【ネタバレ注意】ガラスの仮面第29巻その②【あんなやつのことなんか・・・】

      2020/12/12

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大沢演劇事務所がオフィスを構える大沢ビル。
自社ビルだろうか。
その屋上ではマヤが体操をしている。
そして腕立て伏せを50回程度。
女子にしてはかなりの回数である。

「本日のトレーニングこれで終了いたしました!」

役作りのための基礎体力トレーニングだろうか。

「よしいい子だジェーン。次は発声練習だ。」

「はい!」

「まず遠吠えだ」

「わおーん」

「もっと大きく!」

「わおおーん」

「今度は悲しげに!」

「おおおーん」

「元気よく!」

「わおーん」

「遠くの獲物を見つけた!
 仲間を呼ぶ声!
 楽しくて仕方がない!
 怪我をした苦しげに!誇らしげに!
 仲間に危険を知らせる!
 憎しみを込めて!」

黒沼先生のお題を遠吠えだけで次から次へとこなすマヤ。
路上の通行人からは
「屋上に狂犬でもいるのか?」と噂されるほどの出来栄え。

休憩。
その頃他の役者たちが稽古場に集合したとスタッフが先生を呼びに来る。
流石のマヤも、息を切らせ肩で息をするほどのハードトレーニング。

「代わってくれ。次は狼の動きだ。」

スタッフに後を任せると今度は黒沼先生稽古場へ。

「当分はジェーン抜きで稽古をやります。
 初めの場面から。
 スチュワートくん、ビクトール男爵
 自由に動いて見てください。」

意外と最初は自由に役者に演じさせるタイプの演出家か。

屋上ではスタッフのもと、狼の動きを鍛えるマヤ。

「餌を見つけた!
 敵を見つけた!
 仲間を見つけた!
 お腹が空いた!もう三日も食べてない
 もう十分食べた満腹だ。
 得体の知れない危険なものが近づいてきた!
 野うさぎを狙う!敵から逃げる!巣の中でくつろぐ!」

またしても次から次へと繰り出されるお題をこなすマヤ。

休憩。手と顔を洗うマヤ。

「いつになったら他のみんなと稽古させてもらえるのかしら。」

洗面所から出てきたマヤの後ろ姿を見送るのは桜小路くん。

「どうしたんだスチュワート?」

仲間の問いにも振り返らずマヤを見送り続ける。

「なんでもない・・・」

もはやなんでもないわけない。
彼がこの芝居に参加した理由は明らかである。

 

そして廊下では週刊誌を手に噂話をする女性。

「ねえこの週刊誌の記事本当かしら??」
 大都芸能の速水真澄氏に恋人なんて。
 女嫌いで有名だったのに。」

「あの!その週刊誌見せてもらえませんか!?」

噂話に食いつくマヤ。
目にした週刊誌には

「実業界の若きプリンス
 大都芸能若社長・速水真澄氏に意中の人が・・・!
 婚約か!?」

芸能人ばりに掲載されている。

「速水さん!あのひとだ・・・!
 写真ではよくわからないけれどきっと前に見かけたあのひとだわ
 お見合いしたっていう」

わからんのかい

「やさしい顔してた・・・
 うそだ!あの人が本気で恋人作ったり結婚したりするはずないわ!
 お見合いだってきっと見せかけの・・・」

偽装結婚を疑われるとかどんなやつやねん。

「へんだな・・・あたしへんだ・・・
 なんであんな奴のことが気にかかるの?
 どうしたんだろあたし。なんでこんなに苛立たしいんだろ?
 なんだか落ち着かない・・・」

心の平穏を失ったマヤがとった行動
大都芸能に電話。

「はい大都芸能でございます。
 は?速水社長を?
 少々おまちくださいませ。
 ただいまおつなぎいたします。」

「は?」とか言われてるということは
直電ではなく代表電話なのだろうか?
そして社長への謎電話をすんなり取り次いでしまう大都芸能の管理体制の甘さよ。

「どうしようあたし・・・
 電話かけちゃった・・・
 速水さんが出たらなんて言おう?どうしよう・・・」

「はい速水です」

「あ、あの・・・あたしです北島です」

「!」

電話口の速水真澄も驚いた模様。
電話繋いだ奴、誰からの電話かも伝えずに取り次いだのか。
そして速水真澄は誰からの電話か知らんけど出たのか。

「お、お久しぶりです。お元気ですか?」

「ああ。元気だよ。」

「えーとその・・・
 月影先生の行方何かわかりましたか?」

「ああ、いやまだだ。
 手がかりを調べているところだ。
 分かり次第君には知らせるよ。」

「・・・・」

「まだ他に何か?」

「あたし今度またお芝居に出ます。
 忘れられた荒野。狼少女を演ります。」

「狼少女・・・それはいい。
 君にお似合いの役じゃないか。招待はしてくれるんだろうね。」

「お・・・お望みなら・・・」

核心をつけないマヤ。

「どうした?なんだか変だなチビちゃん。
 何か俺に言いたいことがあるのか?」

「いいえ!どうかお幸せに!」

電話を切るマヤ。

「なんだ一体?どうかお幸せに?どういう意味だ?」

さすがに速水真澄に同情する。

「バカなことしちゃった・・・
 あたしったら電話で一体何を聞こうとしていたの?
 お見合いしたって本当ですか?
 週刊誌のあの記事は本当ですか?
 もし本当だったとしてもそれがどうしたっていうの?
 どうでもいいじゃない。あんなやつのことなんか・・・!」

 

ちゅうわけで今回。
マヤをめぐる人たちの動きが活発化し始めた。
稽古がスタート。黒沼先生は絶好調。
桜小路くん心の闇。
そして芸能人ばりにスクープされる若社長。
現代に例えると、avexやLDHの社長の熱愛発覚みたいな感じであろうか。

それにしても毎度のことながら大都芸能の甘さが目立つ。
携帯電話がない時代とはいえ、いやない時代だからこそ、
社長あてにかかってきた電話をすんなり取り次ぐことはないであろう。
こうした会社の空気というか、文化というか、
そういった些細な描写をみるに、
この会社あぶないと思わされてしまうのは私だけであろうか。

つづく。

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第29巻・紫の影(2)