【ネタバレ注意】ガラスの仮面第18巻その⑧【佐藤ひろみになる・・・】

      2019/02/02

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「佐藤ひろみ、高校二年の平凡んあ女の子の一日・・
 朝起きたところから始まって日が沈むまでの物語・・・
 平凡な日常生活の動き・・・パントマイム!」

夜自宅に帰ったマヤ、就寝前に「通り雨」の戦略をねる。
ライバル姫川亜弓がフランスのパントマイムの名手を招いたのに対し、
天才北島マヤは独学である。

「簡単なようでごまかしのきかない演技だわ。
 でもそれができないとこの撃破失敗するわ・・・」

思い立ったマヤ、台所へ向かうといきなりパントマイムを始める。

「まずは歯を磨く演技から・・・!」

歯を磨くという日常の動きに早速苦戦する。
前後上下に動く歯ブラシを持つ手、
歯ブラシの動きに合わせて動く頬の筋肉やあご、
さらには水道のコックをひねる芝居も確認。
ひねるしめるを何度も繰り返す。
コップを持つ手の位置を確認すると、
今度は水を含まずにうがい。
さらには顔を洗い、顔を拭いて洗顔終了。

「驚いた!
 日常のなんでもない動作!
 体のどこに力が入るのか体のどの筋肉が動くのか
 あらためてわかる・・・」

芝居と一人稽古の天才マヤは早速コツをつかんだようである。
そしてそんなマヤの一人稽古を最初は訝しみながらも見守る同居人の麗。
翌朝からは月影先生直伝の鬼の特訓が始まった。

マヤが朝食に手を伸ばすとその手を払いのける。

「ダメだよまだ食べちゃ。
 マイムでうまく食べられてから!
 うまくなりたいんだろ!」

さっそくパンを手に取り持ち替えてバターを引き寄せ、
バターを塗ったパンを口にするパントマイム。
その動きに一瞬どきっとする麗。

「驚いた・・・本当にパンを食べる音が聞こえたみたいだった・・・!」

早速観客を魅了する。

続いてミルクを飲む芝居、ゆで玉子を食べる芝居、サラダを食べる芝居。
10代女子の二人暮らしのくせに朝食充実しすぎ。

パントマイム道に目覚めたマヤ、
日常のありとあらゆるものが気になりだす。
例えば満員のバスに揺られているパントマイム。

さらには佐藤ひろみという少女のリアリティを追求。
得意な学科、苦手な科目、学校での日常など。

「佐藤ひろみ・・・どうすれば佐藤ひろみがつかめるかしら?
 佐藤ひろみがつかめたら彼女の表情が自然にできる。
 同じパントマイムでも佐藤ひろみらしい動作ができる・・・」

思い立ったマヤはサッカー部の部室を訪問。
サッカー部のキャプテンに片思いするリアリティを探るべく、
アポなしでサッカー部キャプテンに突撃するという無鉄砲。

「キャプテン!変な子が来てますよ!」

ここでも変人扱いのマヤ。
しかしサッカー部のキャプテンは北斗の拳の悪役のような風貌。
さすがにリアリティに欠けたのか、ほかの部員を呼び、目の前に立ってもらう。

「見上げるとこの角度・・・
 首がこの角度、目がこの位置、
 178cm・・・!この角度!」

憧れの人を目の前にした首の角度をマスターするとさっていたのだった。
そしてその様子を影から見ていたのは演劇部員たちだ。

「なにをやっているのかしら?」
「次は一体何を上演する気なんだろう?」
「学校中のみんながあの子の上演を希望するなんて・・・」
「このままじゃ演劇部の面目丸潰れだ。」

口々に物申す部員たち、そして例の部長。

「これからあの子が何をやろうとしているのか?
 どんな稽古をしてどんな劇をやろうとしているのか?
 しっかり見張ってらっしゃい!」

部長の命を受けた演劇部員たちはマヤの後を追うのだった。

しかし当のマヤ。
佐藤ひろみをつかむべく、佐藤ひろみの日常を思い浮かべ行動に起こす。
草木さんと連れ立って喫茶店に行ってケーキを食べ、
芸能界の話題や学校の噂話や恋の話、
さらには雑貨屋でアクセサリーを手にする。

これまで友人も少なく、芝居だけだったマヤにとっては新鮮な体験であった。

「わからない、あの子一体何してるのかしら?」
「次の劇やる気あるのかしら?演技の稽古もしないで・・・」

マヤを見張る演劇部員たちにとっては、
マヤが稽古もせずに遊び呆けているだけにしか見えない。

 

「へえ、朝食のマイムがうまくできるまでマヤに食事させなかったの?」
「甘やかすばかりが友情じゃないからね。」
「月影先生がいらしてもきっと同じことをやったと思うよ。」

そしてその頃地下劇場では久々につきかげのメンバーが。
青木麗、水無月さやか、沢渡美奈の三名。
春日泰子はおらんのか。
ついに稽古にも顔出さなくなったのだろうか。

「なぜ月影先生はマヤをつきはなしているんだろう?
 まだわからないんだ月影先生のおっしゃったこと・・・
 観客がマヤを指導してくれる・・・
 どういうことなんだろう・・・?
 観客が何を教えてくれるというんだろう・・・」

結局麗ですら、月影先生の意図を理解していないようである。

 

そしてついに出来上がったシナリオ「通り雨」

「ありがとう吉沢くん!」

「つまらないもとの脚本よりはずっとよくなったはずだ!
 三日徹夜の僕の成果がそこにある!」

才能自慢と寝てない自慢。

「あとでセリフを変えたり付け加えたい場面ができたら
 その時はまた書き換えてね。」

大女優ははやくも作家先生の成果を否定する。

マヤの次の一人芝居のスケジュールは校内に広まる。
三週間後の土曜日の放課後。
ものすごくアバウトな日程である。

台本を手に体育倉庫に入ったマヤ。

「今度はここで佐藤ひろみになる・・・
 やっていよう脚本にあわせて・・・
 佐藤ひろみの朝から版までパントマイム・・・!」

というわけでマヤの一人芝居第二弾。
マヤが初めて役作りというものを深く考えた舞台でもある。

もちろんこれまでも役作りをしなかったわけではない。
「若草物語」では高熱の芝居をするために高熱にかかり、
「たけくらべ」では新しい美登利像をつかむべく、極寒の物置で五日間ぶっ通しの稽古、
映画「白い青春譜」では足が不自由な演技をするために足を縄で縛り、
「石の微笑」では人形養成ギブス、
「奇跡の人」ではヘレンの三重苦をマスターするべく別荘で特訓。
「天の輝き」でも気高い華族の令嬢を演じるべく四苦八苦している。

しかしこれまでの役作りは、特殊な役が多かったが
今回は普通の女子高生の1日を描いた作品。

特殊とは言えない普通の女子高生のリアリティに迫るため、
パントマイムに挑戦し、女子高生の日常を体験する。
そこに自分でたどり着くあたり天才である。

第19巻につづく

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第18巻・100万の虹(1)