「灰の城」ガラスの仮面・劇中作品データ

      2017/02/03

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演劇コンクール全国大会
出演:
姫川亜弓
桜小路優
その他 劇団オンディーヌのメンバー
演出:小野寺一
劇場:名古屋フジホール
主な観客:
審査員・評論家多数・北島マヤほかつきかげのメンバー・速水真澄・その他観客多数

劇団つきかげと東京予選で引き分け、同時に代表となった劇団オンディーヌ。
しかしその知名度と実力は群を抜いており早くも優勝候補の呼び声が高い。
ライバルのつきかげを潰すべく、速水真澄と小野寺一の裏工作が始動。
そして満を持してオンディーヌの本番が始まった。

『灰の城』あらすじ

明治末期、かつては五十万石の大名だった高波家は世の移り変わりとともに没落華族となっていた。
放蕩三昧の父や堕落した家族等の中にあって唯一大名家の姫としての誇りを捨てない美弥。

以上。
本来は様々な人間模様を交えた作品なのだろうが、いかんせん亜弓の出番しかフューチャリングされない。
笑いゼロの文学的な作品を全国大会の舞台に選んでくるオンディーヌ。
さすが老舗の有名劇団と言わざるをえない。
今回のコンクールの客層を見ると審査員や関係者だけではなく、一般の家族や子供も多くいるよう。
果たしておもしろいのか。

好評を博した姫川亜弓の演技

というか、姫川亜弓の演技は好評を博さなかったことはない。
毎回注目され、期待され、比較される中、結果を残すのはものすごいことである。

今回の没落華族の姫君の役は、演じ方によっては客に嫌われかねない役どころにもかかわらず、却ってその演技が哀愁を誘い、没落華族の悲しみを感じさせる結果となった。

亜弓さんの今回の美弥役へのアプローチ詳細は不明。
ただ、本番前の舞台稽古ですれ違ったマヤにげっそりとやつれた姿を披露する。
しかし自身に満ちた笑み。(効果音は「ニッ‼︎」)
さらには体調が悪いらしく倒れかけ、桜小路優に抱きかかえられる。

原作や脚本を読み、そのイメージを忠実にかつ、膨らませて演じる技量はさすが。
しかし、没落華族→貧窮→やつれる→極度の食事制限と運動→体調不良
という安易なアプローチが感じられてならない。
役作りには一切の妥協を許さず、周りが止めても信念を貫く強さを持った亜弓さん。
しかしその行動と信念は素晴らしいが、方向性に危うい物を感じるのは私だけだろうか。

層が厚いのか、薄いのか、よくわからんオンディーヌ

今回の「灰の城」では明確な主役は描写されていないが、おそらく亜弓さん演じる美弥が主役を食ってしまったことだろう。
亜弓以外には元城主の父や、育てのばあやなど年配の役者も出演している。
彼らは劇団オンディーヌの重鎮クラスなのだろうか。

小野寺の話では、オンディーヌは日本一といってもいいほどの実力と知名度を誇る劇団。
劇団員等はTVや映画にも引っ張りだことのこと。
日本の芸能界を牛耳る大都芸能と直結しており、かなりの有名俳優や実力派俳優を抱えているはずだ。

しかし、そのような看板スターが「演劇コンクール」に出演するだろうか。
姫川亜弓の場合は有名かつ実力を持ちながらも、年少者の部類であり、いわば劇団の若手のホープ。
彼女を看板としてコンクールに参加するのは理解できるが。
例えば俳優座や青年座が、看板重鎮クラスの役者を使って、コンクールなどに出るとは思えない。

もちろんゲストとして劇団外の客演もないとは言い切れないが、今回のコンクールに出演している中堅・ベテランは無名なのだろうか。
そう考え始めると劇団オンディーヌは層が厚いのか薄いのかよくわからんくなる。

ちなみに桜小路優は今回は出演はしているようだが、配役は不明である。

演出家・小野寺一

なんども申し上げますが、この方、演出をしない演出家として有名。
主な描写は

・速水真澄と悪巧みしている
・月影千草に嫌味を言う
・舞台終演後、亜弓のそばでドヤ顔

といったところ。
今回も見事に名古屋入りしたのちも、優雅に喫茶店でつきかげの男性劇団員を調略している。
しかもそのやり口は直接的に手を下さず、指示を出すわけでもなく、曖昧な内容で、見事につきかげの妨害に成功する。
もはやプロ詐欺師と言っても過言ではないほどの手腕。
演出家というよりプロデュース手腕の方が目立つ小野寺氏である。

まとめ

いよいよ劇団つきかげの登場。
しかし小野寺氏の陰謀が渦巻く中、果たして本番を迎えることはできるのか。
無事にはできませんでした。

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