【社会・世情】「ガラスの仮面」の世界線の考察【技術・芸能】

      2019/02/16

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今回はあらすじ紹介を離れて
ガラスの仮面の世界について考察してみます。

「ガラスの仮面」の連載開始は1976年。
1976年はロッキード事件で田中角栄首相が逮捕されたほか

「アップルコンピューター」設立
「徹子の部屋」放送開始
「ピンクレディー」デビュー
「どん兵衛きつねうどん」発売開始
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」連載開始
「およげ!たいやきくん」大ヒット

など現在にも通じる出来事がありました。
そんな時代から今もなお連載が続いている
「ガラスの仮面」の世界線についてみてみます。

社会・世情

「ガラスの仮面」の世界においては
政治や経済といった社会的背景が語られることは
ほとんどないといってよいでしょう。

時代的な背景を推測できるものとしては、
月影先生が幼少時代とても貧しく、
盗み・すり・かっぱらいと窃盗を極めたことから、
戦中あるいは戦後間も無くの時代であったこと、
速水真澄の父、速水英介が戦争従軍経験があることなどが挙げられますが、
「作品における今」は語られません。

しかし世情としては昭和ならではのおおらかさが見受けられます。
家出したマヤを月影先生が受け入れたり
迎えにきた母親を追い返したり、
はたまた速水邸から脱走したマヤを、
働く代わりに住まわせてくれる保育園があったり、
見知らぬ大人と簡単に仲良くなる子供や、
保育園から度々脱走する園児など。

現代ではコンプライアンスだの訴訟だのと
大問題になりかねないような出来事が多数起きています。

また、母子家庭の母娘が住み込みで中華料理店で働いているというのも
なかなか現代では想像しづらいです。
おまけに結核にかかった従業員を
「退職金がわり」にサナトリウムに入院させるブラック体質。
ブラック企業は「ブラック企業」という単語が生まれる前から存在していたのです。

科学技術

40年以上連載の続く「ガラスの仮面」において
その変化の最たるものは科学技術の進歩でしょう。

中でも電話。
連載当初は黒電話でしたが、
中盤からは携帯電話が登場しました。

また鉄道も時代を感じます。
マヤが「奇跡の人」の稽古のため、
紫のバラのひとの別荘に向かう際には、
上野発の特急に乗って、長野に向かっていることから
信越本線経由であることが推測されます。

上越新幹線や北陸新幹線が開通した現在は
上野発の長野行きの特急はありませんが、
新幹線が開通していない当時ならではといえます。

またマヤが住んでいる地域、
劇団つきかげがあったのは杉並区、
地下劇場や井の頭公園がある吉祥寺などから
中央沿線であることが推測されますが、
電車車両も往時を思い出させるレトロな車両が描かれています。

文化・風習

社会や科学技術など目に見えるものだけでなく、
登場人物の言動からも時代を感じます。

何と言っても月影先生の指導。
罵詈雑言、鉄拳制裁は当たり前。
学校に行かせない、物置に監禁などやりたい放題。
現代なら「青少年に害を及ぼす可能性がある」と
表現を制限されるかもしれません。

また時代を感じるものとしては「喫煙」
特に速水真澄のヘビースモーキングが時代を感じさせます。
社長室はまあええとして、
舞台袖や劇場ロビーでも喫煙しています。
分煙が当たり前となった現代ではマナー違反ですがやはり時代でしょう。

違和感を感じるものとしては
「ボーイフレンド」「ガールフレンド」の概念。
現代の「彼氏・彼女・付き合ってる」といった概念とは少々異なるため注意が必要です。

芸能・演劇

芸能界においてはどうでしょうか。
大都芸能は総合芸能商社として、
TV、映画、舞台、音楽など多くのビジネスを抱え、
版権事業や不動産事業にも手を伸ばしている描写があります。
この辺りは現在における芸能事務所や芸能界と同じなのですが、
中でも「舞台・演劇」の比重が高いのが特徴です。

残念ながら現在の日本において、
「劇団四季」「宝塚歌劇団」「吉本新喜劇」といった一部の人気団体を除くと
舞台・演劇の認知度は低いと言えます。

しかし「ガラスの仮面」の世界においては
舞台演劇の大衆人気や注目度がとても高く、
主演女優の記者会見がしょっちゅう開かれたり、
新聞で紙面を大きく割かれるなど、
新作発表のたびに話題になったりしています。

無名だったマヤが舞台で実力をつけ、チャンスを掴み、
大河ドラマで全国的な支持を受けたのはわかる話なのですが、

舞台での活動がメインで、
TVや映画での露出度が多いとは言えない姫川亜弓が、
圧倒的な人気と知名度を誇っているのも現実に置き換えると不思議な話です。
(もちろん子役時代の実績や、両親のネームバリューもありますが)

そういった意味では、
舞台演劇が大衆に人気があり、
その中でスターが育っていくという
演劇界においてはとても健全で理想的な世界であるとも言えます。

まとめ

以上、今回は「ガラスの仮面」の世界と現実世界の違いを中心に
その考察を行ってみました。

 - 雑談