【ネタバレ注意】ガラスの仮面第16巻その①【俺が殺した・・・!】

   

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「ええっ!?お母さんが見つかったって?
 どこ?どこにいるの水城さん?」

そら映画館で遺体で発見されたとは思わんやろう。

「よく聞いてちょうだい、マヤ・・・
 驚かないでね・・・
 あなたのお母さんはね、死んだのよ・・・」

「いまなんて・・・水城さん・・・」

「もう一度言うわ。
 あなたのお母さんは亡くなられたのよ」

もう一度いわれた結果、「ビシッ」という効果音が入るほど衝撃を受けた。

  • 山梨県の映画館の中で、白いジャングルの上映中に・・・
  • お母さんは盲目になられていた・・・肺結核も患われて・・・
  • 一年ほど前から長野の小さな療養所にいた
  • 不自由な体でそこを脱走して東京に向かう途中だったらしい・・・
  • そしておそらくは映画館であなたの声を聞きながら・・・

その詳しい状況を事細かに説明する水城さん。
事実ではあるが、「脱走」扱い。

「うそ・・・」

小道具の薙刀を落とし正気を失いかけたマヤを間髪入れず抱きしめる水城さん。

「うそ・・・母さんが死んだなんてうそ・・・」

 

そして山梨県の白泉病院に向かう二人。

「北島マヤさんのことをしきりに聞いて・・・
 俺がファンだって言うととても嬉しそうに涙ぐんでいました。
 まさか母親だなんて・・・」

霊安室にはマヤの母親を乗せてくれた運野さんもいる。
途中駆け込んだ病院を脱走して見失ったにもかかわらず、
こんなところまできて、母親の最期を伝えてくれるいい人だ。

「極度の疲労。それと全身ずぶぬれのため体が冷え切り、
 それらが原因となって急激に症状が悪化したものと思われます。
 しかし直接の死因は頭部の打撲による脳内出血。
 途中交通事故にでもあったのではないでしょうか?」

診断結果を報告する医師。

母親の顔を見て泣き崩れるマヤ・・・

 

「信じられない・・・死んだだと・・・?
 気づいたというのか?大都芸能に監禁されていたことを・・・」

部下からの電話報告を受けるのは速水真澄。
やはり監禁はこの人の指示によるもの。

「どうやら私と院長の会話を聞いていたものと思われます・・・
 うかつでした・・・」

特命を帯びるにはうかつ過ぎるこの部下。
おそらくお払い箱だろう。

「映画館の中で死んでいったというのか・・・
 娘の声を聞きながら死んだと・・・
 死んだと・・・」

「死んだ」を繰り返す。しつこい。

 

そして案の定山梨の白泉病院にはマスコミが殺到。
人気女優の行方不明の母親が見つかり、
しかも亡くなっていたという衝撃の事実をマスコミは捨て置かない。
これが舞台初日だったら速水真澄の目論見どおりであったろう。

「母さん・・・こんなにやつれて
 眼が見えなくなっていたなんて知らなかった・・・
 一度でいい、あたしが演技しているところ見てほしかった・・・」

そしてかつてみそっかすの何もできない子とののしられ続けてきた自分が
「若草物語」のベス、「たけくらべ」の美登利、
全日本演劇コンクールでの伝説、「嵐が丘」のキャシー、
「奇跡の人」のヘレンと立て続けに自らの出演履歴をダイジェストで報告。

「ねえ母さん自慢できるでしょう?
 うちの娘ですよって、胸張って言えるでしょう?」

母親からボロカスに言われていたマヤは自己評価の低さとともに、
母親から認められたかったという生き方が垣間見えて悲しい。

「マヤ・・・そろそろお母さんとお別れの時間よ・・・」

水城さんもつらい役目である。

「いや!やっと会えたのに・・・
 やっと会えたばかりなのに!
 いやー!」

泣きじゃくるマヤ。
しかし水城さんは「天の輝き」の台本を開き、マヤの相手役の台詞を読み上げる。

「伯爵の身分を忘れてはいけませんよ沙都子。もっと誇りをお持ちなさい。」

「あら・・・おばさま・・・・伯爵はお父様だけよ・・・」

涙ぐみながらも台詞を返すマヤ。

「そうよマヤ!お母さんにあなたの演技を見せてあげなさい!
 あなたが今どんなお芝居をしているか見せてあげなさい!」

水城さん熱すぎる。
その熱さに答えるように、マヤは沙都子の仮面をかぶり、
見事にそのシーンを演じきったのだった。

「いい演技だったわ。マヤ・・・
 母さんも喜んでらっしゃると思うわきっと・・・」

「母さん・・・どうだったあたしの演技・・・
 大河ドラマ天の輝きのこれが田沼沙都子よ・・・
 あたしの役よ・・・母さん・・・」

母の死に顔は笑っているかに見えた。

 

そして葬儀。
遺影を抱いたマヤと、水城さん、そして里美茂。
寺の門前には押し寄せるマスコミ。

「これがお母さんの遺品よ・・・」

お守りを出す水城さん。

「中にあなたの記事が入っているわ。
 週刊誌からやぶりとってきっと大事にしていたのでしょう。
 膚身離さず持っていたらしいわ・・・」

亡き母の自身への思いに言葉もないマヤ。

「まさか・・・まさかこんなことになるとは・・・」

そしてその姿を遠くから見つめている速水真澄。

「こんなはずではなかった・・・
 シャングリラの初日に発見させるつもりだった・・・
 話題づくりと宣伝をかねて一石二鳥だと・・・
 療養所に監禁さえしなければ・・・
 もっと早く会わせていれば・・・
 盲目の身で脱走することもなかったろう・・・
 こんな形でしぬこともなかったろう・・・

 俺が殺した・・・!」

長い独白の末にいまさら気づくの遅すぎ。
長めのノリつっこみか。

というわけで、母親の死を知ったマヤ。
とても悲しいシーンであるのだが、
いまいち腑に落ちないのは、
マヤが行方不明の母親を探していたという風潮。
もちろん探してはいたのだが、
そもそもの発端はマヤの家出にある。

自分が家を出て行き、そのあと母親が行方不明になったのであるが、

「母さん、どこへ行ったの?」って
お前も行方不明に近かったやないかと思う。

そして速水真澄の「俺が殺した」ツッコミ。

確かに監禁しなければこのような結果にはならなかったかもしれないが、
そもそもの発端はマヤの家出。
そして殺したのはひき逃げ犯である。

この後マヤは速水真澄を母親の仇とばかりに憎み、
速水真澄もそれを受け入れるのだが、
このあたりが何とも釈然としない。

そして要所が甘い速水真澄。
こうした最悪の事態を想定することはできなかったのだろうか。

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第16巻・華やかな迷路(4)