ガラスの仮面のおっさん

アラフォーのおっさんがガラスの仮面を読んで聞かせる

「イサドラ!」ガラスの仮面・劇中作品データ

      2021/07/31

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出演:
イサドラ・ダンカン 円城寺まどか
その他多数

演出:藤本夜彦
舞台美術:古原猛
照明:ラッセル
振り付け:立花ミレイ

劇場:大都劇場
制作:大沢演劇事務所

主な観客:
北島マヤ
桜小路優
黒沼龍三
速水真澄
鷹宮紫織
小野寺一
姫川歌子
姫川亜弓
芸術祭主催・フジミ食品 会長 社長
全日本演劇協会・理事長 会長 主だった幹部たち
芸術祭実行委員会のメンバー
芸術祭審査員長 文化勲章を受けた名優の宇田川千吉
毎朝新聞、日東出版の取締役など、芸術祭の審査員

芸術祭大賞を狙う大沢演劇事務所と
星歌劇団を退団した大スター円城寺まどかの野心作であり
観客も演劇界や芸能界の重鎮が数多く集まっている。

あらすじ

貧しいが天才的な踊りの本能と火のような情熱を持つイサドラ
それまであった仰々しい舞台と美しく飾り立てた衣装を拒否し
舞踊界に革命を起こしたイサドラ
その人生と恋を描くミュージカル

なのだが、仰々しい舞台に仕上がっている。

大沢事務所の野望

賞レースで勝てる芝居を興行したい大沢演劇事務所。
元々は演劇界の鬼才・黒沼龍三を起用し、
「忘れられた荒野」にて芸術祭の受賞を狙っていた。

しかし賞レースはあくまでも結果と言い切り、
事務所や社長の方針やキャスティングをことごとく拒否する黒沼先生。

そんな黒沼と衝突した大沢社長は、
「忘れられた荒野」と別軸で賞レースを勝つための芝居を企画する。
それが「イサドラ!」であった。

黒沼への当てつけのように、稽古場を追い出し、
「忘れられた荒野」の重要キャストの桜小路優を引き抜こうとし
さらには芸術祭への参加作品を「イサドラ!」に決定、
「忘れられた荒野」は大沢事務所を離れインディペンデントとなる。

これまで受賞歴のない大沢演劇事務所だが
この「イサドラ!」では星歌劇団の元トップスターの円城寺まどかの起用に成功、
そしてスタッフも一線で活躍する著名人を起用している。
そんな本気と野望がうかがえる。

豪華な布陣

星歌劇団を退団したばかりのトップスター円城寺まどか
退団後初の舞台ということで注目されたこの芝居。
演出には大劇場での演出に実績と定評のある藤本夜彦先生。
舞台美術は有名な古原猛先生
照明はブロードウェーから招聘したラッセル氏
ダンス振付は、世界的舞踊家の立花ミレイ先生
スタッフもビッグネームが揃う。
こうして出来上がった芝居は
舞台美術だけで数千万円、
通常の三倍の照明をしようした豪華なものとなったのである。

そして劇場も大都劇場での公演となり、
興行としての成功は約束されたも同然であった。

円城寺まどかの憂鬱

円城寺まどかさんは災難続きである。

手始めにイサドラの相手役として、桜小路優を引き抜こうとするも断られる。
「円城寺まどかの相手役」という栄誉を蹴ったその芝居に敵愾心を抱き
北島マヤを意識し始める。

円城寺さん陣営は大沢社長とともに
「忘れられた荒野」チームへの嫌味を連発するが
事務所を離れ逆にやる気を出した黒沼先生には一蹴され
稽古を見に来た円城寺さんはマヤの芝居に圧倒され危機感を覚える。

そして迎えた初日、芝居は大成功であったが
黒沼先生にはイサドラの芝居を酷評され、
そしてマヤの「一度見た芝居は覚えてしまう」必殺技が炸裂、
初日を祝うパーティー会場の主役を奪われてしまう。

「イサドラ!」を見に集まった演劇界や芸術祭の重鎮、関係者、マスコミはこぞってマヤに注目
速水真澄の陰謀もあり、「イサドラ!」の初日は「忘れられた荒野」の格好の宣伝会場になってしまったのであった。

まとめ

これまで数々の強敵を倒し芸の肥やしにして来たマヤであるが
ついにビッグスターすらもその肥やしにしてしまったのである。

 - ガラスの仮面・劇中作品データ