【ネタバレ注意】ガラスの仮面第31巻その④【ジェーンの心・・・!】

      2021/06/12

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「先生!マヤちゃん下宿にもいません・・・!
 もうとっくに出かけたそうです!」

「どうしたのかしら?こんなに稽古に遅れることなんてなかったのに・・・」

雨月会館ではマヤの姿が見えず大騒ぎになっていた。

「う・・・む」

変な声を出す黒沼先生

「マヤちゃん・・・」

桜小路君は自動音声。

マヤは都会を離れる決心をし、電車に揺られていた。

「狼少女ジェーン・・・
 行ってみよう、できるだけ遠くまで・・・
 山のあるところまで・・・!
 ジェーン・・・!野生の少女・・・
 離れよう都会を・・・!」

マヤの乗った電車は新宿を思わせる高層ビル街を抜け、
徐々に建物が低く小さくなり、
マンションから戸建、そして空き地や田畑へと景色が変わる。
やがて木々が目立ち山が見えトンネルを抜ける。

「どうすれば掴める・・・ジェーンの心・・・!」

てなわけでたどり着いたのが「奥多賀駅」なる場所。

「きちゃった・・・!
 二度も電車を乗り継いて、とうとう終点まで・・・
 ここから先はバスしかないのね・・・」

空腹で我に返るマヤ。

「あーしまった!いっけない
 稽古場へ連絡するの忘れてた・・・
 だいたい私稽古場へ行こうとしてたんだっけ・・・」

当日の予定も全く忘れ遠くの山中に来てしまう
強度の徘徊。

「なにー!今山にいるだと!?」

「は、はい、すみません勝手なことをしてしまって・・・
 都会にいてもどうしてもジェーンがつかめなくて
 都会から離れたくて、日常の生活から離れたくて・・・」

つい出来心を強調する。

「山の中でジェーンのこと考えてみたくなって
 そう思ったら急にどうしても山に来たくなったんです。
 気がついたら電車に乗り込んでしまっていて・・・」

思考の記憶はあるが行動の記憶がないらしい

「先生!あたしに少し時間をください。1日か2日・・・
 ここでならジェーンの何かが掴めるような気がするんです・・・!」

「役者は体が資本だ。怪我でもしたら承知せんぞ。
 体にはくれぐれも注意しろ。
 いいかわかったな。」

電話を切る黒沼先生。
心配する共演者たち。

「止めても無駄だ。帰って来やせんよ。
 それくらいなら行く前に相談している。
 あの子はそういう子だ。
 演技の稽古は稽古場や舞台ばかりじゃない。
 そして演技するばかりが演技の稽古ではないんだ。
 あの子は自分の稽古方法を知っているだけだ・・・
 叱るのは帰ってからだ!」

勝手な行動に怒りつつ理解を示すあたり、さすが黒沼先生である。

「マヤちゃん・・・いつも君にはおどろかされる・・・」

桜小路君の感想。数年あっていなかったくせに。

 

駅前のマヤ。
山地にやってきたはいいが、山は広い。
地元の人たちに聞き、昔に狼が生息していた地域を探す。
「雲斬山の天狗岳」なる場所にかつていたらしく
食べ物を買うとバスに乗り天狗岳に向かう。

バスで出会った登山客の話では
歩いて6時間はかかる場所、
ハイキング気分で行く場所ではないらしい。
マヤは稽古に行くつもりだったので
スカートに普段靴。
山を舐めているとしかいいようがない。

「降りちゃった・・・・
帰りのバスは4:30の1本だけ・・・
このままいけば今日は帰れないわ・・・」

登山客に聞いたバス停で降りたマヤ。
周りには何もなくすでに山中である。

「行こう・・・!ここまで来たんだもの
 夜になったら木の根元か岩場の陰で夜明かしすればいいわ・・・
 そうよジェーンみたいに・・・
 夜叉峠から天狗岳へ・・・!」

てな訳で本気の登山に普段着で挑戦するマヤ。
山の天気は変わりやすい。
辺りが薄暗くなったかと思うと
足を取られそうなほどの豪雨。
なんとか岩場をみつけたマヤ。
至近距離に落雷。
都会で聞く落雷とは比べ物にならない迫力に驚くマヤ。

「すごい・・・空が真っ暗だわ・・・
 ジェーンもこんなところでこんな風にして
 雷を避けたのかしら・・・」

 

てなわけで今回。
稽古場に向かう途中思いつめて気がついたら山にきてしまったイカれっぷり。
そしてちょっと山に行っただけで、役の心がつかめそう、という天才的なひらめき。

黒沼先生も実質マヤのアプローチを認めている。
たしかにマヤほどの実力者、
役を演じる能力や技術は十分であり、
役の原点に近づくのが必要な稽古なのである。

ちなみにマヤが見ていた路線図は東京都西部、
日常利用しているのが中央沿線であることから
奥多摩方面と推測される。

ちなみに劇団つきかげがあったのは杉並区、
つきかげプラス一角獣で「真夏の夜の夢」を上演したのは吉祥寺の井の頭公園。
そして「忘れられた荒野」の稽古場は新宿方面のようである。
マヤが住むアパートの近くには大きな川があり、立川・日野方面であろうか。

そういえばいつも、桜小路優はホームまでは一緒で、
ホームでマヤを見送ることが多かった。
彼の家は裕福そうだが
多摩地区のマヤとは反対方向の23区方面に住んでいるのだろうか。
機会があれば、そのあたりも考察してみたい。

つづく

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第31巻・紫の影(4)