【ネタバレ注意】ガラスの仮面第34巻その②【妬みをうけるということがどんなものか】

      2021/12/27

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「思えばこの頃から速水氏は俺に目をつけていたのかもしれない・・・」

思い出に浸りながら自宅を後にする速水真澄

そしてその姿を窓から見送る速水英介と朝倉の爺や。

「最近の真澄様はだんだん若い頃の会長に似て来られましたね。
 不思議ですね。会長とは血の繋がった親子でもないのに・・・
 子供の頃の真澄様とはまるで別人だ。
 覚えていらっしゃいますか?会長・・・
 私にお命じになって真澄様の調査をさせたた時のことを・・・」

ここからまた過去の回想に入る。

  • 藤村真澄、1年3組出席番号31番
  • 得意科目、算数、理科、国語・・・
  • 成績は学校で3番と優秀です
  • IQもかなり高い数値を示しています。
  • 人望もあり2学期の委員選挙では40人中35名の票を集め委員になっています。
  • 好きなものは模型と野球
  • 草野球のチームではエースです
  • 仲間の面倒見もよくみんなから慕われています。

真澄のホームランでで三丁目のチームとの野球の試合に勝った。
その帰り屋台のたい焼き屋でたい焼きを食べるのが日常。

「身体は極めて健康。
 調べた結果両親の家系は健康者ばかりです。
 今の所藤村真澄に欠点は見られません。
 お望みの件について適当な人材ではないかと思われます。」

「そうか・・・
 若い頃戦争で南方に行った時熱病にかかり
 それが原因でわしは子供を望めない体質になってしまった
 それがわかったのは20代も終わりの頃だ。
 以後結婚もせずに来た・・・
 だが後継者は必要だ・・・
 今のうちから自分の望み通りの後継者を育てることができればな・・・」

笑顔で仲間たちとたい焼きを食べる真澄を
車の中から見つめる速水英介。

 

「あの時の少年が今のあの真澄様とは・・・
 ひとは変わるものでございますね、会長・・・」

そして速水邸に来客が。

「紫織様がお見えです。」

「なに?あの鷹宮の・・・?
 失礼のないようお通ししろ!」

車椅子で出迎える英介氏。

「これは紫織さん、わざわざお越しくださるとは・・・!
 あいにく真澄はさっき出かけたばかりで!」

「いいえ今日はただお花を届けに来ただけですの。
 温室で育てている花が綺麗に咲いたので
 おじさまに見ていただこうと思って・・・」

血が繋がっていないとはいえ
婚約者の父を「おじさん」と呼ぶのは正しいのだろうか。

「おおこれは美しい!
 やはり丹精を込める方が美しいと
 花もとりわけ美しく咲くようですな。」

饒舌に紫織様の機嫌をとる英介氏。
かなりヤバイ性格のおっさんだが
一代で財を成しただけあってこの辺りは抜け目がない。

そして話題は真澄の子供の頃に。
アルバムを持って来た朝倉の爺や。
そして英介氏の元へは代議士からの使いが来たため一旦中座。
アルバムを見ている紫織様。

「まあかわいい・・・!
 あの真澄様にこんなときがあったなんて」

笑顔で母親と映る写真。
そしてアルバムをめくっていき成長していく写真の真澄。

「どうしたのかしら・・・?
 笑ってる写真が一枚もない・・・
 お母様と一緒に写っているこの写真だけだわ・・・
 なんて厳しい目・・・
 小学校時代も中学校時代も高校時代も
 笑っている写真がない・・・!なぜ・・・?」

紫織様は他人のアルバムを見て核心に迫る傾向がある。

 

その頃大都芸能ではどこかの県の知事と
国際フェスティバルの話がまとまった様子。

「この件は大都グループ全体の利益に関わることですからな。
 会長が聞かれればさぞかし喜ばれることでしょう。」

速水真澄の手腕を褒め称える部下たち。

「オヤジ・・・か
 俺と速水英介は親子なんかではない。
 初めて義父と呼ぶようになったあの日から・・・
 義父は自分の思い通りの後継者を育てたくて俺を息子に選んだのだ・・
 思えば母は俺のために結婚したようなものだ・・・」

また回想へ。

 

「旦那様はね、お前がいうことを聞いて立派ないい子に育ったら
 後継にしてもいいとおっしゃってくださってるのよ。
 ありがたいお話でしょう?
 一生懸命旦那様の言うことを聞いて
 1日も早くお役に立てるようになるのよ。」

笑顔で真澄を諭す母。

「真澄、これからのお前は普通の子供たちと同じであってはいかん。
 付き合う人間、考え方、行動、
 すべてわしの息子としてふさわしくあれ。
 これからお前にふさわしい教育をしてやろう。
 毎日学校がひけたら会社へ来い。」

義父の命令で有力者の子供達が多く集まる名門の学校へ転校、
多額の寄付金を積んで中途入学を可能にしたときいた。
そして野球を辞め、たい焼き屋のおばさんにも挨拶し、
今までの生活に別れを告げた。

学校が終わると義父の会社へ行き
毎日のようにやらされたのは掃除だった。
大人に混ざって掃除をしている少年を
会社の人は掃除のおばさんの子供だろうと思っていた。
会社では決して義父に声をかけてはならず、
来る日も来る日も社内の掃除だけをやらされた。

自宅での生活も何も変わりなく、
英介氏は食事を一緒にするだけで
今までと態度を変えることはなかった。

運動会で応援に来る同級生の父親たち。
入賞した同級生を褒め称える父親、
父兄の競技に参加する父親、
そんな父親像とはかけ離れたものであった。

そんなある日親戚がやって来た。
例の英介氏の異母兄弟姉と、その子供たちである。

お茶を出す真澄の母に露骨に嫌味を言う親戚

「全くどうやって取り入ったのかねえ、使用人が・・・!」

「財産目当てに決まってる・・・!」

彼らは母を英介氏の妻とは認めず
家政婦だった頃と同じ態度であった。

「お土産だ真澄!」

その日初めて義父はプレゼントを持って帰って来た。

「僕に!?ほんとに!お義父さん!」

「ああ」

「ありがとうお義父さん!ありがとう!
 すごいや模型の鉄道のセットだ!」

大喜びの真澄と冷ややかな目で見るいとこたち。

そしてご機嫌の真澄が部屋で遊んでいると入って来たいとこたち。

「お前どうやっておじさんに取り入ったんだ?」

「使用人の子が生意気だぞ。」

「こんなものもらったからっていい気になるなよ。」

模型を壊すいとこ。
反抗する真澄、模型を守ろうと喧嘩になる。
止める母、そして泣き崩れる真澄。

「お義父さんからもらったお土産こわしちゃったんだ・・・
 せっかくもらったのに・・・!
 せっかくお義父さんからもらったのに・・・」

そして父に次第を話す。

「ごめんなさいお義父さん。せっかくの模型を・・・」

「いいかわかったろう真澄。
 妬みをうけるということがどんなものか。」

「え!?」

「妬まれるのは同じくらいの立場にある人間が
 周りよりも幸運を得た時だ。
 目に見えない敵を作ってしまうのだ。
 見える敵ならまだ用心もできよう。
 見えない敵の方が怖いのだ。
 彼らはせっかく手に入れた幸運のなにもかもを
 ぶちこわすことだってあるのだ。」

小学校一年生に諭すおっさん。

「いいか、幸運を手に入れてもみせびらかすな。
 隠していろ。
 それが見えない敵を作らぬ一番いい方法だ。
 お前が大人になって一人前になるまでそうすることだ。」

「お義父さん・・・
 もしかしてお義父さんはこのことを教えるため
 わざとみんなの前で僕にプレゼントを・・・?」

 

 

ちゅうわけで今回。
速水英介に後継者として白羽の矢を立てられた
親子の壮絶な人生が展開された。

ちゅうか小学校一年生に
しかも第一回の人生訓のお題が「妬み」というのがヤバすぎる。

一代で叩き上げて財を成した英介氏だけに
妬みを受けることも多かったのだろう。

親戚たちにしても、英介氏の財力や権力をあてにしつつも
妾腹の子が、と妬んでいるのがわかる。

今回のこの模型を活用した人生教育
速水真澄は学んだのだろうか。

その割には、本心は隠しているようでとてもわかりやすく
功名心に逸ることも多く、
うろたえることや焦ることも多く、
効果があったかは疑わしい。

つづく。

 - あらすじ・ネタバレ注意, 第34巻・紅天女(1)