「国一番の花嫁」ガラスの仮面・劇中作品データ

      2017/02/03

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青葉中学校春の創立記念日・学校祭
出演:
マリアンヌ・瀬川由美子
国王・松永正
王子・中村一也
死刑執行人・和田慎二
王妃・今井薫
ビビ・北島マヤ
その他クラスメートが参加
演出:担任の先生
劇場:青葉中学校体育館
主な観客:月影千草・源造・生徒・父兄保護者関係者多数

マヤの初舞台となる「国一番の花嫁」
「おらのことパーだと?パーだと?パーってなんだ?」
という名台詞でおなじみのこのお芝居である。

王子の花嫁選びが題材で、三人の妃候補が選ばれるものの、
主人公マリアンヌは死刑囚の命を助けるため花嫁を断念し、
死刑囚と結婚する決意をするが、実はその死刑囚が王子であった。
というおとぎ話的なストーリーである。

学芸会の出し物とはいえ、中学生には幼すぎないかという疑問。
そしてマヤは「椿姫」と同じことをやれるんだわという大勘違い。

今回の目玉はなんといってもクラスメイトの和田くん。

「和田くんは死刑執行人にぴったり」

という中学生とは思えない理由で推薦され、
そして異議なしでキャスティングされた。
果たして和田くんはどんなやつなのだろうか。

マヤは国一番のブスでバカで笑われ者の女・ビビ役に指名される。
衣装は凝らなくてよろしいと先生に言われたことで
自分の家が貧乏だからビビ役に指名されたと邪推するマヤ。
そして三枚目役に指名されたことを恥じ、笑い、罵しる母親。

しかしながら三枚目役というのは難しい。
悩むマヤから台本を奪い、数秒で速読した百戦錬磨の大女優・月影千草をして

「難しい役だわ・・・この劇の中で一番難しい・・・」

と震えさせるほどの難役だ。

マヤはその難役に、悩み苦しみながらも向き合い、
寝る間も惜しんで台本を読み、
稽古時からその存在感でクラスメイトたちを圧倒する。

そして母親には大好物の弁当を持って是非見に来て欲しいと懇願。
しかし母親は娘がアホみたいなメイクで、みすぼらしい格好で
笑われ蔑まれるのに耐えられないと情けなく涙を流す。

なぜそのような思考になるのかは不明である。

そして本番。
多くの生徒や父兄保護者関係者多数に混じって体育館にいる月影千草。
中学校のセキュリティーが心配になる。
他の保護者たちからも不審がられているのに。

マヤは会場で爆笑に次ぐ爆笑をゲットし、
その演技力は他を圧倒する。

圧巻はクライマックスのシーン。
先生の演出を無視し、笑いの芝居を泣きの芝居に変え、
会場の拍手喝さいを受けたのだった。

後でこっぴどく叱られるのだが、
マヤの舞台の上で役として生きる力、
役の気持ちを掴む能力の高さを、初舞台ながら感じさせる熱演である。

そしてマヤの演技を見届けた後、
体育館でひそかに発作を起こす月影先生。
マヤの母親は芝居を見にはこなかった・・・

舞台の上で生きたマヤはその演技力を発揮し、
演劇への情熱をさらに高め、
月影千草は瀕死ながらも、不法侵入と言われても間違いではない方法でマヤの才能を確信し、
マヤと母親の間には溝が生じ、後の家出、さらには悲しい結末への伏線となっている。

おらのことパーだと?
の名台詞ばかりが目立つ芝居だが、
後の物語への伏線が綿密に張り巡らされていると言っても過言ではない、
マヤの記念すべき初舞台であった。

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