【ネタバレ注意】ガラスの仮面第15巻その⑦【大事な商品に傷がついちゃたまらん・・・】

   

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映画「白いジャングル」の主役を奪われた巴万里とその熱狂的なファン
→マヤの実力と情熱を認め、巴万里からの謝罪と応援を受け和解。

大都芸能のゴリ押しで出番を奪われた端役の吉川さん
→マヤの実力に圧倒され存在感を失う。

マヤに日向電機ポスターCMの仕事を奪われた大女優・山崎竜子
→速水真澄の機転により、大きな仕事を紹介することで懐柔され、味方になる。

しかし最も恐ろしい敵はマヤのスター街道にコバンザメのように伴走し、
隙あらば取って代わろうと企む乙部のりえこと田代鈴子であった。

そしてもうひとつ。
里美茂親衛隊のメンバー。
マヤと里美の初恋宣言により、報復の機会を伺っていた。

MBAテレビにて台本読み合わせが終わった。

「今受付に言伝があったんだが、里美さんが地下の駐車場で待ってるって」

「地下の駐車場に・・・変ねもうすぐ里美さんの稽古の出番なのに・・・」

おかしいと思いながらもマヤは地下駐車場へ向かう。
里美の姿はない。
何者かの影が、マヤの足を払い、マヤは地面に倒れた。

そこに立っていたのはもちろん里美茂親衛隊である。

しかしこんな初歩的な罠に引っかかってしまうマヤもうかつだが、
こんな初歩的な罠すら通してしまうMBAテレビの受付のセキュリティーもおかしい。

「あんた・・・里美茂と初恋宣言なんて
 よくもそんな私達をナメたマネしてくれたわね。
 このお返しはたっぷりさせていただくわ」

昭和のスケバンのようなセリフを吐くとマヤを突き飛ばし、
寄ってたかって足蹴にするという昭和のリンチ手法。

「さあ顔を上げて!
 綺麗な赤い化粧をしてあげるから・・・!
 二度とテレビで演技なんかできないようにしてあげる!」

言葉の修飾もいちいち昭和感が溢れる。
そしてマヤの頬に鋭利なカミソリが当てられた瞬間。

「誰だお前たちは!何をしている!」

速水真澄が現れ、刃物を持った親衛隊を蹴散らしたのだった。
一コマで5人を同時になぎ払い、襟首まで掴んでる。
嫉妬にかられた親衛隊の凶行からマヤを守るためではあるが、
明らかに女性をぶっ飛ばしている。

そして親衛隊リーダーの腕を捻り上げた。

「里美茂の親衛隊たちか。
 女の子達だから今日は手加減しておくが
 北島マヤに指一本触れてみろ!
 この手をへし折るぞ。」

手加減してる割には結構攻撃している。

「いいか!お前達調べはついてるんだ!
 学校も住所も名前もわかっている・・・
 退学させることも少年院へぶちこむこともできるんだ!
 自分たちが可愛ければ二度とこんな真似はせんことだな。」

親衛隊メンバー、見た目の老け具合とは裏腹に未成年学生。
そしてこんな小物を徹底的に調べ上げて、
肝心の田代鈴子の背後関係には気づいていない速水真澄。

「こんど北島マヤになにかあったら
 大都芸能のこの速水真澄が許さんから
 そう思え!」

水戸黄門のようなセリフを吐いて決めてみせる。
そして親衛隊達は逃げていった。

「地下駐車場で彼女達を見かけたって話を聞いた後で
 君が誰かに呼び出されて駐車場に行ったと聞き、
 もしやと思ってやってきたんだ。」

そらそうやろ

「ひどくやられたな。立てるか?」

すると速水真澄はハンカチを水で絞ると
マヤの顔を拭いたのだった。
一瞬速水真澄のその優しさと挙動に驚くも顔をそらし、

「あ・・ありがとうございました助けていただいて・・・」

「いや・・・大した怪我がなくてよかった・・・」

「ほんとは大都芸能の商品に傷がつかなくてよかったと思ってるんでしょう?」

「・・・その通りだ。
 大事な商品に傷がついちゃたまらん・・・」

このあたり、優しさと下手に隠そうとする速水真澄と
速水真澄の優しさに気づいていながら、認めようとしないマヤの心の機微の描写が素晴らしい。

しかしその空気感をぶち破るように現れたのは里美茂。
マヤが襲われたと聞いて駆けつけたのだった。

「速水さんが助けてくださったんですね。
 マヤちゃんをありがとうございます!」

すると速水真澄はマヤを里美のほうに突き飛ばした。

「もっとお姫様をしっかり守ってろ騎士!
 襲ったのは君の親衛隊の連中だぞ!
 脅しておいたからもう二度とはやってこないだろうが・・・
 今後君のせいでこの子がかすり傷でも負うようなことがあれば
 俺は君を許さんぞ!」

かっこよく去っていく。
そしてかすり傷を負うようなことがなくても、
速水真澄は里美茂を許さないだろう。

「このハンカチは?」
「速水さんのよ。さっき水道の水で拭いてくれたの。」
「速水さんが!信じられない!大都芸能の仕事の鬼、冷血漢と噂されるあの人が・・・・」
「あたしが大都芸能の商品だからよ。だから怪我したんじゃないかって心配したんだわ。」

「速水さん・・・まさか・・・
 いや僕の思い過ごしだろう・・・きっと・・・」

速水真澄の冷血漢という仮面に隠された優しさ、
そしてその優しさの源泉にあるねじ曲がった愛情、
人呼んで「ロリコン趣味」にうすうすう感づいた里美茂。
君の思い過ごしではない。

ともあれなんとか、里美茂親衛隊の妨害を排除できたマヤ。

「天の輝き」の撮影に、そして大都芸能主催の舞台「シャングリラ」の稽古も本稼働し始めた。

「シャングリラの台本?
 わーおもしろそう!ちょっと読ましてもらってもよかと?」

相変わらずマヤに従い、撮影に稽古につきまとう乙部のりえこと田代鈴子。
マヤから台本を借りると稽古場の片隅で
台本をぶつぶつと読み続けるのだった。

つづく

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第15巻・華やかな迷路(3)