【ネタバレ注意】ガラスの仮面第24巻その③【危ない橋を渡っているのか?】

      2020/03/21

Pocket

「覚えていろ!速水真澄!
いつか思い知らせてやる!」

大都芸能にて物騒な怒声。
その主はヒダカ企画の社長。
なんでも速水真澄に会社を乗っ取られたと逆上して怒鳴り込んできたらしい。

「人聞きの悪いこと言わないでくれたまえ
乗っ取ったんじゃない。あなたが俺に会社を譲ったんだ」

「この野郎!よくもぬけぬけと!
裏でさんざ卑劣な手を使い会社を倒産寸前にまで追い込み、
横合いからさっさとぶんどりやがったんだ!」

つまみ出されるヒダカ企画の社長。
大都芸能の業界パワーで資金繰りに困らせ、援助の手を差し伸べると見せかけ
敵対的買収でも行なったのであろうか。

「身辺に護衛をつけましょうか?」

「大丈夫だ憎まれることには慣れている。」

憎まれることに慣れるのと、警備は違う。
大都芸能はとてもとてもセキュリティという概念が薄く
部外者はやたらと社屋に入ってくるし、
社長にも簡単に会えてしまうのだ。

「真澄さま・・・あなたという方は・・・」

複雑な表情の秘書・水城さん。
この前までバーでバーテンさんにバカ呼ばわりされていたのに
今度は大の大人を殺しかねない会社買収などやってのける。
その速水真澄のメンタルが複雑である。

仕事のことならなんでもする冷血漢
言いよる女優や美人歌手には見向きもせず
訪ねてくる人は仕事関係の人ばかり
誰にも気を許さず仕事抜きでは誰とも親しくならない孤独の一匹狼
以上が社内の従業員たちの表面的な真澄評である。
この大都芸能において速水真澄の正体を知り、
しかもそれをいじり倒す賢者は水城さんだけである。

「真澄さま、神恭一郎様とおっしゃるかたからお電話です。」

「神・・・?」

一瞬考えると水城さんから受話器を奪う速水真澄

「おまえか。なんだまだ生きていたのか。」

速水真澄の意外な態度に驚く水城さん。
こいつ友達おったんかい。という感じか。

「サザンプロダクツだと?
どういたしまして。
また危ない橋を渡っているのか?
気をつけて渡れよ。」

なんでも速水真澄の大学時代からの親友で私立探偵とのこと。
会社の乗っ取りを果たした速水真澄も
危ない橋を気をつけて渡ってほしいところだ。

「あの方に親友がいたなんて信じられないわ」
「変わった相手ね」
「類は友を呼ぶっていうじゃない」

従業員たちの評を聞くに、速水真澄人望ない。

 

一方の日帝劇場では稽古が進行していた。
アルディスを演じるマヤ。
オリゲルドを演じる亜弓。
二人ともまだ役がなじまない。

「オリゲルド・・・違う・・・もっと何かが・・・」

「もう立ち稽古に入ったというのにわたしはまだアルディスが掴めない・・・」

双方不安な気持ちで終えた稽古場のロッカー。

「亜弓さん・・・あの・・・よかったら一緒に帰らない・・・?」

「マヤさん・・・そうねいいわ。一緒に帰りましょう
今日は悪いけど一人で帰るわ。」

迎えにきた運転手を返す亜弓。
使用人に対しても優しさと礼節を感じる、
姫川亜弓の知られざる一面でもある。

「車で迎えにきてたのね。迷惑じゃなかった?」

「いいのよ、気にしないで」

街をゆく二人。
道路を歩く姫川亜弓、目立つ目立つ。
通行人にも気づかれまくり。

「すごいんだな亜弓さんて・・・
ただ道に立っているだけでも光る・・・
主役になるために生まれてきたような少女・・・
王女様の雰囲気を持って育った人・・・」

王女に見とれた庶民中の庶民、マヤは空腹のあまり腹がなる。

「お腹空いたわね。ハンバーガーでも買ってきましょうか?」

「亜弓さんが?」

「そうよどうして?」

「う・・ん、なんだか亜弓さんがハンバーガーかじるところ想像できなくって
なんだか似つかわしくないんだもの」

「!」

特大のビックリマークで何かを悟った姫川亜弓。

「あたしね、まだアルディスを掴めないの。
友人はそれはあたしがそんな風に扱われたことがないからだって。
環境が人間を作る・・・アルディスの環境を理解できなきゃダメだって」

麗の素晴らしいアドバイスを勝手にシェアするマヤ。

「環境が人間をつくる・・・!」

「どうしたの?亜弓さん・・・」

「ねえマヤさん、私たち生活を取り替えてみない?」

「ええ?生活を取り替える?」

「そうよあなたの生活と、私の生活を・・・」

「生活を取り替える・・・亜弓さんとあたしの・・・」

満面の笑みをうかべた亜弓。

「そうよ。私たちの生活を互いに取り替えるの。」

早速自宅の梅乃ばあやに電話すると、
友人を連れて行く旨と食事とデザートの用意を指示。
友達を連れて行くことはおそらく初めてだろうが、
いつもこんな感じで梅乃ばあやは24時間スタンバイしているのだろうか。

「決まったわ。これから私の家へいらっしゃいよ。
ね!そうなさって。帰りは送って差し上げるわ。」

タクシーを止めマヤを引きずるように乗せる。

「亜弓さんとあたしの生活を取り替える・・・
一体何を考えているのかしら亜弓さんは・・・」

 

というわけで今回。
ストーリーも第24巻、中盤からいよいよ後半に差し掛かったところ。
メインの登場人物も長いこと活躍しているが新発見があった。

まず姫川亜弓はハンバーガーを食う。
そしてハンバーガーを食うといっただけで驚かれる。
どんなやつやねん。
一度でいいからハンバーガーが似つかわしくない人に会ってみたい。

そして速水真澄。
大学時代からの親友がいるだけで、信じられないと言われる。
どんなやつやねん。
電話をとった水城さんも明らかに驚いていたようである。
従業員たちからは陰口と言っても過言ではない噂話をされる。
人望なすぎや。

ちなみに電話の相手、私立探偵「神恭一郎」について

作者である美内すずえとのコラボレーション企画で誕生した設定で、『花とゆめ』1982年号10号に掲載された『スケバン刑事』と『ガラスの仮面』とで同じ場面がそれぞれに描写された。『スケバン刑事』では、神が疑惑を感じた芸能プロダクションについて、大手芸能プロダクション「大都芸能」社長である速水に電話で依頼する。
Wikipediaより

とのこと。
当時としてはかなり先進的でおしゃれな企画である。
「ルパン三世VS名探偵コナン」みたいなもんか。
「ドラハッパー」みたいなもんか。
ちょっと違うか

ちなみに今回の速水真澄はストーリー展開とは関係なく、
神恭一郎からの電話を受けるためだけに登場したようである。

つづく

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第24巻・冬の星座(2)