ガラスの仮面のおっさん

アラフォーのおっさんがガラスの仮面を読んで聞かせる

「古城の愛」ガラスの仮面・劇中作品データ

      2017/02/03

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星城学園文化部発表会・演劇部
出演:
主演 中村さん(腹痛のため降板)
北島マヤ(代役)
ほか演劇部メンバー

演出:演劇部部長
劇場:星城学園体育館?
主な観客:生徒中心

劇団つきかげは実質活動休止状態。
芝居に渇望し、そして紅天女への興味を抱いたマヤ。
いろいろな役をこなす演技力を身につけるべく飛び込んだのは、
文化部発表会前の演劇部だった。

あらすじ

不明。
多分こんな話。

両親を亡くした貴族の娘・セリーヌ。
伯父のロシュフォール伯爵に引き取られ田舎で育っていた。
セリーヌは美しく育ち評判に。

女王の甥であり、王位継承者のルワーノ王子はセリーヌを見初め、
ロシュフォール伯爵とともに呼び出されたセリーヌ。
美貌、品格、家柄、人柄すべて申し分なしと女王にも認められ、
王子の嫁に迎えようとしていた。
しかしセリーヌはロベルトとかいうやつと愛し合っていたようで
死んでしまったよう。

以上。
セリーヌが主役ちゃうか?
でも主役の中村さんは女王役だったということは
女王が主役なのか。
まあ結果としてマヤ演じる女王が舞台を支配してしまったに違いはない。

ぶっつけ本番で女王役に。

芝居に渇望し、演劇部の門を叩いたマヤ。
劇団つきかげ所属、映画出演歴があるとはいえ、
飛び込みで入ってきたマヤに対して演劇部員等は冷たい。

部室の掃除などの雑用を来る日も来る日も与えられ、
肝心の台本すら読ませてもらえず、
ようやく稽古時にあてがわれた役は通行人。

しかしさすが北島マヤ。
通行人だからといって軽んじることなく。

「どのような役なのですか?」

通行人でも年齢性別職業や状況によって歩き方が違うとの主張。
これに対して否定的な部長等も
上記の人外的な首の動きと演技力で黙らせてしまった。

そして本番当日。
主役の女王を演じる中村さんが急激な腹痛に襲われ降板。
舞台に穴をあけるわけにもいかず、
ここでマヤの特技

「一度見た芝居をセリフから動きまで完璧に覚える」

が発動。
リハーサルも何もなくぶっつけで女王の代役になったのだった。

さすが劇団つきかげ。
演劇部員たちなど物の数ともせず演技力で圧倒。
その存在感に押され、女王の衣装の裾を踏んでしまった部長には

「無礼者!足を引けい!」

とアドリブで応酬。
演技の力のみでその存在をアピールし、劇場を支配した。

星城学園演劇部のブラック体質

今回目立ったのはマヤの相変わらずの演技力と、
星城学園演劇部のブラック体質だ。

部長を中心とした幹部部員が牛耳っており、
実力や経験は一切評価されず新入部員は雑用のみ。
役を与えられるには年数が必要であり、
所属部員でも役を与えられないことも。

組織のあり方としては間違っているとは言えないが、
そこそこの部員数にも関わらず、代役などのサポート体制は皆無。
マヤの通行人の演じ方を見て初めて演技とは何かを考える部員もおり、
演技力の育成に関してはノータッチと言わざるをえない。

舞台上ではマヤの演技を見て

「気を呑まれる」
「圧倒される」

など、役者同士の目立つ食われるだけが争点であり、
対観客という観点においては何も行われていない。

このブラック体質を見るに、
主役の中村さんの腹痛(食中毒疑惑)も犯罪の匂いすらする。
それとも食うか食われるかの極度のストレスによるものなのか。

そして無事終演後。
さんざん稽古時には敬語だったマヤが、
部長(しかも着替え中)に対して

「おつかれさまあ!」

とタメ口で肩を叩き退場。
上下関係を重んずる演劇部にあってはご法度な行為である。

この舞台で圧倒的な実力を見せつけたにも関わらず、
以後の舞台にマヤが呼ばれることがなかったのは、
このマヤの世間知らずゆえか。
それともマヤの実力を見せつけられたにも関わらず、
実力や経験など一切評価されない
演劇部の体質が変わらなかったということだろうか。

まとめ

マヤを見るにおよび、
世の中実力だけでは渡っていけないというのを痛感する。
最後にモノを言うのは実力。
しかし、最後のタメ口肩叩きには違和感を感じる。
そしてこの後、マヤは泥だらけの水たまりで転び、
しかも家に帰ると月影先生がぶっ倒れるという天罰を受けるのだった。

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