【ネタバレ注意】ガラスの仮面第16巻その⑥【取って代わられた・・・】

      2018/08/11

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病室を後にし、大都芸能に戻った速水真澄。

「キャッ!素敵!真澄さまよ!」

社長の登場にときめく女性二人。
大都芸能社内にいることから関係者であろうか?

「いつ見ても素敵な方!
 あたし本気で迫っちゃおうかしら!
 売れない歌手をこのまま続けているよりは
 大都芸能社長夫人に収まった方が・・・」

どうやら大都芸能所属の歌手のようである。
お前はこのまま売れない歌手を続けた方が幸せだ。

「およしなさいよ。あの方はどんな美女にも見向きもなさらないんだから。」

そういうもう一人も大して美人でもない。

「あの方の目には歌手や女優なんて品物にしか見えないのよ。」

もちろん速水真澄が北島マヤにご執心なことなど知るよしもない。
しかしながら噂話の立ち話レベルとはいえ、
こんな下らない会話が平然と行われている大都芸能の風紀の乱れが気になる。

「みんな!集まっているか!?」

「はい緊急会議ですので!」

「このたびは大変なことをしでかしてくれましたな!あの子・・・」

マヤの進退をかけた緊急会議が始まった。
どうやら大都芸能にも、抗議の電話がなりまくっているらしい。

会議は終了、その結果が記者に伝えられた。

「会議終わりましたのね・・・」

気が気じゃない水城さん。

「ああ・・・」

「で・・・マヤのことはやはり昨日の予想通りに・・・」

「ああそうだ・・・
 チビちゃんにも伝えてくれ・・・
 俺がこの手で決定を下さなければならなかったんだ・・・」

「真澄さま・・・」

一方こちらはMBAテレビでも緊急会議が。

「あの子はスポンサーでもある我が日向電機のイメージとも繋がっているんだぞ!
 日向電機のCMポスターはあの子がやっているんだ!
 大河ドラマの中では正義派の沙都子!
 それが今度の事件で全てイメージをぶち壊してくれたんだ!」

机を叩きながら激昂しているんは日向電機の偉いおっさん。

  • 札付きの暴走族などと一晩中遊んでいただと!?
  • 酒も飲んでいたそうじゃないか!
  • 遊び明かして眠り呆けて大事な舞台をすっぽかすなんて!
  • なんたる醜態!なんたる無責任!
  • そんな少女を我が社の商品イメージにしておくわけにはいかん!

スポンサーの言い分としてはぐうの音も出ないほどの正論。
しかしそれは大都芸能にいうことであって、
MBAテレビに言うことではない。

MBA側も逃げるように言い分を述べる。

  • 局にも抗議の電話が殺到しています。
  • 正義派沙都子役の北島マヤがそんな不良で無責任な少女だったとは裏切られた思いだ。という意見が圧倒的です。
  • 沙都子をアイドルのように思っていたチビッ子ファンや、チビッ子達の親からも相当な抗議。
  • 教育上悪い、幻滅だ、出るならもうテレビは見ない
  • とにかくすごい反響です。
  • ずいぶん視聴者の反感を買っています。

言うなれば例えば、金八先生が中学生といかがわしいことをしていたとか、
それくらいの影響力か。
マヤすごいやん。

「とにかく早急に手は打たんとな・・・
 このままでは日本全国の視聴者に申し訳が立たん・・・」

申し訳が立たないのはスポンサーに対してであろう。

 

「ええ?シャングリラの出演取りやめ!?」

「ええ先ほどの会議であなたは役を降りてもらうことに決まったの。」

水城さんから衝撃の事実を告げられ驚くマヤ。
ちゅうか、まだ出る気でおったんか。

  • 今世間はあなたに反感を抱いているわ
  • 大都芸能にも抗議の電話が殺到。
  • このままあなたが舞台立てばどうなると思う?
  • 観客の反感を募らせるだけよ。
  • 悪く思わないでマヤ。
  • 大都芸能としては観客に誠意を示すためにもあなたの出演は取りやめなければならなかった。

感情を排し粛々と決定を告げる水城さん。有能である。

「じゃあ・・・巫女リーラ役は?」

「代役に乙部のりえ」

「のりさん・・・!」

「そうよ。昨日の代役では大成功だったわ。
 付き人とか称していつもあなたの周りをうろついていたあの子・・・・
 あなたの演技をよくみていたせいか
 セリフも演技も完全にマスターしているわ・・・
 何よりも演技はマヤ、あなたにそっくりだわ」

「出演とりやめ・・・
 のりさんが代役・・・あたしの代役・・・
 わからない・・・一体何があったののりさん・・・
 それにさっきの写真・・・
 あれがのりさん?あの美少女が・・・
 信じられない・・・」

先ほど見た新聞と、自分の記憶が辻褄が合わない。
結局乙部のりえのビジュアルが一番気になっているマヤ。
そこに突然なる電話。

「はい・・・MBAテレビ局?
ええ?天の輝きの沙都子役を降ろす!?」

当然ながらMBAからも戦力外通告。

「沙都子を降ろす・・・
シャングリラ巫女リーラ役出演取りやめ・・・
あたしのリーラ!
沙都子役を降ろされた・・・
番組の途中なのに・・・」

当然のごとくMBAに呼び出されて説教&解雇通告。

「だからあれほどいったろ。
スキャンダルを起こすような真似はするなと。」

たしかに見事なまでの前フリではあった。
ちなみにこの後の放映は撮り溜めてあったうち
マヤの出演部分だけカットすることになったそうな。
まあ、テレビ局としては当然の処置である。

テレビ局のロビーでもマヤへの視線は冷たい。
色々な人がマヤの噂をしている。

「呆れた子ねえ。舞台をすっぽかすなんて」
「知ってる?あの子沙都子役降ろされたの」
「さっき記者会見でそのことを発表していたわ。
それに新しい代役発表も。」

「代役?沙都子の代役?」

するとマスコミに囲まれ、沙都子の代役が登場したのだった。

「のりさん・・・?」

「あら・・・マヤさん・・・」

「のりさん・・・あなたがあたしの代役・・・」

「この衣装とても私に似合うみたい。
お気の毒ね。こんなことになって。
でもあなたがいけないのよ。舞台すっぽかすなんて。
私、マヤさんを見損ないましたわ。」

どうやら昨日の舞台の代役で成功したのを見込まれ、
決定前の演技テストでもマヤと全く同じ演技を披露して採用されたらしい。

「のりさん・・・
取って代わられた・・・
のりさんに何もかも・・・
巫女リーラ役、それから沙都子・・・
取って代わられた・・・」

自身の立場がなくなったことに驚くマヤ。
セリフの端々に、乙部のりえを無意識に見下していた感じが否めない。

そしてマヤの不祥事の余波は周囲の人々へも。

「なんですって?僕にマヤちゃんとの付き合いをやめろですって?」

九州のロケ地では、里美茂。
事務所サイドからマヤとの付き合いをやめるように言われたのだった。
このままでは里美茂にとってマイナスになると、
事務所の上層からの命令だった。

そして東京の劇団オンディーヌ。

「亜弓さん!ビッグニュース!
あの北島マヤって子、全部の役降ろされたのよ!」

  • 例の失踪事件のせいよ!
  • あの子、再起不能よ!
  • この後のテレビの出演や映画舞台一切取りやめですってよ!
  • これで女優生命は断たれたようなものね!
  • 紅天女はあなたのものよ!亜弓さん!

これを機に姫川亜弓の機嫌を取ろうとした木っ端女優ども。
しかし激烈白目の亜弓さんに一喝される。

「おだまりなさいあなたたち。
二度とそんなこと言ったら承知しないわよ。」

まさか怒られるとは思わず退散する。

「マヤ・・・もう一人の紅天女候補・・・
何があっても舞台をすっぽかしたりする子じゃないわ・・・
それは私が一番よく知っている・・・
一体何があったの・・・?」

そしてマヤのマンションではさらに水城さんが非情宣告。

「このあと予定されていた数々のテレビラジオの出演、
雑誌のインタビュー、映画、舞台、
全て依頼を断ってきたわ・・・
今度の事件の起こした波紋は大きいわ・・・
もしかして女優生命を絶たれるかもしれない・・・」

「女優生命を・・・絶たれる・・・」

今更ながら呆然とするマヤ。

というわけで今回何よりも驚いたのは、
マヤがまだ舞台にもテレビにも出る気でおったということだ。
「もうどうなってもいい。」と絶望の淵とはいえ言っていたにも関わらず。
そして心の奥底で、乙部のりえをバカにしていたことが判明した。
やはり変装の乙部のりえを「ブサイクやのー」と思っていたのだろうか。
乙部のりえに役を取って代わられたことよりも、
乙部のりえの見た目の変わり具合に驚いている感が否めない。
悪気はないのだろうが、マヤのこういうところが不用意に嫌われる要因だろうか。

そしてもう一人の紅天女候補、姫川亜弓。
ライバルの大失策を喜ぶ取り巻きたちを一喝し、
マヤの心情を思いやる高潔な人格である。
しかしその高潔さが凡人には受け入れられることなく、
ますます劇団内で孤立していき、友達がいない。

人付き合いとは難しいと、全く関係ないことを考えさせられた会であった。

つづく。

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第16巻・華やかな迷路(4)