【ネタバレ注意】ガラスの仮面第33巻その④【罠をしかける・・・!】

      2021/10/23

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「そうか月影千草のスポンサーは紅天女から手を引いたか・・・・
 ご苦労だった。」

一室で黒服の男たち数人を従えている速水真澄。

「君達にはこれから俺のいう通りにうごいてもらう。」

今まではある程度の独自行動を許していたのだろうか。
月影先生が特段隠密行動をするでもなく、
上京していたのを見逃していたような連中である。

「絶対バックに大都が動いているとは気づかれてはならん。いいな・・・!」

仕事の鬼、速水真澄の冷徹な一面である。
というか最近この面を見ることがほとんどない。

「紅天女・・・こんな手は使いたくなかったが・・・
 どんなことをしても俺のものにしてみせる・・・!」

「わかりました。どのようなことをすればいいのでしょう?」

「罠をしかける・・・!」

 

所変わってどこかのホテルのロビー。

「なんですって!?
 紅天女の上演をとりやめる?
 スポンサーが降りた・・・!?
 どうしてそんなことに・・・・?」

「それが突然のことでして・・・
 アメリカのブロードウェーミュージカルを手がけることになったから
 紅天女への資金は出せないと・・・
 ただ社の方針が変わったとしか・・・」

「似ている、これは昔と似ているわ・・・
 昔尾崎一蓮と共に紅天女を上演しようとした時
 大都芸能の速水英介に何度もじゃまをされた。
 あの時の手口と似ているわ・・・」

謎の関係者との会談において資金協力の破談をつきつけられた月影先生。
この人「劇団つきかげ」のときもそうであったが、
こんな高圧的でわがままな人にも関わらず、
どこかからお金を引っ張ってくる才能はあるようである。

そして早くも大都芸能の影が見え隠れしている。
大丈夫か速水真澄とその部下たち。

 

そして今度は所変わって高級料亭風の場所。

「お話とはなんでしょう理事長?」

月影先生と会談するのは演劇協会理事長。

「紅天女の件じゃがの。
 話は聞いている。スポンサーが降りたとか・・・
 わしも昔から紅天女の上演のことについて度々あんたから相談を受けてきた。
 だからことさら残念での。」

「理事長には陰でいつもお力になっていただいて・・・」

「いやいや昔の馴染みが何をおっしゃる・・・
 紅天女は大都芸能をはじめ、宝竹プロ、服部スター社に
 アクターズ企画、松浦興行社に内山芸能など
 多くのところが狙っている。
 だがどうもあんたの思い通りの上演はできそうなところはない。」

「紅天女はわたしが上演したいのです。
 わたしの思い通りに・・・せめてわたしのこの息のある間に・・・」

まあ初代紅天女であり、その実績や貢献度、思い入れは理解できる。
ただ、「わたしの思い通りに」ということは
事務所の圧力やしがらみなく、潤沢な資金で盛大にやりたいということであろうか
金は出せ、口は出すな、というなかなかのスタンスである。

「だが月影さん、今のままでは上演は不可能じゃ。
 演劇界幻の名作、紅天女を蘇らせることはできん。
 このままでは尾崎一蓮もうかばれんだろうて。
 紅天女上演のためにはどうするのは一番いいのか
 それを考える必要がある。」

「といいますと・・・・?」

「わしをはじめ協会幹部たちの意見だと思って
 きいてくれんかね月影さん。
 紅天女のために・・・!」

何やら後光すらさしている演劇協会理事長。
ただこのジジイもただの善人ではない。
紅天女の後継者決定を「演劇協会預かり」とかいう
謎の仕組みに組み込んだ実績がある。
月影先生の意向もあろうが、きっちり漁夫の利を得ているあたり
ただの善人ではないだろう。

 

そして所変わってこれは日本橋っぽいところ。

「一蓮・・・
 あなたの魂とわたしの生命・・・
 紅天女・・・
 わたしにはもう紅天女を守る力はないのでしょうか・・?」

その瞬間胸に激痛が走りうずくまる。

「奥さま!千草さま!」

あわてる源造さん。
この一連の上京から観劇、そしてスポンサー関係者との会談や理事長との会談、
ずっと影となって付き添っていたのあろうか。

 

「ええ!?月影先生が心臓の発作を起こして倒れた!?手術!?」

月影先生倒れるの報は、舞台本番後のマヤの元にもたらされた。
演劇協会理事長秘書の松本さんという方が楽屋にやってきた。

「ええこれからすぐ手術に入るそうです。
 それでぜひ病院へ来てもらいたいと理事長が・・・」

「月影先生が・・・手術・・・!」

あわてて向かった先は市立大学病院。
するとそこには姫川亜弓も。

「あなたも月影先生のことをきいて?」

「ええ!」

「急ぎましょう!」

ふたりが奥へ向かうとカートに乗せられて移動する月影先生が。

「月影先生・・・!こんなにやせてこんなに青ざめて・・・
 いつのまにこんなにひどく・・・」

月影先生の後を追おうとするマヤ

「やめるんだチビちゃん!」

止めたのは速水真澄。
さすが情報が早い。
早速理事長に状況を確認する。

「遅くなりまして・・
 どうですか月影先生の容体は?手術の方は?」

「だいぶ悪い・・・かなり危険らしい
 それで成功の確率は30%だそうだ。
 だが成功しても助かるかどうか・・・」

手術中のランプが点灯した。
手術室の外で待つマヤ、亜弓、速水真澄、理事長。

 

ちゅうわけで今回。
紅天女を蘇らせるため、その資金繰りのために上京していた月影先生、
しかし協力を断られその心労もあって何度目かの死ぬ死ぬ詐欺。
その背後に大都芸能の影を感じ始めている。

今回際立ったのは
まず大都芸能。
「バックに大都芸能がいることを気づかれてはならん」
と厳命されながらその次のページで早速月影先生に気づかれている。
コントか。

そして月影先生。
あんなやりたい放題やのに、権力者を転がし金を引っ張ってくる才能に長けている。

ほんで理事長、
最初はただのモブかと思いきや
気づいたら紅天女の上演権、紅天女の後継者の決定にまで介入している。

今後も理事長は大活躍である、ただものではない。

つづく。

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第33巻・紫の影(6)