「運命・劇団一角獣」ガラスの仮面・劇中作品データ

      2017/02/03

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演劇コンクール全国大会
出演:
堀田太一
二の宮恵子
田部はじめ
細川悟
その他 劇団一角獣のメンバー
演出:劇団一角獣
劇場:名古屋フジホール
主な観客:
審査員・評論家多数・北島マヤほかつきかげのメンバー・その他観客多数

演劇コンクール東京予選を勝ち抜いた劇団つきかげ。
全国大会の名古屋に到着すると奇妙な一団に出くわす。

新幹線の車内から異彩を放ち、名古屋駅からマヤたちがバスで移動した道中を徒歩で移動。
マヤたちの宿舎の隣のボロ寺に起居し、早朝から夜中まで奇妙な稽古を続ける。
彼らは北海道代表の劇団一角獣だった。

全国大会では初日の三番目に登場。
「むさ苦しい連中だが夢だけは人一倍大きい」
と劇団の紅一点・恵子の談。

「今までとは違った表現で新しい演劇をやってみたい」
と堀田団長の意気込み。

その通り初日から劇団一角獣の舞台は高い評価を得て、拍手が鳴り止まないほどの大盛況だったのだ。

「運命」のあらすじ

主人公の若者ハンスは恋人マリアの住む故郷を捨て、立身出世を夢見て大都会のエクンドラへと向かう。
途中三本の別れ道が。
この道はどれもエクンドラに通じ、どれもエクンドラに通じていないという。
ハンスは自らの運命を選び、一番右の道を進む。
その先にあったのは、殺し屋としての血みどろの人生。
あの時違う道を選んでいればと悔やむハンス。
夢から覚めるとあの運命の別れ道だった。

今度は左の道を進むと待っていたのは伯爵夫人との怠惰な愛の生活とその破局。
血の結末と身の破局が待っていた。

真ん中の道を進むと栄光のスターの運命。
富と名声の引き換えに自由と愛と安らぎをなくし、疲労と苛立ちの虚しい日々。

夢から覚めたハンスは、故郷での生活を選び、帰って行ったのだった。

独自の演出と演技で観客を魅了

登場こそ不気味な劇団一角獣だったが、その実はとても気さくで熱い連中だった。
団長の堀田、紅一点の二の宮恵子の二人をはじめ、太っちょの田部はじめなど個性的なメンバー。
演劇とは思えないほどアクロバティックで野生的な稽古を展開しつきかげのメンバーを驚かせる。

本番では開演直後から観客の度肝を抜く。

人間が木や岩の自然物を演じ、不気味さを醸し出すという演出。
組体操ばりに人が人に乗っかっているのだが、ほぼ直立している人間の背中に人間が立つという
というか一番上のやつはもはや重力の働きがおかしい。
演技とか体力ではなく超能力に近い才能の持ち主である。

舞台ではシリアスあり、笑いあり、涙あり、歌あり、踊りありと観客を魅了。
舞台装置の少ない素朴な舞台ながらも、体当たりで斬新な演出と表現でエネルギーを発散する。

舞台を所狭しと動き回り、パワフルな演技とアクロバットを披露。
終わってみれば観客はスタンディングオベーション。
カーテンコールを求められるほどの大人気だった。

劇団一角獣、最後の輝き

しかしこの劇団一角獣。
「運命」を最後に単独で公演をしている描写はこの後ない。
大会終了後は全国を腕試しとばかりに旅公演を行っていたが、資金難から東京で劇団つきかげに合流。
「劇団つきかげ+一角獣」として合同の公演を行なっていく。
地下劇場を皮切りに、公園野外ステージのチャリティー公演を成功させ、大劇場への出演を勝ち取ったものの、あくまでもつきかげとの合同プロジェクト。
月影千草の知名度や、マヤの知名度と演技力によって注目され、人気は出たものの、彼らの持ち味である斬新さとアクロバティックは失われてしまう。
女性ばかり5人の劇団つきかげになんとなく吸収されたような形で、その後はマヤの紅天女への道の肥やしとなった感が否めないのは残念である。

まとめ

あのまま、劇団一角獣単独で公演を続けていたら・・・
時間はかかったかもしれないが、間違いなく実力派として世にでるはずだった劇団である。
つきかげと合流したことによりその個性を失い、その他大勢に成り下がってしまった。
あの時つきかげに合流しなければ・・・
その運命はわからない。

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