【ネタバレ注意】ガラスの仮面第22巻その⑤【信号は赤に・・・!】

      2019/12/14

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あくる日。
大都芸能社長室。
コーヒーを入れ社長室に入る水城さん

「真澄さま。私あなたのお手並みにはほとほと感心いたしましてよ。」
「なんの話だ。」

もちろん話題は先日の「北島マヤをアテネ座のメンバーから外し、日帝劇場に足を運ばせた件」である。
コーヒー持っていきなりこの話題とは、
若社長をいじりたいばかりにあえてコーヒーを入れたのではなかろうかとすら思われる。

「北島マヤが日帝劇場の姫川亜弓の相手役オーディションを受けるそうです。」
「それで?」
「驚かれませんのね。こうなることを予期していらしたのでしょう?」
「多少はな・・・あの子が日帝劇場へ向かったと聞いた時から・・・」
「そう仕組まれたくせに・・・」

いつもは変態敏腕秘書に痛いところをぐいぐいといじられ、
「なんのことだ?」などと狼狽えまくる若社長だが今回は意外と落ち着いている。
このように水城さんにネチネチとやられることを予期していらしたのでしょうか。

しかしさすがは水城さん、読者にわかりやすく状況を説明するために
あえて上司部下の枠を飛び越えて速水真澄の隠された本心(下心)を暴こうとする。

  • あの子の仲間であるつきかげや一角獣のメンバーにあなたが目をつけていたことは事実
  • そしてあの子が長くあの中で生きるタイプの役者ではないと見抜いていた
  • アテネ座出演が決まったのに企画から外したのもそうしたお考えと
  • 日帝で北園ゆかりが役を降りるという事件が持ち上がったからでしょう?
  • アテネ座に出演できなくなったマヤがオーディションに飛びつくのは当たり前
  • あなたに対する意地からでも日帝に出たいと思うでしょう
  • 姫川亜弓に対して自信を失いかけていた気持ちを奮い立たせてね

見事なまでに一連の動きと速水真澄の本心を言い当てる水城さん。

「君は想像力の豊かな女性だよ水城くん」
「推理力とおっしゃっていただきたいわ。
 どう?外れていまして?あなたのお気持ち?」
「・・・・・いや・・・!」

一瞬ためらった後、全面的に意見を肯定した速水真澄。
そして意外な虚をつかれた水城さんが今度は震え上がる。

「真澄さま・・・なぜ・・・・
 なぜそれほどまでにあの子にそんな・・・」

見事な推理力やのに、当たると狼狽える謎反応。
珍しく水城さんと速水真澄の攻守交代だ。

「俺はただ、今のチャンスをあの子に気づかせたにすぎない・・・
 それを手に入れるかどうかはあの子の実力次第だ!」

「これもまた紅天女のためだとおっしゃるの?
 そして大都芸能にとってあの子が捨て難い商品だからと?」

一瞬黙り込み微笑を浮かべた速水真澄

「コーヒーのおかわりを入れてくれないか?熱いやつを・・・・」

意味不明である。

「道路の向こう側にあの子がいて
 信号はいつも赤だとばかり思っていたのに
 いつの間に黄色になっていたんだろう・・・?
 気づくこともなかった・・・
 気付いた時は信号はまた赤に戻っていた・・・信号は赤に・・・!」

なんの話やねん。

速水真澄のことを本当はいい人かもしれないと思っていたという
マヤの発言を受けてのこの感想。
決して青信号ではないことを忘れてはならないぞ。

そしてその頃姫川邸。
愛犬アレクサンダーと戯れる姫川亜弓の元に
日帝劇場から一本の電話。

「北島マヤ・・・!オーディションを受ける人の中に・・・!」

その名を聞いた姫川亜弓、受話器を持ったままたちすくむ。

「二人の王女・・・わたしの相手役・・・
 あの子が向かってくる・・・わたしを目指して・・・
 ただ一人のわたしのライバル・・・」

ちなみに通話状態のままである。

そして9月第3日曜日、午前10時、15分前。
日帝劇場にマヤがやってきたのだった!
結構ギリギリに。

 

というわけで今回。
キレッキレの水城さんと思いきや、意外にも速水真澄にやり込められてしまった。
上司と部下、若社長と秘書という決して覆らないこの上下関係を一切無視し、
水城さんは速水真澄をいじり、時には罵り、罵倒し、ネチネチとやり込める。
その変態的な側面は、ストーリーの展開上、
なかなか伝わりにくい速水真澄をめぐる周辺や大都芸能の意向を読者に伝えるためである。
そのため変態の悪名をかぶってまで水城さんは速水真澄を攻撃しているのである。

しかし肝心の速水真澄が「いじられ耐性」を身につけてきたようである。
そしてあろうことか水城さんはその憶測ともいうべき推理が的中したにも関わらず
速水真澄の意外な反応に取り乱す始末である。
なぜなのか。

速水真澄を男性として意識しているからか?いやこれは違うであろう。
社長がいかに11も年下の小娘にご執心とはいえ、水城さんに限ってそれはないと思いたい。
やはり、あれだけマヤを商品として利用し、母親まで死なせたにも関わらず、
また懲りもせず商品としての利用価値を見いだした(と見える)ことへの戸惑いであろうか。

しかしながらやられっぱなしの水城さんは残念極まりない。
またあのキレのいい弄りと高笑いを是非とも見せていただきたいものである。

つづく

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第22巻・100万の虹(5)