「天の輝き」ガラスの仮面・劇中作品データ

      2018/09/20

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出演:
主役 森平四郎:川村鉄
ヒロイン おりん、本名村松楓:姫川歌子
田沼虎二郎伯爵:前田洋一
その息子田沼満:川原悟郎
その妹田沼伯爵令嬢沙都子:北島マヤ
水品子爵令嬢彩子:斉藤陽子
陽明学者 小笠原東陽:中村草太
藤沢の豪農 三觜八郎右衛門:春川俊
洋医学者 増村多吉:戸塚守章
岩友武史:里美茂

MBAテレビ 大河ドラマ 20:00〜

あらすじ・概要

激動の明治の時代、文明開化の嵐の中で
天の輝きだけを仰ぎ見て生きる情熱的な一人の男を中心に、
明治という時代を生きる様々な群像を描こうというものである。

次々と配役が発表され、主要人物だけでも25名。
明治の東京を中心に横浜や北海道、
アメリカロシアイギリスと、世界を股にかける大作である。

マヤ演じる沙都子は華族の令嬢であるが
勝気で気位の高い、それでいて進歩的なものの考え方をし、
文明開化を的確に捉えている少女の役柄である。

マヤの出世作!

「奇跡の人」にてアカデミー芸術祭演劇部門助演女優賞を獲得したマヤ。
実はこの賞を取ると自動的にMBA大河ドラマにて大役の出演が決まりスターダムが約束されるというシステム。
本作でも13巻から16巻に至るまでその時系列が描写され、
マヤにとっても物語にとっても大きな転機となっている。

マヤはこれまでとは異なるTVの撮影や演技に戸惑う。
舞台と違って連続しないシーンやカットの撮影、
なん度も繰り返されるリハーサル、
そして初挑戦の時代劇の所作や殺陣。

演出家や共演者に怒られ呆れられながらもさすがはマヤ。
後述の何者かの妨害にも負けず、
共演者やスタッフを唸らせる演技を連発。
その魅力はお茶の間の視聴者にも届き大反響。
大都芸能の全力のバックアップもあり、マヤは一気にスターダムへ登りつめたのだった。

大都芸能に入れられたマヤ

しかし「天の輝き」の出演決定後、月影先生は速水真澄の元を訪れ、
マヤを大都芸能に入れたのだった。
突然やって来た水城さんに拉致されるかのように連れ出され、
大都芸能の寮に起居し、生活をすることに。
真相を聞きに、月影先生が講師を務めることとなった養成所を訪れるも、
「テレビの仕事が終わるまで来るな!」と激怒され号泣するのだった。

大都芸能は北島マヤを売り出すために速水真澄自らの音頭でプロジェクトを決行。
テレビ出演と合わせ、映画、舞台、CM、雑誌と露出を増やすクロスメディア戦略を実施。
同日21時から放映される姫川亜弓主演の「虹の記憶」との相乗効果もあり、
見事マヤをスターへと導くのだった。

月影先生が語るところによると、マヤを大都芸能に入れた目的は三つあるらしい。

一つ目は月影先生から引き離すこと
二つ目は今まで知らない世界を教えること。

マヤは慣れないTVや映画の撮影、そして芸能界で見事結果を出し、
その目的は達成された。

しかし三つ目の目的の結果はこれかららしい。
そしてその三つ目が何なのか、月影先生は言わない。

「私はそこに賭けたのです!」

なんかわからんけど、賭けたらしい。
さすが紅天女・人間の心を持っていない。

マヤに忍び寄る陰謀

しかし急激に露出が増えたマヤに対して風当たりは決して小さくない。
具体的には

  1. 刃物を持ってうろつく(里美茂の親衛隊)
  2. 車を大破され抗議文(アイドル歌手巴万里の熱狂的なファン)
  3. 撮影で使うパイにガラス片
  4. 撮影衣装の襟に、カミソリを仕込まれる。(マヤのおかげで出番が減った端役の吉川さん)
  5. マヤのポスターがズタズタに引き裂かれ、トイレに晒される。
  6. 撮影セットの船のマストのボルトが抜かれ、宙づりに。
  7. 撮影本番、バケツが落ちて来て水浸しに

傷害未遂、器物損壊、傷害、傷害、器物損壊、器物損壊と殺人未遂。
とことんやられている。

しかしその逆境を跳ね返すマヤ。
圧倒的な演技力と、芝居へのひたむきな姿勢で、
反感を持っていた巴万里を味方につけ、謝罪。
芝居の力を存分に見せつけ、端役の吉川さんはカメラの前で沈黙させる。
そして大女優の山崎竜子さんは、速水真澄の政治力によって味方につけることに成功したのだった。

ちなみにこの山崎さん、スタジオに来て高飛車な態度でマヤに嫌味をいうだけで、
具体的な嫌がらせをしたという描写はない。
めんどくさい大女優キャラということもあって、
後述の陰謀をカムフラージュするだけのために必要とされた存在である。

マヤが得たもの、失ったもの

このMBA大河の出演において、マヤが得たものはとても多い。
まず、これまで舞台だけの人だったマヤが、TVや映画でも通用すること、
そして大衆を魅了するだけの女優であることが証明されたことである。

そして里美茂の存在。
青春ドラマのスターでありながら、気さくで快活でナイスガイの里美茂。
彼を射止め、月影先生を満足させる(芸の肥やしという視点で)恋愛をすることができたのは大きい。
彼との共演の中で演技を忘れスランプに陥ることもあったが、
紅天女への道には大きな財産となった。
そしてスキャンダルによって彼を失うことになる。

逆に急激にスターになることによって、
かねてからの仲間を失ったのも事実である。

忙しくなって会えなくなった桜小路くん。
マヤの撮影を見に来るも偶然里美茂と抱き合うマヤを見てしまう。
そして舞台で役者としての再会を約束し、自ら別れを告げたのだった。

そして劇団つきかげのメンバー。
手紙を出しても返事すらないマヤを心配し、
マヤのマンションを訪れるも門前払い、
ゴミ箱には破り捨てられた手紙。
そしてマヤが地下劇場を訪れたことで初日が大パニックになり、
麗みずから絶縁を叩きつけられたのである。

月影先生にも大都芸能に売られ、
マヤは多くのものを得て失って芸能界を進んだのである。

母の死、そして失脚

順風満帆だったマヤのスター街道は突然にして終りを告げる。
マヤをさらに売り出そうとする速水真澄の陰謀の失敗と露見、
母の死とマヤの絶望、
そしてその隙に乗じた乙部のりえの策略により、
沙都子役を交代させられることとなったのだ。

沙都子役は乙部のりえのものに。
しかし乙部のりえの演技を見た姫川亜弓は
その中身の無さを指摘し、マヤの失脚を残念がるのだった。

水城さん大活躍

しかし、このシリーズ一番の大躍進は水城冴子さんであろう。
これまでも社長・速水真澄の恥部を存分に暴露していた彼女。
当初はマネージャー代行という形だったが、
マヤに対しての数々の妨害が行われるに及び、
自ら正式なマネージャーを買ってでたのだ。

マヤを24時間管理し、見守り、
時には慰め、時には叱咤。
マヤが芸能界を生きることができたのは彼女の力が大きい。

そして読者の期待通りに速水真澄に食ってかかり、
時には直球、時には遠回しに、説教から嫌味から文句から。
ぐうの音も出ない正論と、捻じ曲げようもない事実の連続により、
返す言葉もない速水真澄。

物語の中では大都芸能側の思惑やマヤの置かれている状況を説明する役割をになっているのだが、
その二人のやりとり(水城さんが一方的にやっちまっているが)は秀逸である。

まとめ

というわけで、数ある劇中作品の中でも非常にボリュームが大きく、
そして非常に大きな転機てもあるこの作品。
管理人は大好きなくだりでもある。

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