【ネタバレ注意】ガラスの仮面第19巻その⑨【きっと道を切り拓いてみせる・・・!】

      2019/04/20

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姫川亜弓に触発され、決意を胸に秘めたマヤ。
早速向かったのは演劇部の部室だ。

演劇部は冬の文化部研究発表会の準備を進めていた。
演目はバレエの「コッペリア」を下敷きにした物語で
「わが作品NO707 愛しのオランピア」

人形師コペリウスの作った美しい人形オランピアに
そうとは知らず恋する哀しい男の物語、
それを現代風に脚色したものだ。

機械工学の博士で32歳独身の変わり者
自称発明家のコペリウスが作った美しいロボット娘
作品NO707 オランピアが巻き起こす珍騒動の物語

マヤが演じるのは博士が発明したお手伝いロボットルル。
出番は多くはないが舞台での緊張を和らげ笑いを誘う大事な役だ。

「発表会まで間がないけれど
 ロボットとしての機械的な動きや
 セリフの言い回しを研究しちょうだい。
 どう?できる?」

一通り説明する演劇部部長。
マヤは二つ返事で答える。

「あたし以前人形の役を演ったことがあるんです。
 だからあの・・・ロボットの動きつかめると思います。」

聞かれもしないのにいきなり武勇伝。
マヤはこういうところが嫌われる原因でもある。

「人形の役って一体何をやったの?」

「なにも
 人形だったから動いちゃいけなかったんです。
 じっと椅子に座っていました。」

マヤの武勇伝に爆笑する演劇部員たち。

「そのときに物体としての動きを勉強させられたんです。
 舞台では一度もまばたきできなかったんです。
 でもロボットなら少しは自分で動けるし
 まばたきくらいできますよね。」

武勇伝のオチに衝撃を受ける演劇部員たち。
千秋楽で母親を思うあまり涙をこぼして
舞台袖で鉄拳制裁を受け、
破門&謹慎をくらった話はしないところがズルイ。

 

マヤが演劇部の文化部研究発表会に出演するという噂は校内に広まった。
一般生徒はもちろん、教員たちまでマヤの芝居見にくるつもりだ。
そうとも知らず稽古に励むマヤ。

「亜弓さん・・・
 舞台の一つ一つがこれからの演技の一つ一つが
 みんなあなたに向かうためのレッスン・・・
 きっと道を切り拓いてみせる・・・!」

文化部研究発表会もマヤにとってはレッスンの一つに過ぎないそうな。
演劇部かたなしである。

稽古場にて舞台上の構成と状況を説明する部長。

「ロボットのルルとしてここまで歩いてきてくれる?」

「はい。」

いきなりロボットになったマヤ。
「カキーン」という謎の効果音と共に。
「カキーン」て何や。

その動きにまたしても衝撃を受ける演劇部員たち。
ロボットとして部長に迫り来るマヤ。
その動きに魅入られ、圧倒された部長。

「と、とまりなさい!」

静止したマヤ。
動きを止めた演技にまたしても一同凍りつく。

「そのハンカチを拾ってちょうだい!」

部長が投げ捨てたハンカチを拾う。
その機械的かつ無機質な動きに言葉もない。

「も・・・もうけっこうよ・・・北島さん・・・」

プロ顔負けを自負する一ツ星学園演劇部。
しかしマヤの圧倒的演技は彼らの目には演劇のプロとして映るのだった。

 

そして文化部研究発表会の当日。
会場となった公民会館、午後2時の開演を前に、
メイクや着替えでごった返す控え室。

「大変よ!部長!場内を見て!」

「どうしたの?」

慌てて会場を見る部員たち。
2500席がぎっしり埋まり、通路も立ち見でびっしり。
文化祭でもないのに先生をはじえ学校中のみんなが集まっている。
その異様な光景に父兄や学校の招待客も圧倒されていた。

「あの子よ・・・
 あの子のせいよ・・
 みんなあの子が見たくてやってきたのよ・・・
 大したものだわ・・・
 たかが学校の文化部研究発表の演劇に
 これだけの人を集められるなんて・・・」

不穏な空気の中、開演を迎えようとしていた。

 

というわけで今回。
演劇部部長、一体何がしたいのか。
マヤの演技力は「通り雨」での見事な解説活動を通して把握済み。
マヤの女優としての集客力も、体育倉庫の一人芝居で分かっているはずである。

しかしながらマヤのロボットのワンシーンだけで圧倒される。
まあ、マヤの演技力に改めて圧倒されたというのはわかる。
しかし集客力にもあらためて驚くあたり腑に落ちない。

マヤの演技力と集客力を
演劇部の芝居に活かすためのキャスティングだったにも関わらず、
想像以上の演技力と集客力に驚かされる。
この演劇部部長、じつは大して深いことを考えていない人なのかもしれない。

20巻に続く

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第19巻・100万の虹(2)