「真夏の夜の夢」ガラスの仮面・劇中作品データ

      2019/12/28

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出演:劇団つきかげ+一角獣
シーシアス 細川悟
ヒポリタ 田部はじめ
ハーミア 水無月さやか
ヘレナ 二の宮恵子
ライサンダー 青木麗
デメトリアス 長谷川良一
オーベロン 堀田団長
タイターニア 沢渡美奈
妖精パック 北島マヤ
その他多数

演出:劇団つきかげ+一角獣
劇場:I公園野外ステージ
日時:7月10日・11日・12日
主な観客:
速水真澄
菊川賞劇作家・日向英治
桜小路優
水城冴子
地下劇場からのファンたち
アテネ座支配人と関係者たち
第1日 1400名超
第2日 2000名超
第3日 2500名超

あらすじ

よしきた!おいきた!
それご覧の通り!
ダッタン人の矢よりも早く

マヤ、つきかげに復帰!

高校を卒業後、演じる場所を失ったマヤ。
つきかげ+一角獣の地下劇場を手伝ったりしていたが
芝居に飢え、仲間たちに復帰を懇願。
もちろん仲間たちに異論はなく、月影先生の許可を得て復帰を果たしたのであった。

マヤに与えられた役は妖精パック。
一番の芸達者が演じる影の主役というべき存在。
月影先生の謎特訓の元、パックのリズムをつかむと
一気に花開いたのだった。

しかしマイペースと個人プレーは相変わらず。
稽古ではやってない芝居や段取りで共演者を唖然とさせ、
肝心のハートは「紫のバラのひと見ていてください」ばかり。
しかも「紅天女への道」の途中と割り切り見下している節がちょいちょいある。

マヤの好演もあって舞台は大成功に終わるが、
なんとも言えない気持ちにさせられる部分は否定できない。

地下劇場からの飛躍

今回のプロジェクトはそもそもは、一角獣の堀田団長の発案であった。
地下劇場では好評を博し、固定ファンを根付かせ大人気の彼らであるが、
さらに高みを目指すべく大劇場に打って出たのであった。
しかし無名の彼らは大劇場には足蹴にされ、
タイミングよく見つけた野外劇場で上演することとなる。

興行のスペシャリスト、速水真澄のアドバイスも得て公演は大成功。
アテネ座への出演を認められ、ネックとなった資金制作面も大都芸能がバックアップ。
半ば成功を約束された形となった。
しかしその代償としてマヤを仲間から外される。

マヤの演技力や牽引力は半端なく得難いものがあるが、
前述のように個人プレーに走ることも多い。
果たして「マヤ抜き」は彼らにとってプラスとなったのかマイナスとなったのか。
わからないままである。

アテネ座支配人の憂鬱

今回ひたすらババを引かされたのはアテネ座支配人の広瀬さん。
当初アテネ座に出演希望にやって来た堀田団長以下を
無名との理由で半ば門前払いに。

そしてつきかげ+一角獣の伝説を聞くに及び恐れをなす。
野外劇場へ挑発にでかけたものの、逆に引っ込みがつかなくなり、
アテネ座客席500より多くの集客を条件に出演を許可、
しかもその約束を業界大物の速水真澄立ち会いのもとさせられてしまう。

さらには集客に苦しむマヤたちを「大道芸」と嘲笑した結果、
そのキーワードにヒントを得たマヤの宣伝方法が的中、
結果として500どころか合計6000人に近い集客となり、
アテネ座への出演を認めざるを得なくなる。

彼の一番悲しいところはつきかげ+一角獣の実力を認めることができなかったことだ。
彼らほどの実力者なら無名とはいえ、成功する可能性は高いにも関わらず
ネームバリューにこだわり商機を失ってしまったのである。

速水真澄の真の狙い

しかしながら今回の速水真澄は比較的冴えている。
集客に苦しむメンバーたちにチャリティー公演を提案、
興行のアドバイスを積極的に行い、並行してマスコミを仕向け宣伝に成功。
つきかげ+一角獣の成功をサポートする。
しかもその結果得たアテネ座出演企画からマヤを外し、
あえて悪役を引き受けマヤに悪態を突かれても日帝劇場に向かわせるというファインプレイ。水城さんならずとも思わず拍手したくなる手腕であった。

劇団つきかげ+一角獣の人間模様

「真夏の夜の夢」においては出演者が多数であった。
つきかげのメンバーはもとより、
一角獣の北海道以来のメンバーに加え、見たことない雑魚団員が増えている。
確か全国大会の時は、恵子さんが紅一点だったと思われるが
見たことない女性メンバーも増え、人気とともに人数も増えたのであろうか。

ここで気になるのが劇団内の人数構成である。
つきかげメンバーは、マヤ・麗・さやか・美奈・泰子の五人。
一角獣の古参メンバーは、堀田団長・恵子さん・細川悟・田部はじめ、
そのほか複数人いるようである。
また地下劇場になってから増えたメンバーもいるようである。
つまり、つきかげは少数派であると言える。

麗は地下劇場以来のイケメンアイドル路線で大人気、
美奈は堀田団長とええ感じになり、
さやかは名バイプレイヤーとしての道を邁進、
泰子は描写がなく行方不明。
つきかげメンバーも劇団内のそれぞれの立ち位置や生き方を見つけたようである。

そのせいか、劇団内でのイニシアチブは堀田団長が取り、
演出も堀田団長が行い、芝居の方向性も一角獣テイスト満載である。

しかし、マヤの出演やその他の決定については月影先生の認可がいる模様であり、
しかもたまに劇場に乱入しては稽古スケジュールを変えたり、
雑魚団員を顎で使ったりしてマヤの個人特訓に付き合わせるといった
絶大な権力を持っているようであり、
劇団内におけるその力関係や人間模様は極めて複雑なようである。

まとめ

というわけで「真夏の夜の夢」は大成功。
飛躍を期すメンバーにとっても、
若手集団を売り出したい大都芸能にとっても、
紅天女を目指すマヤにとってもみんながハッピーになる公演であった。

痛みを伴ったのはアテネ座の広瀬支配人と、
マヤに嫌われた速水真澄だけであった。

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