【ネタバレ注意】ガラスの仮面第27巻その③【地獄の中で?】

      2020/09/05

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楽屋では亜弓さんがメイクチェンジ。
獄中から王座を奪うまではげっそりしていたが
戴冠するにおよび威厳溢れるメイクに。

なにせ頬がこけたメイクではなく、
実際に減量してこけた頬をメイクでごまかすという逆なのだから大変。

しかし、獄中でげっそりしているのはわかるが、
エリンワルドでの生活も獄中に匹敵する栄養および精神状態なのだろうか。

「オリゲルドが女王になる・・・!
 女王に・・・!悲劇の女王に・・・!」

神の御前にて王の務めを誓うオリゲルド。
そしてローブをまとい戴冠。
その自信と誇りに満ちた表情、さきほどまでのオリゲルドとは異なる表情、
観客はその変わりように息を飲む。

「ついに手に入れたわ。
 長い間の念願だったラストニア国の王座・・・!
 お母様ご覧になっていて?
 あなたを苦しみの淵に沈めた者たちは皆私が葬ってさしあげましてよ。」

獄中から這い出し、ついに最高の地位と富と権力を手にしたのだった。

「誰も信じない、誰も愛さない
 そして私はこの国を得たのよ
 ラストニア、私の国・・・
 どれほどこの言葉をつぶやく日を待っていたことか!
 ラストニア・・・私の国・・・」

言葉とは裏腹に寂しそうな横顔のオリゲルド。

 

そして照明が切り替わるとそこには獄中のアルディス。

「オリゲルドお義姉さま・・・
 とうとうこの国の女王陛下におなりになった・・・
 亡きお父様の代わりに・・・」

オリゲルドに取って代わられたアルディスの境遇を嘆き泣くビエナ。

  • お祖父様やお母様がしたことを思えば仕方ない
  • かつて私のために命を投げ出して敵国へ行かれたお方
  • 私に裏切られたととても悲しく辛い思いをなさったにちがいない

此の期に及んで義姉に同情するアルディス
そして物陰からアルディスの様子を伺う元側近のユリジェス。
もはやアルディスのことが好きなようだ。

 

そして入れ替わる照明。
同時にうめき声を浮かべて倒れる男。

「オリゲルドさま!」

オリゲルドが王座について最初にやったことは粛清。

「グリエル大臣、今度のことであなたは知りすぎたわ。
 悪企みの相棒をなくすのは本当は私も辛いのよ。」

「ぬかったわい・・・わしともあろうものが・・
 これで天下晴れてこの国の女王に・・・
 といいたいところだがまだ油断はできませぬぞ。」

末期の力を振り絞って悪態をつくグリエル大臣。

  • アルディス姫はどうなさるおつもりだ?
  • 王位継承第一位のあなたのお義妹御ですぞ
  • 今はあの方に力はなくとも力を貸そうという人物が出てこないとはいえん・・・
  • もしもあなたになにかあったとき、彼の方があなたに代わって女王になられるのだ
  • あなたに何か怒らないと誰が言える・・・?
  • かつてあなたがしたように、あなたもいつその座を追われるかも知れんのだ・・・!

さすがオリゲルドに悪企みの才能を買われていたグリエル大臣、
王座をめぐる陰謀と因果応報を明確に理解している。

「息の根を止めておしまい!」

グリエル大臣の言葉を遮るように、命を下すオリゲルド

「かつて私がしたように・・・
 こんどはいつ私が追われるか・・・」

グリエル大臣の言葉が身にしみる。

  • アルディスの牢獄の警備を今の倍に増やす
  • 決められた人物以外はオリゲルドの許可なしに牢獄へは入れない
  • 窓は一つだけにしてあとは塗りつぶす
  • アルディスは牢獄の塔の部屋から一歩も出してはならない
  • 規則を破ったものは死罪

とアルディスの監視と警備を強め、自由をさらに奪う。

「アルディスは塔の墓場からだしてはなりません。
 永遠に・・・永遠に・・・」

アルディスを塔に縛ることで自身の不安を和らげようとするオリゲルドであった。

さらに刺客を差し向け、かつて自身が庇護した反国王派「赤ユリ党」の党首ディーンを暗殺。
刺客へ自ら褒賞を渡すオリゲルド。
そんな様子を見ているエリンワルドのアシオ王子。

「な・・・何の御用ですの一体?」

「ほう・・・
 夫が妻の部屋を訪ねるのに用がなければいけないのか?
 間者や殺し屋は平気で出入りさせるくせに!」

自身の陰謀と暗躍が夫にバレていたことをしるオリゲルド。
アシオ王子も開き直っている。
敵国エリンワルドに人質の花嫁として嫁ぎ、国王にうまく取り入り、
敵国の力を味方につけ、ラストニアを自分のものにした。
さらには自身が利用した知りすぎた人物や、危険な男を次々と抹殺していく

「俺はお前の思い通りにはならないぞ。
 今やこの宮廷の1/3はエリンワルドの人間が占めている。
 俺に何かあれば、エリンワルドの軍隊が動き出すということを忘れるな。
 まあ今のところ女王陛下の妻を持つのも悪い気分ではないがな。」

「アシオさま、どうしてそのようなことを!」

「俺もお前に利用された道具の一つだ!」

利用された道具だけに、殺されることを危惧しての牽制であった。

「バカなアシオ王子がやっと自分の立場に気づいたというわけね。
 彼一人の知恵ではないはず・・・彼のとりまきの重臣たち・・・
 誰も彼も油断がならない。笑顔の裏で何を企んでいることか・・・
 そうよこの私のように・・・」

状況を冷静に把握しつつも、次から次へと湧いてくる疑心暗鬼に苛まれるオリゲルドであった。

 

そのころ、ラストニアの宮廷は揉めていた。
旧来のラストニア貴族と、オリゲルドが連れてきたエリンワルド貴族の対立が激しくなっていたのだ。

ラストニア貴族の頭目は、かつてオリゲルドを保護したキルゲ将軍。
エリンワルド貴族があたかも占領したかのような態度に我慢ならない。

一方エリンワルド貴族の頭目はアシオ王子の従兄、オイディーン子爵。
議会を乱し、不満と不安を煽り、さらにはアルディスを擁立しようとする動きまであるという。
アルディスの処分を求める近臣たち。
死罪、病死に見せかけて毒殺、刺客を差し向けての暗殺。

「いいえ!だめよアルディスは殺せない!
 あの子は切り札!私のたった一つの切り札なのよ!
 エリンワルド国に対しての、国王陛下とアシオ王子に対しての・・・
 もしアルディスがなkなればそれこそアシオ王子の思うつぼ、
 このラストニアはエリンワルドのものになる・・・
 私は命を狙われるわ。アシオ王子とエリンワルド国から・・・
 殺られる前に殺る!だけでアシオ王子に手を出すわけにはいかない
 アルディス・・・私の切り札・・・」

オリゲルドは大胆な手を打った。
両派の頭目、キルゲ将軍とオイディーン子爵を
宮廷の混乱を招き貴族間の争いを大きくしたとして
逮捕投獄謹慎としたのであった。
オリゲルドに噛み付く両名。

「おだまりなさい!ここでは私が女王です!
 ラストニア宮廷を混乱させるものは何人たりとも許しません。」

喧嘩両成敗のような形で、アシオ王子の勢力を弱めることに成功。
しかし宮廷内ではオリゲルドへの不満が募っている。
オリゲルドはもちろん承知である。

「誰も信じない・・・誰も愛さない・・・
 これでいい・・・気を許せば自分がやられる・・
 夫に、家臣に、全ての敵に・・・疲れた・・・」

孤独なオリゲルドに感情移入しつつある観客。
すると照明が消え、オリゲルドに近寄ってくる人影。
得意のお化け屋敷演出で観客の肝を冷やす。

「そうともオリゲルド・・・誰も信じるな・・・
 それが王達者の定め・・・」

前ラストニア国王、オリゲルドとアルディスの父であった。

「私を裏切ったのですね?オリゲルド様、信じていたのに・・・」

自身が牢から出るために利用したビョルソン男爵である。

さらにはオリゲルドが葬り去った
ヨハン王子、ラグネイド王妃、ゴッドフリード伯も登場。

「見事なものだオリゲルド。そなたの企み、我が王家一族を滅ぼした」

今度は、和平協定を反故にして滅ぼしたハーランド国王。

「次はあなたの番・・・
 かつてあなたがしたように、今度はあなたが裏切られる・・・」

利用され殺されたグリエル大臣と、赤ユリ党のディーンも登場。

オリゲルドの陰謀のために殺された人全員集合である。

「誰も信じるな、誰も愛するな。
 我らのようになりたくないならばな。」

「やめてーーっ!」

照明が灯る。

「夢・・・?」

背後には別の物陰。

「誰!?」

おもむろに振り向いたのは月影千草演じる皇太后ハルドラ。
この一連で見ると亡霊のラスボスみたいだが
この方は死んでないし殺されてない。

「夢を見ていたようですねオリゲルド。
 今日はあなたに最後の忠告に来ました。
 あなたがこの国の女王になるまで何をして来たかを問うことはもうよしにしましょう。
 オリゲルド、これからさきあなたは地獄の中で生きる覚悟がありますか?」

「地獄の中で?」

「あなたがこの国の女王として生きるのは地獄を歩むに似たこと。
 その覚悟を持ってラストニアの国を守っておくれ。」

「なぜ私が地獄の中で生きるのです?
 地獄だったのは牢獄で暮らしていたあの日々です!
 辛く悲しいひとりぼっちの日々・・・」

「オリゲルド・・・
 今がそうでないと言えるのですか?」

「あ・・・!
 わたしは誰も信じない・・・誰も愛さない・・・
 そして誰も私を信じない・・・愛さない・・・」

「さようならオリゲルド。
 私がこの城へ来ることはもうないでしょう。」

言いたいだけの本質を言ってさっていく皇太后。
美味しい役ですね。

「誰も私を信じない・・・
 誰も私を愛さない・・・
 誰も私を・・・地獄の中で生きる・・・!」

 

というわけで今回。
粛清に次ぐ粛清と宮廷の波乱、
亡霊オールスターズの登場と、
皇太后の地獄で生きろ宣言。
盛りだくさん。

あれほどアルディスを羨み嫉妬し憎み、
自らのかつての境遇に陥れたオリゲルド。

しかし疑心暗鬼は止まず、
あれほど憎んだアルディスが、
自身の立場を成り立たせる唯一の切り札になるという皮肉。
さらにはやっと手に入れた今の立場が、
牢獄で暮らしたときと変わらず、
辛く悲しいひとりぼっちの日々であったという皮肉。

いやあ、人生って深い。

つづく。

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第27巻・冬の星座(5)