
 これが舞台だったらと思うとぞっとする・・・」

かつて栄進座では観客の注目を一身に集め「舞台あらし」の二つ名を襲名したマヤに対しての感想。
当初はマヤを酷評し、マヤに対する嫌がらせの数々もなぜかマヤを叱っていたディレクター。
画面を通して見るとマヤの実力を思い知ったようである。

 

マヤの生活は多忙を極める。

  • ワイドショーに出演
  • 松越デパート明治フェアに案内役で出演。買物客殺到!
  • 「天の輝き」出演者が明治村で写真撮影。沙都子一番人気!
  • 雑誌の特集記事。沙都子人気と行方不明の母親!

速水真澄が仕組んだクロスメディア戦略&母親の行方秘匿による話題性が的中し、
マヤの人気と知名度は急上昇。
そしてなぜかテレビ局の倉庫のようなところで台本を手にしたまま眠っている。
なんでやねん。

忙しいのはわかる。
寝る間もないのもわかる。
しかし今一番旬の女優が倉庫で寝ているというのはおかしい。

そしてそんなマヤの元に現れたのは速水真澄だ。

「チビちゃん・・・」

傍にある毛布をマヤにかけると去って行ったのだった。
そういうとこが、桜小路くんと違って気持ち悪い。
こんなとこで寝かさんと、家に連れて行ってやれ。

気配で目を覚ますマヤ。

「毛布・・・いったい誰が・・・
 夢だったのかしら?速水真澄が今そばに立っていたような・・・
 まさかね・・あの冷血漢がこんなことするわけないもの。」

呼び捨てな上に、ひどい言われようである。

「麗やさやか達・・・みんなどうしているかしら・・・
地下劇場で公演の稽古でもしているのかしら・・・」

沢渡美奈と春日泰子はその他大勢に成り下がった模様。
「公演の稽古でも」って若干上から感がある。
いよいよ天狗になってしまったんか。

「月影先生・・・
いったいいつ紅天女をやれるような女優になれるんだろう・・・」

未来への漠然とした不安からか、
あるいは月影式スパルタ特訓を思い出したのか。
再び台本を読み続けるマヤであった。

 

 

「天の輝き」と並行してもう一つのプロジェクト。
夏の娯楽映画がクランクインした。

北島マヤ主演「白いジャングル」

明るく勇敢な冒険少女・未央。
どんな苦境にあっても明るさと元気を忘れない。

「天の輝き」の沙都子は誇り高く気品に満ちており、
進歩的で勇ましい女性であるのに対し、
うって変わって「白いジャングル」では
明るくてそそっかしくてちょっとドジで勇敢で
茶目っ気があって元気を発散させている少女。
どちらかと言えば素のマヤに近い役柄である。

「沙都子」と「未央」
似ているようで全く違う二つの仮面をかぶるのだった。

そんな苦労も微塵も感じさせず、
広い撮影所や豪華な映画のセットに感動するマヤ。

「一般立ち入りは禁止なんだ!」

「うちは北島マヤさんの知り合いじゃけん!
マヤさんに会いに来たとよ!」

警備員による制止を物ともせず、署内に乱入した乙部のりえ。
マヤの撮影現場を見たくてやってきたとのこと。
そして付き人のごとく、お菓子を差し入れたりお茶を入れたりと甲斐甲斐しく働く。

「なんだろ・・・へんな人・・・
やけに馴れ馴れしくて・・・
悪い人じゃなさそうだけど・・・」

その強引さと馴れ馴れしさに違和感を覚えるマヤ。
そしてもう一人。

「あの子・・・馴れ馴れしすぎる・・・」

敏腕マネージャー・水城冴子さんの目が光っていた。
ちなみにマヤと同じ感想である。

 

今回感じた違和感はそこではない。
夏休み超娯楽映画「白いジャングル」についてである。
主人公・未央のキャラクターは明るく元気でおっちょこちょい。
前述の通り、素のマヤに近い。
脚本と役者のキャラクターやイメージが一致し、
なかなか秀逸なキャスティングと言える。
(もちろんマヤは、キャラクターやイメージを覆すほどの演技力を持っているが)

しかしこの「白いジャングル」当初は人気歌手の巴万里が主演の予定であった。
それを大都芸能が無理やりマヤをねじ込んだことにより、主役交代。
結果として熱烈なファンによる嫌がらせが過熱したのだった。
しかしマヤの芝居の実力と情熱を見るに及び、巴万里はマヤを認めたのだった。

巴万里はどちらかというと「かわいい系」ではなく「きれい系」のタレントである。
冒険少女・未央のキャラクターとはちょっと違う。
どう考えてもミスキャストである。

もしかしたら巴万里もキャラクターやイメージを覆す演技力の持ち主で、
従来の巴万里の「きれい系」なイメージを払拭するキャステイングだったのかもしれない。

あるいはマヤを起用することにより、
「巴万里向け未央」から「北島マヤ向け未央」に台本が書き換えられたのかもしれない。

ちなみに主役交代からクランクインまで少なめに考えて数ヶ月。
映画の規模や企画制作のスケジュールからして、
主役がマヤになったことにより「白いジャングル」に決まったのではなく、
主役が巴万里の時から「白いジャングル」で決まっていたであろうと推測される。

多少のキャラクターの変更はあったかもしれないが、
巴万里が冒険少女を演じる予定だったのである。

この企画およびキャスティングこそ大冒険である。
巴万里主演「白いジャングル」
あまり見たくないようで、ちょっと見て見たい。。。。

つづく。

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第15巻・華やかな迷路(3)