【ネタバレ注意】ガラスの仮面第26巻その④【私はラストニア国第一王女】

      2020/06/27

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敵国エリンワルド。
ラストニアから嫁いでくるオリゲルドとの会見の場が設けられようとしていた。

オリゲルドの夫となるアシオ王子はこの婚姻に不満だ。
評判の美少女・アルディスではなく、噂ではやせ細った陰気な女。

エリンワルド側もラストニアの意図は分かっている。
国内を立て直し国力を整えるまでの時間潰しの人質でしかない。
最愛の娘アルディスをよこさない時点で見え見えである。

オリゲルドには六人もの侍女がラストニアからついて来ている。
彼女たちはスパイであり刺客であるかもしれないのだった。

そして会見の場にオリゲルドが現れた。

「初めてお目にかかります。
 ラストニア国第一王女、オリゲルドでございます。
 後のものはラストニアより私について参りました侍女たちでございます。」

敵国に嫁いで来たオリゲルドがどのように振る舞うのか、
注目する観客。

「亜弓さん・・・本当にあなたは素敵・・・
 暗い瞳のオリゲルド・・・
 でもその瞳の中に知性と野心を光らせている
 観客を引きつける・・・ステキなオリゲルドだわ・・・」

ライバルのマヤも最高級の賛辞を惜しまない。

エリンワルド国王ウーロフ王、
イングベルグ王妃、
アシオ王子、
妹姫のジルソニアと次々と紹介される。

「そして私がこの国の宰相オクセンシューナ。
 オリゲルド様のよきご相談相手になりたいと思っております。
 何かご用があればいつでも私に。」

「ありがとうオクセンシューナ。
 では早速頼みたいことがあります。
 ここにいるラストニアから来た私の侍女たちを
 ばあやを残して皆控えの間へさらせてくださいませ。」

驚きながら去っていく侍女たち。

「さてあとはなんだ?
 申してみよオリゲルド」

「今去らせました侍女たちを牢につなぎ、
 陛下と王妃様のお選びになった
 このエリンワルドの侍女をつけていただきとうございます。」

「ほう、それはなぜだ?」

「あのものたちはラストニアの女達でございます。
 この国の内情を探ろうとするスパイがいるかもしれません。
 隙をみて陛下や王家の方々に毒を盛るよう
 申しつけられたものがいるかもしれません。
 油断はなさらない方がよろしかろうと存じます。」

「オリゲルド様!」

驚くばあや。そしてその場に居合わせた国王始め、
エリンワルドの人々もオリゲルドの意外な申し出を不思議がる。
そして国王に自らの考えを伝えるオリゲルド。

  • エリンワルド国の人質である自分。
  • しかし自分には人質としての価値はない
  • 私はエリンワルドで死ぬことはない
  • 陛下はとても聡明な方だと伺っている
  • この婚姻はラストニアの時間稼ぎに過ぎない
  • 時が来ればラストニアは私など構わず攻め入る。
  • ラストニアに脅威を与えるなら私を斬り殺し、遺体をつきつけて宣戦布告をなさいませ
  • 今内政不安なラストニアはそれだけで大きく動揺するでしょう

「で、わしがそうすると考えているのか?」

「いいえ、聡明な陛下はそうはなさらないでしょう。
 同盟国デンマークを助けての遠征を控える身、
 今ラストニアとことを構えるのは兵力のぶんさんになるはず、
 エリンワルドとしても和平の状態のまま時を稼ぎたい。
 そうではありませんか?」

「むむむ・・・」

「そしてもう一つ、私はラストニア国第一王女であるということです。
 ラストニア王家の宝翼竜の宝剣と首飾りを持っております。
 すなわち正式な王位継承者であるということです。」

自らの置かれた状況に対する適切な判断、
ラストニアおよびエリンワルドをめぐる情勢を見る確かな目。
そして王位継承者としての自信と誇り。
気高さと貫禄。

観客、共演者も圧倒される。

「ラストニアのヨハン王子は病弱だと聞いているが・・・」

少し考えたのちに高笑いするエリンワルド国王。

「オリゲルド・・・そなたという女!
 ラストには勿体無い姫じゃ!
 よくエリンワルドへ来られた!」

オリゲルドの意図を汲み取った聡明な国王、
上機嫌でオリゲルドを迎え、もてなすのであった。

「驚いたなこりゃ・・
 オリゲルドの印象が強すぎる・・・・強すぎるよ・・・
 マヤの出番が早く欲しいな・・・」

名解説者の青木麗は早くもマヤと亜弓の勝負を気にしている様子。

こうして赤ユリ党の反乱分子を利用して牢の外に出たオリゲルド、
今度はラストニアとエリンワルドの婚儀を利用して、
人質の立場を脱し、外交のキーマンとなったのである。

というわけで今回。姫川亜弓の見せ場である。
オリゲルドがエリンワルド行きを志願した本心をエリンワルドに打ち明けることで
その野心を垣間見せるとともに、果たしてその言葉すらも本心なのか
観客に疑念を持たせる。

そのポイントポイントでは、オリゲルドの哀愁と誇りをちらつかせ、
絶妙の間合いや見せ方で観客を引きつける。
この辺りさすがであるが、今回の相手役となった
エリンワルド国王もなかなかの名優である。
敵国王でありながらも聡明であり、怜悧であり、野心家でもあり、剛毅でもある。
セリフが多いとはいえかなり印象に残る役である。
そしてオリゲルドの夫となるアシオ王子役の俳優も、
アシオ王子の頼りなさや軽薄さを熱演し観客に笑いをもたらしている。

今回姫川亜弓、北島マヤ、月影千草の共演が話題となっているが
脇を固める俳優陣もなかなかの実力者ぞろいである。

そういえばマヤのオーディションの際に、レストランのマスター役を演じた役者も
かなりの芸達者であった。
オーディションとはいえメインキャストを決定するための審査、
その出題されるお題を演じる役者なのだからかなりの技量が求められる。
あのマスター役の彼は、今回の二人の王女にキャスティングされているのであろうか。
そうであってほしいと心の底から思う。

つづく。

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第26巻・冬の星座(4)